
いすゞ自動車(株)は、小型トラック「エルフ」の低公害車シリーズに、新たにディーゼルハイブリッド車を設定し、本日より一部の大手物流企業向けに先行発売します。
一般ユーザー向けの販売は、今年6月中旬を予定しています。
いすゞでは、地球環境保護の観点から、低公害車の開発に早くから積極的に取り組んでいます。大気汚染などによる環境問題が深刻な大都市において、優れた性能を発揮するCNG車では、ポスト新長期規制案レベルを達成したエルフCNG-MPI車を4月4日に発売しました。
今回新たに設定する『エルフディーゼルハイブリッド車』は、車両の減速エネルギーを有効利用することで、低CO2・省燃費を実現する低公害車です。軽油を燃料とするため特別なインフラが不要で、使用地域を問わないという特長があります。
さらに、『エルフディーゼルハイブリッド車』は、小型トラックに最適ないすゞ独自のハイブリッドシステムを採用する事で、ハイブリッド車の中でも優れた燃費性能を確保すると共に、耐久信頼性・安全性といった商用車に求められる基本性能との両立を図っています。
いすゞでは、突出した低排出ガス性能を有するCNG-MPIと、燃料インフラに制約がなく実用的なディーゼルハイブリッドを低公害車ラインアップの両輪に据え、今後も積極的に普及拡大に取り組んでいきます。
主な特長は次の通りです。
- 14HL1ディーゼルエンジンをベースにハイブリッドシステムを構築しました。モーターによるエンジンの動力アシストに加え、高効率のエネルギー回生と省燃費域での自動変速を可能としたスムーサーEオートシフト、及びアイドリングストップ&スタートシステムの採用により、トップクラス (※) の燃費を実現しました。ハイブリッド車の燃費評価として一般的に使われるM15モードにおいて燃費35% (*) 向上、通常の市街地走行でも約10~20% (*) 向上させています。これにより地球温暖化の要因とされるCO2もM15モードで25%低減しています。
- 2平成15年排出ガス規制(新短期)に対しPMを85%、NOxを25%以上それぞれ低減し、『超低PM排出ディーゼル車(85%低減)』及び、『低排出ガス車認定「良-低公害車」』の認定を取得するとともに、『八都県市低公害車指定制度「良低公害車」』指定を受けています。
- 3ニッケル水素バッテリーに比べ約3倍の寿命を持つリチウムイオンバッテリーを国内のトラックで初めて採用しました。
- 4PTO型パラレル駆動ハイブリッドシステムを採用しました。万一ハイブリッドシステムに異常が発生した場合でも、エンジンとは別軸にモーター&ジェネレータを配置しているため、エンジンからの動力伝達を妨げずにディーゼルエンジンのみで走行が可能です。
- 5スムーサーEオートシフトを標準装備しました。クラッチ調整・交換が一切不要でメンテナンスコストを大幅に低減すると共に、クラッチトラブルによる路上故障も防ぎます。
<目標販売台数> エルフディーゼルハイブリッド車 600台/年
<エルフディーゼルハイブリッド 東京地区希望小売価格>
車型 | エンジン | 最大 積載量 |
主な仕様 | 東京地区希望小売価格 | |
---|---|---|---|---|---|
消費税抜 | 消費税込 | ||||
VD-NKR81AN-E6EXY-H (※) |
4HL1 | 2トン | ハイキャブ、キャブシャシ、 スムーサーEオートシフト(5速)、 アイドリングストップ&スタート |
4,565,000円 | 4,793,250円 |
- ※2~3トンクラスキャブオーバー型ディーゼルハイブリッド車
- *燃費はいずれも現行ディーゼル(4HL1)との比較です。
- *アイドリングストップによる燃費向上分(市街地走行で5~10%程度)を含む為、アイドルストップを行なわない場合、燃費向上率が少なくなります。
- *高速道路や郊外の走行など、加減速やアイドルストップの少ない走行状況では燃費が向上しない場合があります。
以上
ハイブリッドシステム概要
- 1システムの構造
4HL1ディーゼルエンジンをベースに、モーター&ジェネレータ、バッテリー、インバーター、スムーサーEオートシフトからなる独自のシステムでハイブリッド化を実施しました。
- 2システムの作動
エンジンに大きな負荷がかかる発進・加速時には、バッテリーに貯えられた電気を利用して、モーターとエンジンの両方を使って走行します。
ディーゼルエンジンの特長を活かし燃費の良い定速走行時にはエンジンのみで走行します。また、スムーサーEオートシフトにより、走行中は常に省燃費域で自動変速します。
減速時には、スムーサーEオートシフトがクラッチを自動的に切断し、エンジンブレーキによるエネルギーの回収ロスを防ぎ効率よくバッテリーに充電します。
停止後、シフトレバーを"N"の位置にするだけでエンジンが停止。"D"の位置に戻すと再始動します。排出ガスの発生を抑えるとともに燃費向上に貢献します。
【ハイブリッド関係主要諸元】
エンジン | エンジン型式 | 4HL1 |
---|---|---|
総排気量 | 4777cc | |
最高出力 | 96kW(130PS)/3000rpm | |
最大トルク | 333N・m(34.0kg・m)/1500rpm | |
噴射装置 | コモンレール | |
後処理装置 | DPD | |
ハイブリッドシステム | モーター/ジェネレータ | 25.5kW |
バッテリー | 346V リチウムイオンバッテリー | |
インバーター | PWMインバーター |
商品特長
- 1すぐれた燃費性能・低CO2
モーターによるエンジンの動力アシストに加え、高効率のエネルギー回生と省燃費域での自動変速を可能としたスムーサーEオートシフト及びアイドリングストップ&スタートシステムの採用により、トップクラス(※)の燃費を実現しました。
ハイブリッド車の燃費評価として一般的に使われるM15モードにおいて燃費35%(*)向上、通常の市街地走行でも約10~20%(*)の向上が期待できます。
これにより地球温暖化の要因とされるCO2もM15モードで25%低減します。- ※2~3トンクラスキャブオーバー型ディーゼルハイブリッド車
- *燃費はいずれも現行ディーゼル(4HL1)との比較です。
- *アイドリングストップによる燃費向上分(市街地走行で5~10%程度)を含む為、アイドルストップを行なわない場合、燃費向上率が少なくなります。
- *高速道路や郊外の走行など、加減速やアイドルストップの少ない走行状況では燃費が向上しない場合があります。
<減速時のエネルギー回生>
エルフは減速時にオートシフトによって自動的にクラッチを切るため、減速エネルギーのほとんどを回生する事ができます。その結果アシストエネルギーが大きいため燃費向上率に優れています。<アイドリングストップ&スタート>
信号待ち等の停車時にはNレンジへのシフト操作でアイドリングストップし、HSA(ヒル・スタート・エイド)が作動します。
発進時はDまたはRレンジへのシフト操作でエンジンが再始動します。 また、アイドリングストップスイッチのオン/オフにより、アイドリングストップのキャンセルが行えます。アイドルストップ 停止後、"N"位置へのシフト操作でエンジン停止 再スタート 発進時、"D"または"R"位置へのシフト操作でエンジン再始動 - 2クリーンな排出ガス
4HL1ディーゼルエンジンをベースにハイブリッドシステムを搭載し、平成15年排出ガス規制(新短期)に対しPMは85%・NOxは25%以上低減し、『超低PM排出ディーゼル車(85%低減)』及び、『低排出ガス車認定「良-低公害車」』の認定を取得するとともに、『八都県市低公害車指定制度「良低公害車」』指定を受けています。
【排出ガス諸元値】エルフハイブリッド ディーゼル(4HL1) NOx (g/kWh) 2.42 3.24 PM (g/kWh) 0.020 0.023 CO (g/kWh) 0.50 0.50 HC (g/kWh) 0.20 0.20 - 3安心のハイブリッドシステム
<国内初、長寿命&軽量リチウムイオンバッテリー採用>
ニッケル水素バッテリーに比べ約3倍の寿命を持つリチウムイオンバッテリーを採用しました。軽量で小型トラックハイブリッド車用バッテリーとして最適です。<いすゞ独自のPTO型パラレル駆動方式採用>
エンジンとは別軸にモーター&ジェネレータを配置したPTO型パラレル駆動ハイブリッドシステムを採用し、万一ハイブリッドシステムに異常が発生した場合でもエンジンからの動力伝達を妨げずに、ディーゼルエンジンのみでの走行を可能にしました。
制御上もディーゼル同様、車両のECUに操作系の信号を接続しHEV ECUを並列に構成する事で、HEV ECU故障時にも車両操作が可能です。<良好な架装性>
PTO型パラレル駆動方式の採用に併せてモーター&ジェネレータをフレーム上面より下方にレイアウトしました。これによりバン等を架装した場合の床面地上高の上昇を防ぎます。 - 4低メンテナンスコスト
スムーサーEオートシフトを標準装備しました。クラッチ調整・交換が一切不要でメンテナンスコストを大幅に低減します。また、クラッチトラブルによる路上故障も防ぎます。
以上