省燃費・コスト削減

省燃費運転マニュアル(基礎知識編)

燃料費削減効果

年間の燃料費について

車両の年間走行距離は用途によりに大幅な差が有ります。走行距離が伸びると、その分燃料を多く使うことになります。下記に示すグラフは、平均燃費と年間走行距離による年間の燃料費を表わしたものです。使用している車両が、年間どの位燃料費がかかっているかを読み取る事が出来ます。

燃料費の削減効果を求める計算方法

(1)年間の燃料使用量
(2)年間の燃料費
(3)燃費向上率から求める燃料費削減額
※省燃費運転による燃料費削減目標等を試算する場合にお使い下さい。

車両の走行抵抗

車両に加わる走行抵抗

車が走る場合、いろいろな抵抗が加わる事により使用する燃料の量が大きく変動します。
それらの抵抗を走行抵抗と呼び、下記に表わす4つのものをいいます。
このうち、加速抵抗はドライバーにより大きく変動します。

空気抵抗

空気抵抗は車体表面の空気との摩擦により発生する抵抗をいい、車速の2乗に比例して大きくなります。
高速走行時に思わぬ量の燃料を消費するのもこれが最も大きい原因です。
70km/hを超える頃から顕著に影響が出始めます。

空気抵抗の式 Ra=λSV2

Ra:空気抵抗(N)
λ:空気抵抗係数(N・m-2・(km/h)-2
S:車両前面投影面積(m2
V:車両走行速度(km/h)

ころがり抵抗

主に、タイヤの変形によるエネルギー損失により発生する抵抗をいいます。
車両総重量に比例して大きくなりますが、車速にはほとんど影響されません。

ころがり抵抗の式 Rr=μmg

Rr:ころがり抵抗(N)
m:車両総重量(kg)
μ:ころがり抵抗係数
g:重量加速度(m/s2

  • ころがり抵抗係数μは、路面の状況(舗装材料、乾湿等)、タイヤ(種類、空気圧)、輪重、車輪軸受けの状態(グリスの温度)等に影響される。

勾配抵抗

登坂の際に発生する抵抗をいい、車両重量と傾斜角度のsinθに比例します。
たとえば、車両総重量20tonの車が10%勾配の坂路を登る時に生じる抵抗は、Sinθが約0.1になりますから

勾配抵抗=20000×9.8×0.1=19600N

およそ19600Nの力で後に引かれているのと同じ抵抗になります。
また、勾配抵抗は車速に関係なく一定値ですが、勾配が変化することにより抵抗も変わるため、下図のような線図となります。

勾配抵抗の式 Re=mgsinθ

Re:勾配抵抗(N)
m:車両総重量(kg)
θ:傾斜角度
g:重量加速度(m/s2

加速抵抗

加速を行う際に発生する抵抗をいい、加速度、車両重量に比例します。

加速抵抗の式 Rc=(m+△m)b

Rc:加速抵抗(N)
b:加速度(m/s2)
m:車両総重量(kg)
△m:駆動機構の回転部分の慣性相当重量(kg)

  • 加速をする場合、エンジン、トランスミッション、プロペラ、デフ、後輪を加速する必要があり、これを重量に換算したもの。

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