2005年08月22日
ニュースルーム

大型観光バス『ガーラ』をフルモデルチェンジ

ガーラ
いすゞ 大型観光バス ガーラ
スーパーハイデッカー(貸切)
ADG-RU1ESAG-NDG型(2005-8)

いすゞ自動車(株)は、大型観光バス『ガーラ』を9年ぶりにフルモデルチェンジし、8月22日より全国一斉に発売します。

1996年にデビューした『ガーラ』は、曲面を多用したスタイルや、縦型二分割リヤウインドウなど、斬新で個性的な外観を採用するとともに、安全面においては、国産観光バスではじめて欧州のECE(*)基準R-66に準拠した高剛性ボディの採用、運転席SRSエアバッグ&プリテンショナー付シートベルトの標準装備など、常に大型観光バスをリードする先進の商品を市場に投入してきました。
現在、バス事業を取り巻く環境は、相次ぐ環境規制や熾烈なコスト競争などにより厳しい状況が続いているものの、貸切バスの輸送人員数、車両数は微増ながらも増加傾向にあります。
この様な状況の中、フルモデルチェンジした『ガーラ』は、『初代ガーラ』で好評を頂いた装備・機能は継承しながら、新世代車に相応しい先進の環境性能、経済性能、安全性能、および他の観光バスとは一線を画す個性的で斬新なスタイリングを採用し、乗客、乗務員、バス事業者すべてを満足させるバスづくりを目指しました。
主な特長は次の通りです。

  • 外装は、「GRACE(グレース):優美」をコンセプトに斬新なスタイリングに一新し、"心に訴えかけるエモーショナルなエクステリア"としました。フロントマスクには、いすゞブランドを象徴する"6キューブ(五大陸+日本をモチーフとしたデザイン)"を採用するとともに、貸切系のリヤスタイルには、『ガーラ』の特長である縦型二分割リヤウインドウを採用しました。
  • 内装は、快適性と品質感を最優先にデザインし、"ホスピタリティ溢れるインテリア"としました。貸切系はファーストクラス感覚の内装で非日常性を演出、高速路線系は機能美に富む内装で長距離の移動でも快適に過ごせる空間としました。
  • エントランスステップはラウンド状にするとともに、ステップに沿って乗降口からフロア直前まで連続する手すりを設置し、楽に安心して乗降できよう配慮しました。
  • シャシとボディをボルト結合し、組み付け品質の向上を図りました。また、シャシは、フロント部とリヤ部を分割したインナーレスフレームを採用し、大幅な軽量化と高品質化を実現しました。
  • サスペンションは、フロント・リヤ共に新開発の機構を採用すると共に、電子制御することで直進安定性と乗り心地の向上を図りました。
  • 世界で最も厳しいヨーロッパの安全基準ECE基準R-66に準拠したロールオーバー対策を実施し、万一の横転時における乗客・乗務員の安全に配慮しました。
  • 運転席SRSエアバッグ&プリテンショナーシートベルトを標準装備しました。また、最前列の客席にはELR3点式シートベルトを標準装備しました。急制動時などに規定以上の加速度が生じた際にシートベルトをロックし、前方への飛び出しを防止します。
  • エンジンは、新長期排出ガス規制に適合した、インタークーラーターボ付E13C型(12912cc、460馬力及び380馬力)を搭載しました。

<目標販売台数> ガーラシリーズ全体で 300台/年

<ガーラ 東京地区希望小売価格>

(消費税含まず、*写真添付)
車型 ボディ仕様 エンジン 東京地区希望小売価格
消費税抜 消費税込
ADG-RU1ESAG
*
スーパーハイデッカー 貸切 338kW(460PS) 42,280,000円 44,394,000円
ADG-RU1ESAN ハイデッカー 貸切 279kW(380PS) 34,810,000円 36,550,000円
  • *欧州統一車輌法規(Economic Commission for Euro regulations)で定めるバスの上部構造の強化に関する統一法規。ロールオーバー時の安全性に関しては世界で最も厳しい安全基準。

<商品概要>

ボディ設定、用途別設定

  • ボディは、「SHD(スーパーハイデッカー)」および、「HD(ハイデッカー)」の2種類を設定しました。
  • 用途別は、「貸切」および、「高速路線」の2種類を設定しました。

外装

  • 外装は、「GRACE(グレース):優美」をコンセプトに斬新なスタイリングに一新し、"心に訴えかけるエモーショナルなエクステリア"としました。
  • フロントマスクには、いすゞブランドを象徴する"6キューブ(五大陸+日本をモチーフとしたデザイン)"を採用しました。
  • 貸切系のリヤスタイルには、ガーラの特長である縦型二分割リヤウインドウを採用しました。
  • 側窓には乗客の視界を優先したサイドウインドウグラフィックを採用しました。
  • トランクルームは、大きな荷物を楽に収容できる3スパン貫通式としました。
  • 平成18年灯火器保安基準に適合しました。

内装

  • 内装は、快適性と品質感を最優先にデザインし、"ホスピタリティ溢れるインテリア"としました。
  • 貸切系は、ファーストクラス感覚の内装とし、円いドーム天井のエントランス部、ウェーブ天井、柔らかな光の間接照明、華やかなLEDファイバー照明などを採用することで非日常性を演出しました。
  • 高速路線系は、快適性、利便性、デザインが融合した機能美に富むビジネスクラス感覚の内装とし、長距離の移動でも快適に過ごせる空間としました。
  • カラーコーディネートは、レギュラー1パターン、スタンダード3パターン、ハイスタンダード4パターン、ハイエンド2パターン、計10パターンを設定しました。(標準又はオプション)
  • 客席荷物棚の開口高さを見直し、収納の大容量化を図りました。
  • エアコンは、空調性能、経済性能、環境性能にすぐれる、新開発の直冷式フルオートエアコンを標準装備しました。大容量連続可変容量コンプレッサーを搭載し、エンジン負荷の軽減、運転フィーリングの向上、安定した吹き出し温度、余裕の冷房能力などを実現しました。また、ランニングコスト・メンテナンスコストも低減しました。
  • 客席シートには、最新の人間工学に基づいて設計された新形状シートを採用しました。体圧分布にすぐれ、長時間の移動による疲労を最小限に抑えます。
  • シート配列は、10列から12列までを設定しました。また、1台で前向き12列および、前向き9列+サロンスペース、両方での利用が可能なスライド2列サロン席12列シート車を設定しました。
  • 運転席には、ホールド性とリラックス性を両立した新型エアサスペンションシートを採用しました。2バッグ式エアランバーサポートのほか豊富な調整機能に加え、快適な乗り心地で運転疲労を大幅に低減します。
  • 運転席回りは、新デザインのインストルメントパネルを採用しました。手が自然に届く範囲にスイッチ・レバー類がレイアウトされ、デザイン性と機能性を両立した運転環境を実現しました。

乗降性

  • エントランスステップはラウンド状にするとともに、ステップに沿って乗降口からフロア直前まで連続する手すりを設置し、楽に安心して乗降できよう配慮しました。
  • ステップは乗降時の安全性に配慮し、全段乗り降りしやすい高さにするとともに、ステップ縁材には滑り止め処理を施しました。また、ステップ灯も設置しました。
  • ニーリング(車両前部の車高を下げて乗降しやすくする装置)の作動量は最大で100mmを確保し、従来より約20mm低いステップ高を実現しました。
  • 床形状は、ユニバーサルデザインの思想を取り入れてフルフラット化するとともに、床材には滑りにくい素材を採用し、車内移動時の安全性に配慮しました。
  • 右側客席通路側シートのヘッドレスト脇に、握りやすい形状のシートグリップを設置し、スムースな車内移動を実現しました。

ボディ構造

  • シャシとボディをボルト結合し、組み付け品質の向上を図りました。
  • ボディ全体を電着槽に浸すフルディップのカチオン電着塗装を採用し、ボディの隅々まで防錆処理を徹底しました。
  • シャシは、フロント部とリヤ部を分割したインナーレスフレームを採用し、大幅な軽量化と高品質化を図りました。車両各部の軽量化と合わせ車両全体で約200kg以上の軽量化を実現しています。
  • フロントとリヤの外板パネルには、錆や腐蝕に強い大型一体構造のFRP樹脂を採用しました。
  • リヤフェンダーからリヤオーバーハングにかけてのサイドパネルには、軽量で錆にも強いアルミパネルを採用しました。融雪剤による錆や腐蝕を低減するとともに、車両全体の重量バランスおよび軽量化にも貢献しています。

サスペンション&ステアリング

  • サスペンションは、フロント・リヤ共に新開発の機構を採用すると共に、電子制御することで直進安定性と乗り心地の向上を図りました。
  • フロントサスペンションは、タイロッドをフロントアクスル前方に配置し、安定性を維持しつつすぐれた乗り心地を実現しました。また、タイヤ切れ角も拡大し、最小回転半径8.7メートルを実現しました。
  • リヤサスペンションには、ヨーロッパで主流のワイドサスペンションを採用しました。ソフトな乗り心地を確保しながらロールを抑え、安定した走りを実現します。
  • 走行中に発生する車速、上下の揺れ、左右の揺れ、ステアリングの回転角速度などを車両各所に取り付けたセンサーが検知、コンピュータが走行状況を分析し、エアスプリング特性やショックアブソーバーの減衰力を自動的に制御することで、あらゆる走行条件下でのすぐれた走行安定性を実現します。
  • ステアリング機構には、ボールナット式を採用しました。前引き配置によるアンダーステア化、フリクション低減によるタイヤ復元性や応答性の向上、高い操舵剛性を実現すると共に、直進安定性の向上に大きく貢献しています。

安全性

パッシブ・セイフティ

  • 世界で最も厳しいヨーロッパの安全基準ECE基準R-66に準拠したロールオーバー対策を実施し、万一の横転時の乗客・乗務員への安全配慮にこだわりました。
  • コンピュータによる衝突シミュレーションを繰り返し、大型バスとして最先端の安全性を追求。前面衝突時に被害の最も大きいドライバーの保護、生存空間の確保に配慮しました。構造や材質の最適化で、軽量化とボディ剛性を高次元で両立しています。
  • 運転席SRSエアバッグ&プリテンショナー付シートベルトを標準装備しました。
  • 最前列の客席にELR3点式シートベルトを標準装備しました。急制動時などに規定以上の加速度が生じた際にシートベルトをロックし、前方への飛び出しを防止します。
  • 車両内部の突起物に欧州法規適合レベルの丸みを持たせ、乗客の安全性に配慮しました。
  • 車両外部の突起箇所に欧州法規適合レベルの丸みを持たせ、歩行者への安全性に配慮しました。

アクティブ・セイフティ

  • ドライバーの運転疲労を軽減するために、運転席とステアリング間の調整範囲を拡大し、体格や好みに応じてより細かく対応できるようにしました。また、ステアリング角度、シートバック角度、各種ペダルの配置などを見直しました。
  • 坂道発進補助装置を採用しました。登り坂道でフットブレーキを踏んだ後ブレーキペダルから足を放しても、踏み込んだ時の制動力をそのままキープしたスムースな坂道発進を可能とし、ドライバーの疲労を軽減します。
  • 明るさ、寿命にすぐれるディスチャージヘッドランプを標準装備し、夜間走行時の運転疲労の大幅な軽減を図りました。また、強力な水流の噴射を持つウォッシャー機能も付加し、過酷な条件下でも良好な照度と視界が保てるようにしました。
  • オートライティングシステムをオプションで準備しました。光センサーで周囲の明るさを感知し、明るさに応じてヘッドランプやテールランプ等を自動的に点灯・消灯します。連続するトンネル等でスイッチオン?オフの煩わしさから解放され、運転疲労を軽減し安全運行に貢献します。
  • バックアイカメラを採用しました。運転席にいながら車両後方の視界を確保し、破損事故や人身事故の軽減に貢献します。

エンジン

  • エンジンは、新長期排出ガス規制に適合した、インタークーラーターボ付E13C型(12912cc、460馬力及び380馬力)を搭載しました。
  • 高圧コモンレール燃料噴射システムを採用しました。燃料を高圧化(最大1600気圧)して噴射することで一層の微粒化を実現、空気との混合を促進させることで燃焼効率がさらに向上しました。また、燃料噴射回数、噴射時期、噴射量をきめ細かくコントロールし、走行条件に合わせた最適な燃焼制御を可能にしました。
  • インタークーラー可変ノズルターボを採用しました。ターボチャージャーのノズル開度をエンジンの回転数・負荷に応じてコントロールし、空気量と排気圧力を最適制御する可変ノズルターボ化で、さらなる低公害・低燃費化を可能としました。
  • クールEGRを採用しました。排出ガスの一部をシリンダー内に再循環させ、新しい吸入空気と一緒に混合させることで燃焼室内空気の酸素濃度を低くし、シリンダー内での燃焼をゆるやかにして燃焼温度を下げることで、NOxを低減しました。
  • エンジン協調制御システムを採用しました。各種センサーからの情報をエンジンECUがそれぞれのシステムにフィードバックし、よりきめ細かくかつ総合的にコントロールすることで、NOx、PM、CO2を大幅に低減しました。
  • 自動再生式ディーゼル微粒子(PM)除去装置を採用しました。排出ガス全量を高耐熱性セラミック壁に通して濾過する「ウォークフロータイプ」の微細孔フィルターを採用し、PM捕集率95%を実現しました。PM除去効果を最大限に発揮させるため、一定量のススが堆積すると自動的に溜まったススの燃焼(再生)を行うクリーニングモードに移行します。

以上

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