いすゞ自動車(株)は、大型トラック「ギガ」シリーズの後一軸駆動車(6×2)に、日本で初めて4バッグエアサスペンションを採用した車型(CYL)を設定し『ギガマックス(GIGAMAX)』として、10月13日より全国一斉に発売する。
エアサス車は従来から積み荷保護や乗り心地の良さに定評があるが、価格が高いことや積載量が減ることなどが導入を阻害する要因となっていた。
今回発売する『ギガマックス』は、「安くて軽いエアサス車」を開発の主眼とし、輸送品質の大幅な向上に貢献する車両として設定した。
輸送品質の大幅な向上に貢献する車両として設定した。
主な特徴は次の通り。
- 12本のリヤアクスルをそれぞれ4つのエアスプリングで支持する「4バッグエアサスペンション」を日本で初めて大型トラックに採用した。
これにより、荷台振動の軽減による積み荷の保護、軽量化による最大積載量・荷室容積のアップ、乗り心地の向上によるドライバーの疲労低減、車高調整装置を装備することによる荷役作業性の向上などを実現した。 - 2『ギガマックス』専用のキャブデザインを採用し、スマートで力強いイメージのフロントグリルにした。
また併せて「ギガマックス」を含めた「ギガシリーズ」カーゴ系の全車にABSを標準装備して発売する。
これは従来より進めているギガシリーズの予防安全対策向上の一環として行うものである。
さらに、好評を戴いている新低床3軸車にGVW22トン車を追加設定し、さらなる最大積載量の増大を図った。
《目標販売台数》エアサス車全体で1、000台/年
《東京地区希望小売価格》(消費税含まず)
車型 | 用途 | GVW | エンジン(馬力) | 希望小売価格 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
CYL50V2W | カーゴ | 25 | 6WA1-TCC (360馬力) |
13、369千円 | ABS、リターダ、エアコン |
CYL81V2W | カーゴ | 10PE1 | 25 (360馬力) |
12、959千円 | ABS、リターダ、エアコン |
車型 | 用途 | GVW | エンジン(馬力) | 希望小売価格 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
CYZ50V2J | カーゴ | 22 | 6WA1-TCC (360馬力) |
12、054千円 | ABS、リターダ、エアコン |
CYZ81V2J | カーゴ | 10PE1 | 22 (360馬力) |
11、739千円 | ABS、リターダ、エアコン |
◆ギガマックス 商品概要◆
- 1外観
ギガマックス専用キャブを採用した。
ハイウェイキャブをベースに、フロントグリルを変更し、スマートかつ力強いイメージを強調するとともに、フロントグリル部には「GIGAMAX」のエンブレムを設置した。また、燃費低減に貢献するコーナーベーンや、エアダム一体式フロントバンパーなども装備した。 - 2室内装備
シートは、エアサスの効果で乗り心地が大幅に向上していることから、リジッドシートとした。(自動体重調整機構付エアサスシートはオプション)
- 34バッグエアサスペンション
2本のリヤアクスルをそれぞれ4つのエアスプリングで支持する4バッグエアサスペンションを採用した。エアサスならではの積荷保護や荷役性、乗り心地の良さに加え、大幅な軽量化と低価格化を実現した。4バッグエアサス車の主なメリットは次の通り。
- 1荷台振動を大幅に軽減
空車から積車まで、つねに最適なサスペンション効果を得られるようにコントロールすることで、荷台への振動を効果的に吸収し、荷傷み・荷崩れを大幅に低減した。
- 2最大積載量のアップ
4バッグエアサスペンションは構造的に軽いものであることに加えて、アルミ部品を多用することで、大幅な軽量化を実現した。25トン車の場合、シャシ重量は従来のトラサス車に比べて、100kg以上も軽量化した。(ABS標準装着分を含む)
- 3荷室容積のアップ
リーフサス車は積載時の沈み込みを考慮し空車時の車高が高くなるが、エアサスは空車・積車で差がないため容積を多くとることが可能で、バン型車の場合1ピッチ(35~40mm)程度の容積増大が可能となった。
- 4荷役性の向上
エアサスならではの車高調整装置が、プラットホームとの段差をなくし、荷役性の向上を図った。
- 5乗り心地の向上
積車時の振動や空車時の突き上げを低減し、常に平坦路を走行しているような乗り心地を実現した。また、ハイトセンサーがつねに最適なサスペンションストロークを確保することで底突きも解消した。