2003年04月03日
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いすゞ 中型トラック 『フォワードCNG(圧縮天然ガス車)』を改良- 環境性能の大幅な向上を実現 -

フォワードCNG車

いすゞ自動車(株)は、中型トラック『フォワード』 のCNG(Compressed Natural Gas=圧縮天然ガス)車に、環境性能及び商品力向上などの改良を図り、5月6日より全国一斉に発売する。なお本車両は、 完全受注生産となる。

大気汚染、地球温暖化、石油枯渇問題が深刻化している昨今、各地方自治体をはじめ荷主及び物流企業では、石油代替燃料を使用し、NOx (窒素酸化物)やPM(パティキュレートマター)などの排出が少ない「低公害車」の導入が加速されている。
このような中いすゞでは、都市内配送などの近距離用途に最適な低公害車としてCNG車を位置付け、積極的に商品開発を行っている。
石油代替燃料の一つであるCNGは、イオウ分などの不純物を含まないクリーンな燃料で、PM及び黒煙がほとんど発生しないという特性を持っている。また、三元触媒(*1)を使用することで、NOx、CO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)の排出量を極めて少なくすることができる。
今回の改良では、エンジンの空燃比をきめ細かく制御し、三元触媒の特性に対し最適な状態にすることで排出ガスの浄化を図り、環境性能の大幅な向上を実現した。
主な特長は次の通り。

◇ 高い環境性能
エンジン(6HA1型*2)の空燃比をきめ細かく制御し、三元触媒の特性に対し最適な状態にすることで、全車で、「超-低排出ガス"☆☆☆"レベル相当(社内試験値)」の排出ガス性能を実現した。また、ディーゼル車の平成10/11年排出ガス規制値に対して、NOxを約95%、COを約70%、HCを約95%、現行CNG車に対してNOxを約80%、COを約40%、HCを約80%それぞれ低減し、環境性能の向上を図った。(社内試験値)

◇ 商品力の向上

  1. 1ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)を全車にオプションで設定した。
  2. 2作業車系車両の作業時間・航続距離の延長を実現するため、一部車型に、燃料ボンベ3本をキャブバック積みにした仕様を、オプションで設定した。
  3. 3電気系の強化を図るため、ACGは90A、バッテリーは115E41Rを標準装備した。
  4. 4電磁クラッチ付トランスミッションサイドPTOを一部の車型にオプションで設定した。
  5. 5車両総重量8トン以上(最大積載量5トン以上)の全車型に、スピードリミッター(速度抑制装置(*3)を標準装備した。

<目標販売台数> フォワードCNG車 100台/年

<フォワードCNG車 キャブ付シャシ メーカー希望小売価格>

(消費税含まず)(※写真添付)
車型 主な仕様 積載量 エンジン
最高出力
メーカー希望小売価格
KK-FRR35K4S改(※) キャブ付きシャシ
ショートキャブ
4トンクラス 6HA1
140kW
(190馬力)
8,482,000円
KK-FRR35G4改 キャブ付き
シャシフルキャブ
8,507,000円
KK-FSR33D4S改 キャブ付きシャシ
ショートキャブ
スピードリミッター
7トンクラス 8,870,000円
※写真は同一車型に荷台架装を施した車両で、荷台架装は上記価格に含まれておりません。
  1. *1断面がハニカム又は格子になっている筒の内部に白金、ロジウム、パラジウムなどの貴金属が蒸着されており、ここを排出ガスが通過する時、酸化作用によりCO(一酸化炭素)はCO2(二酸化炭素)へ、HCはCO2とH2O(水)へ変わり、NOx(窒素酸化物)は還元作用によりN2(窒素)とO2に分解される。3つの有害成分(NOx、CO、HC)の浄化作用を担い、排出量を少なくすることから「三元触媒」と呼ばれる。
  2. *26HH1エンジンをベースに燃料装置を天然ガス仕様に改造したもの。
  3. *3スピードリミッター(速度抑制装置)は、平成13年8月の保安基準改正で、大型貨物自動車(車両総重量8トン以上または最大積載量5トン以上)への装着が義務付けられた装置で、最高速度が90km/hを超えないように制限するもの。新規登録車に対しては平成15年9月1日から規制が開始される。高速走行時の重大事故を防止し安全性を向上させると共に、燃費の向上にも貢献するため経済性の向上も実現する。
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