株式会社シミズローディック

静かで安全な工事現場を実現する足がかりとして
土木工事事業者でのEVトラック導入

  • #エルフEV

東京都建設局や足立区発注の公共工事を中心に、道路や公共インフラの土木工事・舗装・造園・管工事などの施工から管理までを一貫して手がけるシミズローディック。経営方針の一つとして「新しいことへの挑戦」を掲げ、環境貢献にも積極的に取り組む同社では、工事車両として1台のエルフEVを導入しました。「工事現場のイメージを変えたい」という代表取締役 清水優さんに、エルフEV導入のきっかけや効果、今後の期待についてお話を伺いました。
※掲載内容は2025年12月の取材に基づきます。

騒音の抑制と安全性の向上を目指して

――エルフEV導入のきっかけを教えてください。

清水さん まず、「工事車両がEVになったら面白そうだ」というワクワク感が一番の動機でした。皆さんは工事現場と聞いて、どのようなイメージを抱くでしょうか。エンジン音、振動音、排気音が鳴り響き、「うるさい」と感じる方も多いはずです。
実際、騒音に対する苦情は、夜間工事で多く発生します。公共工事の多くは昼間ですが、警察の許可や渋滞回避の都合で夜間作業になる場合もあり、いくら周知を徹底して最大限配慮しても、苦情は避けられないのです。

そんなとき、EVトラックのニュースを見て、ふと冒頭の考えがよぎりました。工事車両がEVになれば、無音とまではいかなくても今より格段に静かになるはず。現在は作業の音で作業指示も大声になりがちですが、静かになれば声も通りやすく、安全性向上にもつながるでしょう。そんな現場になったら面白いし、建設現場のイメージを変えられるかもしれない——そうした思いがありました。

もう一つは、差別化につながる点です。公共工事は入札で決まりますが、今は金額だけでなく品質・安全・工程管理などの実績も評価されます。その中で近年、評価項目として重視されるようになっているのが環境への取り組みです。東京都の公共工事はその傾向が強く、EVトラック導入は競争優位性につながると考えました。

シミズローディック 代表取締役 清水優さん
――エルフEV導入に至った経緯と採用した決め手を教えてください。

清水さん 当社のトラックは近年ほとんどいすゞ車だったため、いすゞ車を検討しましたが、EVは通常のトラックと仕様が異なるため他社製も比較しました。その中で決め手となったのは、「取り回しのよさ」。当社の工事車両は住宅地の狭い道路を走ることが多いため、サイズ感や小回り性能は重要です。
エルフEVは、ディーゼル車と同じセンターアクスルのレイアウトを採用し、エンジンをモーターに置き換えた形で従来構造を踏襲しています。この構造が他社製より小回り性能に優れており、当社の業務に最も適していると判断しました。

さらに「EVision コンシェルジュ」のサポートも心強かったです。営業の方には走行距離、運用サイクル、充電方法などを細かくヒアリングいただき、導入後のランニングコストも明確に示してもらえたので安心材料になりました。

シミズローディックで導入されているエルフEV
――導入に際して課題や懸念なかったのでしょうか。

清水さん 特になかったですね。EV導入の障壁は「走行距離」と「価格」の二つだと思いますが、当社では地域貢献や作業負荷低減の観点から、足立区やその近隣区域の工事が中心であり、走行距離は長くても40〜50km程度、それ以上の長距離移動はほぼなく航続距離に心配はありませんでした。

価格についても、補助金のおかげでディーゼル車の定価とほぼ同等で済みました。シミュレーションを見た際は「この金額で済むの?」と驚いたほどです。さらに、燃料費を含めたランニングコストの試算では、むしろこれまでより抑えられる結果になり、「これならEVでいいのでは」と感じました。

これまでにない乗り心地に驚きの声

――現在の運用状況を教えてください。

清水さん 当社の工事車両8台のうち1台がエルフEVで、建設資材や機材の運搬に使っています。ローラーやブロックなどは多少重量が出ますが、大量ではないため平均積載量は1トン前後で、エルフEVの積載能力で十分です。

日々の運用は7:30に朝礼、8:30出発、9:00現場作業開始という流れ。現場に着けば夕方までほぼ移動がないため、帰社後に充電しておけば電力不足になったことはありません。
また、夏場の冷房は熱中症対策として欠かせません。従来はアイドリング音やCO2排出を気にする必要がありましたが、EVならその心配がないのでありがたいです。

パワーゲートで機材を昇降する様子

充電器は、駐車場に3kW仕様のものを設置し、乗用EVの充電と併用しています。長距離移動が多い場合には、より出力の大きい充電器が必要になるかもしれませんが、当社の走行距離であれば3kWの出力でも翌朝には満充電になり、運用にはまったく問題はありません。むしろ、これまで必要だった給油作業がなくなり、「運用が楽になった」という実感があります。

駐車場に設置された充電器
――従業員の皆さんの反応はいかがですか。

清水さん 皆、驚いています。乗用車はガソリン車でも静かで乗り心地も悪くないため、EVにしてもそこまで驚きはありません。しかし、トラックは騒音や変速ショックがあるのが当たり前。それがEVでは静かで“スルスル”と加速するため、「え、これ本当にトラック?」「静かすぎて不思議だ」という声が上がっています。これまでEVに興味のなかった人も、「これならEVもいいな」と評価が変わってきています。

住宅街の中を走るエルフEV
――騒音抑制やCO2排出削減で手応えはありますか。

清水さん 騒音については、まだ1台のみの導入のため大きな変化はありませんが、“未来の工事現場”に向けた確かな一歩だと感じています。今後台数が増えれば、夜間工事の騒音や作業者の負担は確実に軽減されるはずです。

CO2排出削減については、入札時の実績報告で走行距離からディーゼル車比の削減量を算出しています。現状では1台分の効果にとどまりますが、今後は取り組みを積み上げることで着実に成果が表れると見込んでいます。

当社は以前から環境推進に取り組んでおり、使用電力はすべて再生可能エネルギー由来です。重機や建機の電動化も進んでいることから、すべてを電動化できたら将来的にはCO2排出をほぼゼロに近づけられると考えています。

シミズローディック外観。使用電力はすべて再生可能エネルギー由来の電力だ

外部給電の簡便さがEV導入拡大のカギ

――EVトラックを運用する上での課題はありますか。

清水さん 最大の課題は「外部給電の仕組み」だと感じています。現在、現場の工具はほぼ電動で、さらに重機・建機も同様に電動化が進んでおり、現場の電源ニーズがますます高まっています。

EVのバッテリーを電源として活用できれば大きなメリットになりますが、現状では専用キットの接続や操作など手間が多く、現場では敬遠されがちです。
そのため、結局は扱いやすい発電機が選ばれてしまっています。もし、ワンタッチで外部給電できる仕組みが整えば、EVトラックはさらに使いやすくなるはずです。

――今後のEV導入計画はありますか。

清水さん 当社の主力は小型ダンプカーで、本来であればここもEV化したいのですが、現状では難しいと感じています。当社では先述したように、東京都内の狭い道を小回りよく移動する必要があります。
そのため、さまざまな車種の中でも、いすゞさんが展開している4トンクラスのダンプが最適ですが、EV化すると車重が増え、従来と同じ積載量を確保するのが難しくなってしまうでしょう。

EVのメリットと従来の積載量を天秤にかけたとき、どうしても選んでしまうのは後者です。ただし、今後電池性能が大幅に向上すれば、EVダンプの導入も現実味を帯びてくると期待しています。

“うまくいったことも、そうでないこともノウハウにしていきたい”と語る清水さん
――いすゞ自動車に期待することはありますか。

清水さん エルフEVを選んだ理由の一つには、いすゞさんへの信頼がありました。これまでいすゞ車を使うなかで、「やっぱりいすゞ車はいい」と感じる場面が多かったからです。

今後EV化はますます進むと思いますが、ユーザーが「これを求めていた!」と感じられる商品を期待しています。私たちは静かで安全な“未来の工事現場”を目指していますので、そこで使いたいと思えるような、「すごい」と驚けるトラックをこれからも届けてほしいですね。

株式会社シミズローディック
所在地
東京都足立区古千谷本町4-6-11
設立
1992年6月
事業内容
建設業(土木工事業・ほ装工事業・とび・土工事業)
従業員数
16名(1級土木施工管理技士、1級造園施工管理技士、2級造園施工管理技士、2級建設業経理士、コンクリート技師等)
URL
https://roadic.co.jp/index.html