2002年12月24日
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いすゞ、中型トラック『フォワード』を改良

フォワード(撮影用特別仕様車)

いすゞ自動車株式会社は、中型トラック『フォワード』に、PM値の大幅な低減による環境性能の向上、スムーサーF(クラッチペダルのないマニュアル・トランスミッション)の標準化拡大による経済性の向上、スピードリミッターの標準装備(車両総重量8トン以上車)による安全性の向上などの改良を図り、12月24日より全国一斉に発売する。

『フォワード』は主に、都市圏での配送業務や、中長距離の運送業務に用いられる車両で、その使用状況などからユーザーの関心は、環境性能、経済性、安全性の3点に集中している。
特に近年、地方自治体が独自に設けている環境関連条例などにより、都市圏で運行する商用車には高い環境性能が求められており、あらゆる規制に適合し、長く乗ることのできる車両への要求が一段と高まっている。また経営環境の悪化から、車両のライフサイクルコストの低減も重要課題となっている。
このような中、今回の改良では、これらユーザーの要望を多角的に満足させる仕様の向上を行った。
主な特長は次の通り。

  1. 1都市圏配送業務の主力となる無過給エンジン(6HL1型および6HH1型)搭載車に、「PMキャタコンバータ(酸化触媒)(*1)」を標準装備した。これにより、排出ガス中のPM値が 0.18g/kWh未満となり、新短期排出ガス規制のPMの数値目標を達成、環境性能の向上を図った。また、標準装備にすることで、後付けによる費用負担が軽減され、経済性の向上も実現する。
  2. 2「PMキャタコンバータ」は、各地方自治体が指定する粒子状物質減少装置として認定されるため、これを標準装備することで、平成17年以降に予定されている各地方自治体の環境関連条例の強化後も、継続的に当該地域内での運行が可能となる。
  3. 3過給機(ターボチャージャー)付エンジン(6HK1型)については、エンジン単体でPM値 0.18g/kWh未満を達成した。これにより、フォワードシリーズ全車で低PM化を実現した。
  4. 4経済性および安全性の向上を同時に実現するクラッチペダルのないマニュアル・トランスミッション「スムーサーF(*2)」の展開を拡大し、6HL1型エンジン搭載車全車に標準装備した。
  5. 5 車両総重量8トン以上(最大積載量5トン以上)の全車型に、「スピードリミッター(速度抑制装置)(*3)」を標準装備し、安全性の向上を図った。
  6. 6各種騒音対策用カバーを採用し、全車、平成13年騒音規制に適合した。

<目標販売台数> フォワードシリーズ全体で 14,000台/年

<フォワードシリーズ メーカー希望小売価格>

(消費税含まず)(※添付写真は撮影用特別仕様車)
車型 主な仕様 積載量 エンジン
最高出力
メーカー希望小売価格
KK-FRR35K4SX(※) アルミウィングボディ
ショートキャブ
スムーサーF
PMキャタコンバータ
平成13年度騒音規制適合
4トンクラス 6HL1-S
151kw
(205馬力)
7,592千円
KK-FSR33L4XR
キャブ付シャシ
フルキャブ
スピードリミッター
PMキャタコンバータ
平成13年度騒音規制適合

7トンクラス 6HH1
165kw
(225馬力)
6,038千円

(*1) PM中に含まれるHC(炭化水素)を主としたSOFと呼ばれる未燃焼物質(未燃HC、潤滑油HC)を、貴金属触媒により酸化させ、水(H2O)と二酸化炭素(CO2)に変換する後処理技術。排気系の途中に取り付けて、すべての排気ガスを通過させ、排出ガス中のPMを大幅に低減する。

(*2) クラッチペダルのない2ペダルのマニュアルトランスミッション。クラッチの調整や交換が一切不要であると共に、MT車同等の低燃費を実現しているため、ライフサイクルコストの低減が図れる。また、クラッチ操作が一切不要なことから、セーフティドライブも同時に実現する。

(*3) スピードリミッター(速度抑制装置)は、平成13年8月の保安基準改正で、大型貨物自動車(車両総重量8トン以上または最大積載量5トン以上)への装着が義務付けられた装置で、最高速度が90km/hを超えないように制限するもの。燃料噴射量をコントロールして制御する。新規登録車に対しては平成15年9月1日から規制が開始される。高速走行時の重大事故を防止し安全性を向上させると共に、燃費の向上にも貢献するため経済性の向上も実現する。

以上

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