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コンプライアンス

基本的な考え方

いすゞは、「コンプライアンス」、すなわち、法令遵守はもとより、社会の信頼に応える高い倫理観を持って全役員・従業員一人ひとりが行動することが必要不可欠であると認識しています。特に、法令遵守の徹底については経営の最重要課題と位置付け、2005年より、「コンプライアンスに関する基本的な取り組み方針」を策定して運用を開始し、全役員・従業員への周知と定着化に取り組んでいます。コンプライアンスに関する基本的な取り組み方針は7つの分野で構成され、方針に反する事態が発生したときには、経営トップ自らが問題解決、原因究明に当たり、取締役会の監督のもと、再発防止ならびに社会への迅速かつ的確な情報の公開と説明責任を遂行することと定めています。また、コンプライアンスに関する基本的な取り組み方針については、その有効性を定期的に評価し、必要に応じて更新します。

コンプライアンスに関する基本的な取り組み方針

1 お客様からの信頼

社会的に有用な商品・サービスを提供することで、豊かな暮らし創りに貢献し、お客様の信頼を獲得します。

2 公正かつ健全な行動

公正かつ自由な競争に基づいた取引を行います。また、行政・政治と健全かつ正常な関係を保つとともに、市民社会の一員として、反社会的勢力および団体とは断固として対決します。

3 企業情報の開示

株主様はもとより、広く社会的にコミュニケーションを行い、企業情報を適時・適切かつ公正に開示します。

4 従業員の尊重

従業員が能力を最大限発揮できるように、人格・個性を尊重し、安全で働きやすい環境を実現します。

5 環境保全への貢献

事業活動を通して、環境保全に取り組むことはもちろん、地球に暮らす市民として、社会や地域の環境保全活動にも積極的に取り組みます。

6 社会への貢献

良き企業市民として積極的に社会貢献活動を行います。

7 国際・地域社会との調和

国や地域の文化、習慣を尊重し、事業活動を通してその発展に貢献します。

マネジメント体制

コンプライアンスの推進に必要な公明性・透明性を確保するための社長の諮問機関として、また、コンプライアンス活動の方針や体制、各相談窓口の運営状況の確認などについて、客観的な視点から助言・指導をいただき、いすゞのコンプライアンス強化を図ることを目的に「コンプライアンス委員会」を設置しています。
当委員会は、社外の有識者(大学教授や弁護士など)を委員として招聘し、役員3名を加えた7名で構成され、3カ月ごとに開催されています。
当委員会では、各相談窓口にて受け付けた通報・相談の内容についても報告され、具体的な施策やその経過状況の監督などを行っています。

取締役会 経営会議 取締役社長 有識者 助言 招聘 リスクマネジメント部コンプライアンス推進グループ

従業員相談窓口の設置

いすゞは、差別やハラスメント、接待・贈答やインサイダー取引などの包括的な腐敗行為に対してコンプライアンスに関する社内通報・相談の窓口として、3つの相談窓口(職場窓口(担当:所属長)、部門内窓口(担当:部門責任者)、全社窓口(担当:リスクマネジメント部コンプライアンス推進グループ))を設置しています。これらの窓口では、公平かつ中立的な立場で情報を受け付けるとともに、明確に法令違反や社内規程に反する事案だけでなく、疑わしいと思われる内容の相談、社内規程や業務に関係する法令に関する問い合わせ先としての機能を果たしています。なお、コンプライアンスに関する内容にとどまらず、人権に関する相談・通報を受け付ける窓口も兼ねています。
また、外部の弁護士事務所に目安箱(社外相談窓口)も設置しています。
社内・社外の各相談窓口では、相談・問い合わせをメール・電話・手紙にて受け付けており、公益通報者保護法にのっとり、受け付けた情報提供者の個人名やその内容などは秘匿情報として扱い、社内において不利益な取り扱いを受けることがないよう、保護されています。
これらの相談窓口の周知のため、各相談窓口や目安箱の連絡先を記載した「コンプライアンス・ガイドブック」と「コンプライアンス相談窓口カード」を全従業員に配布しています。また、いすゞ品質・コンプライアンス推進会議やポスターなどにより、窓口連絡先の定期的な周知活動を行っています。各窓口で受け付けた通報・相談事項は、リスクマネジメント部コンプライアンス推進グループを事務局として、事実確認・改善に取り組んでいます。
そして、各窓口で受け付けた通報・相談事項の中にコンプライアンス違反の懸念が生じた場合は、取締役会の監督のもと、リスクマネジメント部が法務部や総務人事部等関係部署とともに厳正に調査・対処しています。いすゞは、コンプライアンスの取り組みを最高水準に保つために、今後もコンプライアンス各施策の有効性を定期的に評価・検証し、必要に応じて改善していきます。
2023年度に社外相談窓口で通報・相談を受け付けたものは42件(いすゞに関するもの8件、グループ企業に関するもの34件)でした。また違反総件数は11件(いすゞに関するもの1件、グループ企業に関するもの10件)でした。社内・社外相談窓口で受け付けたものについては、適切に対応し、重大なコンプライアンス違反がないことを確認しています。なお、コンプライアンスへの取り組み状況、相談件数、重大な違反事案などについては取締役会に報告しています。

お取引先様相談窓口の設置

お取引先様に対する中立的な相談窓口として、「お取引先様相談窓口」をリスクマネジメント部コンプライアンス推進グループ内に設け、コンプライアンスおよび人権に関するお取引先様からの相談を受け付けています。また、情報提供者の個人名や相談内容などは公益通報者保護法にのっとり、秘匿情報として扱います。

いすゞグループコンプライアンス推進体制

いすゞでは、毎月、各部門のコンプライアンス推進委員を構成メンバーとして、いすゞ品質・コンプライアンス推進会議を開催しています。当会議では、各部門間の情報交換や活動状況の報告などを通じて、コンプライアンス・リスクの予防に取り組んでいます。また、グループ全体でもコンプライアンス・リスクを予防する体制を整備しています。国内では、グループ企業各社が出席する各種コンプライアンス推進会議を定期開催し、情報共有と活動の推進に取り組んでいます。海外拠点では、各グループ企業の窓口と定期的に情報共有などを行い、コンプライアンス・リスクの予防に努めています。特に、海外の主要拠点であるタイでは、タイ国内グループ企業合同でのコンプライアンス推進会議を定期開催し、情報共有および活動を推進しています。
なお、万が一重大な事案が発生した場合には、グループ企業管理規程に基づき、当該企業より速やかに報告を受けるとともに、当該企業と連携してその解決に当たります。

取り組み

グループ統一課題への取り組み(国内)

国内ではグループ統一課題を設定し、グループ全体で活動を推進しています。例えば、自動車業界に携わる者として、従業員一人ひとりに自覚を促すとともに、家族・友人・知人を含め、飲酒運転を「しない」、「させない」をキーワードに、飲酒運転撲滅に取り組んでいます。 具体的な取り組み内容としては、飲酒運転の危険性・社会的責任の重さを改めて意識するために、飲酒運転撲滅を誓う寄せ書きの実施や、講習会などを定期的に開催しています。
また、ハラスメント防止への取り組みとしては、職場内における良好な人間関係の構築がハラスメント防止に重要であるとの考えのもと、上司と部下の間で日常から双方向のコミュニケーションを取ることの意義を深く理解してもらうため、管理職や一般社員を対象とする研修を定期的に行っています。

コンプライアンス・アンケートの実施(国内)

コンプライアンス意識の浸透確認と、コンプライアンス・リスクの洗い出しを目的として、「コンプライアンス・アンケート」を定期的に実施しています。このアンケート結果は、グループ企業各社のマネジメント層とコンプライアンス責任者にフィードバックされ、各社の活動に活用されています。なお、2023年度のアンケートは、グループ企業従業員約11,000名を対象に、「コンプライアンスに関する教育・指導の状況」、「時間外労働の状況」、「ハラスメントの実態把握」、「飲酒運転に対する意識」に関する設問を設け、実施しました。

海外グループ企業の取り組み

主要な海外拠点であるタイでは、コンプライアンス活動計画に基づいて活動を推進しています。具体的には、階層別研修やeラーニングの実施、ポスター掲示による飲酒運転撲滅の啓発などを行い、コンプライアンス意識の醸成に取り組んでいます。なお、いすゞは、タイ国内グループ企業合同によるコンプライアンス推進会議を定期的に開催し、進捗状況の確認や助言を行うなど、コンプライアンス活動の推進を支援しています。

eラーニング
eラーニング

コンプライアンス教育

いすゞは、社内とグループ企業各社の従業員を対象に対面やオンラインにてコンプライアンス教育を実施し、コンプライアンス意識のさらなる向上に努めています。
一例として、「新任管理職向けコンプライアンス教育」では、いじめやハラスメント防止も取り入れており、その定義や事例、事案が発生した際の対応について教育を行っています。
また、全社相談窓口の担当者は、コンプライアンス推進機構が主催する研修(通報者が不利益な処遇を受けないための秘密保護や、実際の通報を模したケーススタディなど)を受け、コンプライアンスアドバイザーの資格を取得しています。2023年度も引き続き新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえ、各種教育や講演会をオンラインで開催するなど、適切な感染対策を講じた上で実施しました。

教育テーマ(例)
  • 新入社員向けコンプライアンス基礎教育
  • 新任管理職向けコンプライアンス教育
  • 新任グループ企業役員出向者教育
  • 下請法教育
  • 飲酒運転撲滅講習会
  • 中途採用向けコンプライアンス教育
  • 新任取締役研修
  • 管理職向けハラスメント防止教育
  • 特定輸出者申告制度教育
飲酒運転撲滅講習会(動画配信)
飲酒運転撲滅講習会(動画配信)

コンプライアンス・ガイドブックの発行

いすゞの全役員と従業員に求められる行動の基本的なスタンスや考え方を示す行動規範集として、2006年1月より「コンプライアンス・ガイドブック」を発行し、全社員に配布しています。また、部門・部署内の日常業務において、コンプライアンス事案につながりかねない事項を事例集としてまとめた部門版のコンプライアンス・ガイドブックを作製し、各部署の所属員に配布しています。これらのガイドブックは、毎年その内容を見直し、法改正事項の反映にとどまらず、従業員の理解が深まるように改訂を行っています。

腐敗防止への取り組み

接待・贈答やインサイダー取引禁止、公務員、みなし公務員および外国公務員に対する接待・贈答の禁止、マネーロンダリングなどの贈収賄防止について、取締役会の監督のもと、「コンプライアンス・ガイドブック」で行動基準を定め、全役員と従業員に対して周知徹底を図っています。
例えば、接待・贈答の禁止については、「接待・贈答に関するガイドライン」を作成し、従業員へ周知徹底しています。また、インサイダー取引の禁止についても、定期的なインサイダー取引防止規定の周知や社内研修の実施を全社的に行っています。さらに、政治寄付等の政治関係金銭の支払いを行う場合には、違法な政治献金を行わないよう関係法令を遵守し厳正な管理を行っています。
なお、2023年度は本件に関して、当該規制当局より罰金などの措置は受けておりません。

反競争的行為防止への取り組み

いすゞは、「コンプライアンス・ガイドブック」において独占禁止法と下請法の遵守を定め、全役員と従業員に対してその徹底を求めています。さらに、社内関係部門に対して下請法教育などを適宜実施し、法令遵守の徹底を図っています。

税務方針

いすゞグループは、納税を企業市民の重要な役割の一つと捉えています。適正な納税を通じて社会に貢献するため、本税務方針を定め、グループ会社に適用します。

  • 法令遵守
    事業活動を行う全ての国・地域の税法および関連する指針やガイドライン等の立法趣旨を正しく理解した上で遵守し、その趣旨に沿った適切な納税を行います。
  • 租税回避行為の禁止
    創出された価値の低税率国への移転や、事業活動の実体のないスキームの使用、タックスヘイブンの使用など、税法等の趣旨や目的を逸脱した租税回避行為は行いません。
  • 適切な取引価格・利益配分
    国外関連者との取引では、独立企業間価格を考慮した価格設定を行い、地域の事業活動の実態に応じた適切な納税を行います。
  • 税務当局との良好な関係
    国内外の税務当局と、税法等の正しい理解を基礎とした良好な関係を築きます。
  • 税の透明性の確保
    全てのステークホルダーに対して、適時・適切な税務情報の開示に努めます。
  • ガバナンス
    グループCFOは、本税務方針に沿ってグループの税務業務が遂行されるよう、ガバナンス体制を整備します。