基本的な考え方

いすゞのパーパスである地球の「運ぶ」を創造するため、カーボンニュートラルへの対応や進化する物流への貢献の取り組みを進めます。また、国や地域の文化を尊重し、事業活動を通じて地域や社会に参画することで社会課題の解決に貢献するため下記の取り組みを進めます。

社会貢献における取り組みテーマ

1.地球環境維持と経済発展の両立

製造工程の環境負荷低減や循環型ビジネスに取り組むほか、先進環境性能を備えた製品開発、効率的な輸送への貢献等、脱炭素化に向けたイノベーションの創出を通して、環境性と経済性を両立する製品・サービスを提供します。

2.安心・安全・効率的に人・物を運べる社会の実現

信頼できるパートナーとの協業を活用しながら、自動運転やコネクテッド技術におけるイノベーションを創出します。さらにアフターサービス網の強化や先進安全性能を備えた製品供給にも引き続き取り組み、輸送業界を支える製品・サービスを提供します。

3.地域社会との調和

国や地域の文化を尊重し、事業活動を通して地域や社会に参画し、調和を図ることで、地域の一員として信頼されるとともに、地域社会の発展に貢献するための活動に取り組みます。

マネジメント体制

いすゞでは社会課題に向けた議論や取り組みを行うため「サステナビリティ委員会」を頂点とする社会性推進部会を設置しています。社会性推進部会には、全部門の代表者が参画し、ESG評価動向やサステナビリティ経営課題を検討し、いすゞの社会性評価向上につながる活動を推進しています。

取締役会 経営会議 サステナビリティ委員会 グループサステナビリティ連絡会

従業員参加を促す仕組み

全社メールやポスターを使って従業員参加を促すとともに、活動結果を社内報や社内サイトおよびいすゞのホームページなどで社内外に発信しています。

外部イニシアチブの支持や業界団体との連携

外部イニシアチブの支持や業界団体との連携

各団体と連携・協力しながら従業員参加型の活動を推進しています。

  • 国際協力NGOワールド・ビジョン
  • 公益財団法人オイスカ
  • 特定非営利活動法人TABLE FOR TWO International
  • 認定NPO法人セカンドハーベスト・ジャパン

取り組み

地域社会との調和

いすゞプラザ

いすゞプラザ開設の目的

2017年4月、いすゞ創立80周年記念事業の一環として、藤沢工場の接地にいすゞプラザを開館しました。いすゞプラザは、「運ぶ」を支えるいすゞ、いすゞのくるまづくり、いすゞの歴史の3つのゾーンで構成されており、いすゞを知っていただき、より身近に感じていただけるような施設を目指しています。
また、各種イベントやものづくりワークショップなどを開催し、地域の皆様とのコミュニティーをつなぐ施設としての役割も果たしていきます。

いすゞプラザ
いすゞプラザ
来館者実績
来館者実績 来館者数
展示と活動の方向性

いすゞの使命である、「地球の『運ぶ』を創造する」を実現するためのいすゞの過去、現在、そして未来の取り組みを理解して、いすゞを身近に感じていただき、ファンになってもらえる施設を目指しています。

地域社会との連携

いすゞは2021年度から藤沢市と協働で「火災予防の啓発、消防業務の認知」活動を推進しています。2022年度は藤沢市より寄贈いただいた「救助工作車Ⅲ型(シャシ:いすゞ製)」の常設展示を行いました。本展示では2つのモニターも併設し、藤沢市消防局の目的や局員の想い、いすゞのものづくりを、より多くの市民やステークホルダーにご覧いただいています。
また、日頃災害現場で業務にあたる消防隊員が説明と実践を行う「親子消防イベント」を開催。参加者に、座学やWEBを活用したバーチャル消防署見学、はしご車の乗車体験や高度救助隊による救助のデモンストレーションなどを体験いただきました。参加者からは、消防業務への高い関心と理解、活動に対する期待が寄せられました。この活動は今後も継続的に開催し、地域社会の発展に貢献していきます。

地域社会との連携

社会科見学の取り組み

2017年4月の開館より毎年、小学校5年生を対象とした「社会科見学」を「いすゞ藤沢工場」と「いすゞプラザ」をセットにした見学コースとして提供・実施しています。
見学コースは、商用車の役割や製造工程・環境・安全について、見て・触って・考え、深く理解していただく内容となっています。
またコロナ禍を契機に取り組みを始めたWEBを活用した「いすゞバーチャル社会科見学(IVSST )」を2023年は主にプラザを訪問できない遠隔地の小学校を対象に実施しました。2023年度の社会科見学の実績は、リアル社会科見学は56校5,400名、バーチャル社会科見学は23校2,270名の小学生が参加しました。

  1. ※IVSST:Isuzu Virtual Social Studies Tour
小学校のIVSST授業風景
小学校のIVSST授業風景
プラザのIVSST実施の様子
プラザのIVSST実施の様子
社会科見学の実績
児童数 学校数 IVSST

自動車整備士養成学校における教育支援活動

2008年11月より、いすゞの創立70周年を機に立ち上げた独自の社会貢献活動プロジェクトの一環として、フィリピン・レイテ島タクロバン市のフィリピン労働雇用省技術教育技能開発庁(TESDA※1)において、経済的に恵まれない若者を対象に、自動車整備士養成学校への教育支援活動を行っています。
この活動は、単なる資金援助にとどまらず、自社のノウハウを活かした支援として、日本から指導員を現地に派遣し、「いすゞ塾」という技術教育支援を行っています。それによって同校では、電気、トランスミッション、エンジン、ブレーキなどに関する高い整備技能に加えて、5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)活動の考え方も身に付くことから、卒業生は就職先で高い評価を受けています。
2023年5⽉には23期⽣、11⽉には24期⽣の⼊学式、在校⽣の終業式が⾏われました。11月の式典は、プロジェクト15周年を記念したイベントを兼ねて開催され、その様子は現地メディアで取り上げられたほか、いすゞのYouTube公式チャンネル・各種SNSでも発信をしました。
本校卒業生は386名(2023年11月現在)になり、多くがフィリピン国内販売会社や海外で活躍しています。日本で就職する卒業生も増えており、2019年から2023年3月現在までにのべ20名の卒業生がいすゞおよび国内の販売会社で活躍しています。技能面における評価も高く、I-1GP※2では、過去2回の優勝を果たすなど、同校卒業生は高い技術力と活動の考え方を身に付けています。
プロジェクトは昨年11月に創立15周年を迎えました。

  1. ※1TESDA:Technical Education and Skills Development Authority
  2. ※2I-1GP:いすゞワールドサービス技能コンテスト。世界各国/地域から優秀なサービススタッフ・エンジニアが集い、技術力と知識を競い合うことで各国のサービスレベルを向上させ、いつでもどこでもいすゞのお客様に最高の満足を提供できるようにすることを目的とした、国別/地域別対抗戦で世界No.1を競う技能コンテスト
20期生卒業式典
20期生卒業式典
日本語課外授業
日本語課外授業
車両分解作業の実習
車両分解作業の実習
国内外における競技大会での活躍
  • l-1GP上位入賞(2015年度CV優勝、2016年度CV3位/LC2位、2018年度CV優勝、2020年度e-competition 3位入賞)
  • 2017年度TESDAフィリピン全国競技大会第1位
2020年l-1GP e-competition 3位入賞
2020年l-1GP e-competition 3位入賞
フィリピンにおける同プロジェクトの評価
  • 2008年度TESDA本局、大統領府より表彰
  • 2009年度TESDA全国レベル最高賞 KABALIKAT賞受賞 マラカニアン宮殿にてアロヨ大統領より表彰
  • 2017年度SPMJ(Society of Philippine Motoring Journalists)CSR教育カテゴリー金賞受賞
卒業生の就労状況(2024年4月時点)
卒業生の就労状況
日本国内のいすゞ販売会社で働く卒業生
日本国内のいすゞ販売会社で働く卒業生

「交通安全教室」の開催

いすゞは、トラックを製造・販売する企業の責務として交通安全に真摯に取り組むべく、本年度より交通安全教室を開催いたしました。
この取り組みは、横浜市の戸部警察署、藤沢市の藤沢北警察署と協働で「いすゞ交通安全フェス」をマークイズみなとみらい、いすゞプラザにて計3回実施しました。また、出張授業を横浜市立平沼小学校、キッズポケット木の葉保育園にて実施しました。

危険予測シミュレータの体験
危険予測シミュレータの体験
いすゞオリジナル免許証を警察官より交付
いすゞオリジナル免許証を警察官より交付

「南極子ども講話会」を開催

いすゞは1956年の第一次から67年間、南極観測隊への従業員派遣を続けています。いすゞ製のトラックやエンジンとともに南極観測を支えてきました。社会に貢献するいすゞの南極活動を通じて、子どもたちがさまざまなことに興味を持ち、将来の職業についても考えるきっかけづくりができればという想いから、南極観測隊OBが講師となり「南極子ども講話会」を開催しました。2023年度は栃木工場・いすゞプラザ・辻堂市民図書館・辻堂海浜公園にて4回開催。約170名が参加し、南極という過酷な環境下でいすゞのトラック、雪上車、発電用エンジンの稼働を守り、観測を支え続ける仕事と、南極の自然や動物たちの現状を通して環境保全の大切さも紹介しました。

南極子ども講和会の様子
南極子ども講話会の様子

「いすゞものづくり体験ワークショップ」を開催

ものづくりの楽しさと大切さを体験してもらうため、従業員がプログラムを考案した「いすゞものづくり体験ワークショップ」を2014年度から、栃木工事・いすゞプラザや藤沢市の辻堂海浜公園、湘南台文化センターで開催しています。
今年度はデザインの仕事やその役割を体験する「デザイン教室」を6回開催し248名が参加しました。またいすゞの技術を活かした「ものづくり体験鋳物教室」は1回開催し32名が参加、子どもたちの環境意識の向上を目的にした「燃料電池教室」には20名が参加しました。その他、いすゞの藤沢・栃木工場より採取した自然素材を利用した「環境クリスマスリース教室」に54名が参加しました。今後もいすゞが得意とするものづくりや環境への取り組みをワークショップとして開催していきます。

湘南台文化センターのクレイモデル教室
湘南台文化センターのクレイモデル教室

お子様向け情報コンテンツ「いすゞタウン」

いすゞサイト内に、お子様向け情報コンテンツ「いすゞタウン」を2021年に開設しました。
サイト全体を「いすゞタウン」というまちに見立てて、子どもたちが日々の暮らしの中で出会うさまざまな「はこぶ」にスポットを当てました。動画やイラストを多く取り入れ「あそび」と「まなび」を通じて、私たちの生活に欠かせない物流やそれを支えるものづくりを楽しく学べる、お子様向けのコンテンツです。未来を担う子どもたちに、いすゞとして何を伝えていくか丁寧に考えながらコンテンツを制作しています。

お子様向け情報コンテンツ「いすゞタウン」を開設

藤沢工場近隣の小学校2校で「神奈川フィル・オーケストラ・ファクトリー」を協賛

いすゞが協賛する、神奈川フィルハーモニー管弦楽団による「オーケストラ・ファクトリー」が、2024年1月18日に藤沢市立石川小学校にて、また1月19日には藤沢市立中里小学校にて開催されました。この活動は今年で10年目となり、児童たちに音楽を通じた体験を提供することで、創造性と豊かな感性を育むことを目指しています。
指揮者の堀氏より「オーケストラは車と同じ、どの部品(=楽器)が欠けても完成(=演奏)できない」と低学年にもわかりやすい説明をしていただきました。今後も、児童たちがものづくりの一端に触れる機会を提供していきます。

  1. オーケストラ・ファクトリー:児童たちがオーケストラの生演奏を聴き、 共演することを通じて、「大勢の人が心を一つにして力を合わせることで素晴らしい“もの”(=音楽)が創り出せること」を体験します。「工場でのものづくり」をイメージしてもらうことを狙いとしています
熱心に演奏を聴く児童
熱心に演奏を聴く児童

熱心に演奏を聴く児童

児童養護施設などにケーキを寄贈

いすゞは、クリスマスの時季に、地域の児童施設などにケーキの寄贈を行っています。2023年度は横浜地区、藤沢地区、栃木地区それぞれの幼稚園や保育園、児童養護施設などにクリスマスケーキなどを寄贈しました。この活動は、横浜地区では2022年より、藤沢地区と栃木地区では2007年より行っています。

横浜市への寄贈式
横浜市への寄贈式

木育玩具を寄贈

いすゞはSDGs推進に向けた取り組みである「木育(もくいく)」活動の一環として、横浜市へ木製玩具「はたらくくるまバランスタワー」を寄贈しました。
木製玩具は、横浜市内の放課後キッズクラブと放課後児童クラブに配布され「植える・育てる」から「伐る・使う」までの「森の循環」を学ぶ機会の提供に役立ててもらいます。
この寄贈を契機に、いすゞの「ものづくり」を生かした、子どもたちへのワークショップを開催などの取り組みを進めていきます。

寄贈した「はたらくくるまバランスタワー」
寄贈した「はたらくくるまバランスタワー」
寄贈式の様子
寄贈式の様子

富士山の森づくりに参加

いすゞは、世界文化遺産に指定されている富士山(2013年ユネスコ登録)北麓域の豊かな森林や生態系の回復を目指し、「富士山の森づくり」に参加しています。具体的には、2008年度より植林活動に参加し、公益財団法人オイスカや山梨県森林整備生産事業協同組合などに協力しています。
2023年度は、苗木の植林の他、植林した苗木や周辺環境のモニタリング調査を実施の上、苗木に保護ネットをかける活動や、ネットの補修・メンテナンス作業、下刈りや除伐などを実施しました。
自動車が走り続けられる持続可能な社会を目指した環境への取り組みの中で、従業員参画型の生物多様性保全活動の一環として実施しています。

富士山の森づくりに参加

古本で!「子供の森」計画サポートプロジェクトに参加

「子供の森」計画は、公益財団法人オイスカが進めているプロジェクトで、子どもたち自身の手で学校や地域に木を植え、育てるという活動への支援を通して、「緑を大切にする気持ち」や「自然を愛する心」を育むことを目的にしています。いすゞは、このプロジェクトのサポートを2015年から開始し、2022年度よりいすゞグループとして参加を開始しました。従業員が寄付した古本などを販売し、その買取額を「子供の森」計画への寄付金としています。

買取可能の冊数
(冊)
2021年度 2022年度 2023年度
本社 57 179 241
藤沢 244 29 44
栃木 14 0 0
合計 315 208 285
  1. 2021年度の栃木実績を修正しました

TABLE FOR TWO(TFT)プログラム

従業員が健康的な食生活を送りながら社会貢献にも参加できるように、社内の食堂と喫茶室で「TABLE FOR TWOプログラム」(以下、TFT)を導入しています。これは、従業員が「ヘルシーメニュー」、「健康飲料」、「募金箱」を利用すると、自動的に10円が寄付され、そこにいすゞが同額を上乗せし、1人1回の利用当たり「合計20円」が寄付されるプログラムです。寄付金は、特定非営利活動法人TABLE FOR TWO Internationalを通じて、開発途上国で飢餓や貧困に苦しむ子どもたちの学校給食費として活用されています。

給食提供数(換算値)
(食)
2021年度 2022年度 2023年度
本社 7,529 32,234 37,534
藤沢 3,722 3,736 9,174
栃木 4,042 2,344 1,205
合計 15,293 38,314 47,913
  1. TFTの支援国は、ウガンダ、エチオピア、タンザニア、ルワンダ、フィリピンの5カ国で、いずれもいすゞが事業を展開している国

フードドライブ

いすゞは、賞味期限が近づいた食品や食材を従業員が家庭から持ち寄り、認定NPO法人セカンドハーベスト・ジャパンを通じて地域の福祉団体や施設に寄付を行う、「フードドライブ」に取り組み、食品ロスを削減するとともに、社会福祉の向上にもつなげています。

回収実績
2021年度 2022年度 2023年度
参加人数(人) 193 277 256
重量(kg) 218.1 232.0 184.1

社会貢献支出額

2023年度社会貢献支出額:8.8億円

社会貢献活動費 現物寄付 寄付金
金額(百万円) 739 7 130

能登半島地震への人道支援

2024年1月1日に発生した能登半島地震により、火災、津波、家屋倒壊など甚大な被害が発生したことを受けて、被災された方々に人道的な見地から日本赤十字社を通じていすゞグループとして義援金を寄付しました。

グループ企業の社会貢献活動

いすゞモーターズアジアでの取り組み

アセアン域内のビジネス統括を行っているいすゞモーターズアジア(以下、IMA)では、毎年CSR活動イベントを行っています。2023年10月のイベントでは、社員旅行を兼ねてマングローブの植林を実施しました。
20名の社員が参加し、地域社会との文化交流を通じてCSRの重要性や持続可能な事業活動の認識を高めることができました。
IMAでは、今後も地域社会の一員としてCSR活動を継続し、従業員への社会課題認識向上を図っていきたいと考えています。

マングローブの植林風景
マングローブの植林風景