2024年03月05日
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エアドライヤー搭載車 エアドライヤー定期点検整備および日常(運行前)点検におけるエアタンク凝水点検(水抜き) に関するお願い

エアドライヤー搭載車において、エアドライヤーのメンテンスを怠った場合に、水分がエア配管内に滞留することで、内部構成部品の金属腐食、ゴム膨潤、グリスの乳化等によりエア関連部品の機能不良となった事例が報告されています。エアドライヤーの乾燥剤などの定期交換推奨時期等を遵守いただくとともに、日常(運行前)点検であるエアタンクの凝水点検(水抜き)をお願いいたします。

  1. 1対象車両
    エアドライヤー搭載車
  2. 2エアドライヤーのメンテナンスについて
    作業内容:乾燥剤、フィルター、ゴム部品の交換
    交換時期:1年または100,000km
  3. 3エアドライヤーのメンテナンスの重要性
    圧縮空気は、ブレーキ系統を始め、エアサスペンション、クラッチアシスト、シフトアシストなど、様々な目的で利用されています。この圧縮空気は、エアコンプレッサーで圧縮された時に高温となり、その後エア配管内やエアタンクなどで温度が下がる時に水分を発生させます。そこでこの圧縮空気を除湿するために装着されているのがエアドライヤーです。
    エアドライヤーに入っている乾燥剤は、繰り返し使うため次第に劣化していきます。劣化が進んだ乾燥剤は、十分に除湿することが出来ないために、水分がエア関連部品に浸入し、腐蝕や凍結、内部ゴム部品の劣化などを誘発し、機能不全に至るおそれがあります。
  4. エアドライヤー乾燥剤は、交換が必要。
  5. 4日常(運行前)点検におけるエアタンク凝水点検(水抜き)について
    床下のメインタンクやブレーキエアタンク内に水分、油分が溜まっていることがありますので、各点検扉下などに接続した各エアタンクのドレーンコックを引いて排出させてください。
    ※点検方法の詳細については、各車型の取扱説明書をご確認ください。
  6. 点検方法

    <メンテナンス不良による故障事例>

  • ・ブレーキバルブ
    エア配管に含まれる可塑剤が水分によりブレーキバルブ内部へ運ばれ、バルブシートのゴム部を劣化させることにより、ブレーキペダルの踏み込みに対し、通常とは異なるフィーリングとなったことで、思った所に止まれない事象が発生しました。
  • ブレーキバルブ
  • ・デュアルリレーバルブ
    水分によりデュアルリレーバルブ内部の樹脂ピストンが破損(加水分解)し、ブレーキバルブからのエア漏れやブレーキ引き摺りが発生しました。
  • デュアルリレーバルブ
  • ・ニーリングバルブ
    水分の影響によるニーリングバルブ内部ソレノイドバルブの腐食やグリスの乳化する事象が発生しました。
  • タペット
    ソレノイドバルブ部
  • ・ACTチェンジレバーユニット
    水分の影響により、ユニット内部のエアシリンダーのグリスが流出したことによるピストンの摺動不良によって、パッキンが摩耗してエア漏れが発生しました。
  • ACTチェンジレバーユニット

    以上

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