2004年02月25日
ニュースルーム

商用車用テレマティクス「みまもりくんオンラインサービス」の発売を開始

いすゞ自動車株式会社(以下いすゞ)は、大型トラック用運行診断システム「みまもりくん*」に、新たにKDDI株式会社(以下KDDI)との共同開発による最新の通信機能を加え、本格的商用車用テレマティクス「みまもりくんオンラインサービス」として、2月25日より発売する。

「みまもりくんオンラインサービス」は、2002年1月より販売している運行診断システム「みまもりくん」に、新たにGPSによる位置情報検索機能を加えると共に、データ通信やモバイルシステムで実績あるKDDIのパケット通信技術により、インターネット上でリアルタイムに車両の運行情報(燃費、CO2・NOx・PMの排出量、位置情報、ドライバーのギア段・アクセル・ブレーキを初めとする運転操作情報)を提供する。
これにより、日本全国で走行しているトラックの運行データを、オンラインで回収・分析することが出来、トラックと運送会社・荷主企業・いすゞを結んで、双方向・リアルタイムの情報通信が可能になった。この「みまもりくんオンラインサービス」によって、トラックの省燃費=環境負荷低減、安全運転がさらに徹底され、運送会社・荷主企業は経営効率向上に大きな効果が期待できる。

現在、日本のトラック輸送業界は、「交通事故のない貨物輸送の安全性」「環境への負荷を低減して人間の健康を阻害しない安全性」「効率的な配車、省燃費による効率性」の追求という、新たな課題に直面していると識者は指摘している。
このため、従来のように車両単体の性能向上を進めるだけでは、運送事業者の満足は必ずしも得られなくなってきている。
いすゞでは、10年前より、トラックというハードだけでなく、トラック輸送をより効率化するソフト面の提案活動として、省燃費運転講習会、安全運転講習会などを積極的に行って来た。しかし、さらに一段の効率化を図るには、お客様の運行を日々継続的にサポートし、よりリアルタイムな情報の提供が求められていた。その課題への対応が、「みまもりくんオンラインサービス」によって大きく前進したことになる。
さらに今後は、温度センサー・車載カメラなどを搭載し、積荷の状況(温度・荷姿)の確認や運行経路の交通状況・路面状況を検知することにより、輸送品質の向上、機敏な集荷手配や正確な到着時間の把握、遅配に対する迅速な対応が可能となる。
また、将来的には、「みまもりくんオンラインサービス」を搭載したトラックが、日本全国を走行しながら現場のさまざまな情報をリアルタイムで発信することにより、情報の精度、活用範囲は格段に向上し、新たな利用価値・効果の創出が図られることとなる。

「みまもりくんオンラインサービス」は、まずはいすゞの大型トラック『ギガ』を対象にサービスを開始し、順次、中型・小型への展開を計画している。

■販売価格 (消費税別途)
初期導入価格 \78,000(車載端末)/台
ランニング価格(月) \4,500(通信料別途)/台
  • 別途、取付工賃、通信端末、au通信サービス基本使用料、通信料が必要となります。
■目標契約台数
1,500台/年 ('04年度)
■適合車型
長期排ガス規制対応(KL-)以降のギガシリーズ(国内のみ)
  • 一部適応できない車型もあります。
■必要な動作環境
パソコン
  • OS:Microsoft Windows95、Microsoft WindowsNT4.0以上(Mac OSは除く)
  • ブラウザ:Internet Explorer 5.5 SP2、6.0 SP1/Netscape 4.75のみ
  • レポート表示:Adobe Acrobat 5を推奨(Adobe Reader 6.Xではパソコンの設定変更が必要となります)
  • 実装メモリー:64MB以上を推奨
  • CPU:Pentium II クラス以上のプロセッサー搭載を推奨
プリンタ
  • A4サイズ゙のカラー印刷が可能なプリンタ
インターネット接続環境
  • レポートのダウンロードがありますので、ADSLなどブロードバンドの接続を推奨します
Eメールアドレス
  • 連絡用アドレスの登録には、パソコン、携帯電話のいずれかが必要となります
  • 現行の「みまもりくん」は、個々の車両に装着した「みまもりユニット」が、車両の情報中枢と言える車両制御コンピュータから、乗務員の運転操作や、燃料の噴射量などの情報を読み取って記録・蓄積し、いすゞが解析・診断した上で「みまもりレポート」としてユーザーに提供し、省燃費・安全運転と運行管理のアドバイスを行うシステムである。「みまもりレポート」では、燃費、走行診断に加え、CO2・NOx ・PMの排出量を集計し、環境データとしても活用できる。発売から2年を経過した時点での契約車両台数は約800台で、車両の燃費が平均15%も向上するなど大きな成果を挙げ、ユーザーから好評を得ている。さらに、高速走行時の平均車速の低下、急ブレーキ回数の減少等、安全運転面での改善効果も大きいとの声が寄せられている。
みまもりくんオンラインサービスのイメージ図
みまもりくんオンラインサービスのイメージ図

「みまもりくんオンラインサービス」の概要

■サービスの内容
<レポートサービス>

デジタルタコグラフ等では確認できない運転操作状況を、エンジン制御ECU、サスペンション制御ECU、トランスミッション制御ECUからダイレクトに読み取って分析し、いすゞのトラックの特性に合った省燃費、安全運転の手法をインターネットで具体的なレポートとして提供する。

  • 省燃費運転レポートサービス

    車両レポートと乗務員レポートの2種類。車両レポートでは、燃料代・燃費・時間・距離のコストに加え、CO2・NOx・PM排出量の環境データを提供。乗務員レポートでは、乗務員のギヤ段、アクセル、ブレーキをはじめとする運転操作状況や省燃費運転に役立つアドバイスなどを提供。どちらも当日の運行からレポートがすぐに取り出し可能。

  • 運行時間分析レポートサービス

    あらかじめ登録した地点ごとの所要時間と実際の走行時間を比較し、区間毎の実践度を示すことで運行計画の改善に役立たせるサービス。

<リアルタイムの情報サービス>

オンライン化とGPS搭載により、車両の位置や運行状況をタイムリーに正確に把握し、その情報を提供する。

  • 事故かも?警報サービス

    事故の可能性が高い急減速を検知した場合、自動的にあらかじめ指定したパソコンや携帯電話にメールでお知らせするサービス。車両1台につき最大5カ所にメールを自動送信する。

  • もっとオハヤクサービス

    突発的な事故や車両故障などの際、ボタン操作一つでいすゞのオハヤクセンターに会社名、現在地などの情報を通報するサービス。

  • 車両位置お知らせサービス

    車両の現在位置をGPSを使って常に計測し、事務所のパソコンの地図上で容易に確認できるサービス。あらかじめ登録しておけば、荷主も利用可能。

  • 事故多発地点警報サービス

    あらかじめ登録されている事故多発地点のゾーンに接近すると、みまもりくんコントローラーのランプが点滅し、乗務員に注意を促すサービス。

    • 事故多発地点は、過去の統計データを使用しており、現在必ずしもその場所で事故が発生しやすいとは限らない。
■導入による効果
  • 燃費削減

    燃費を左右する運転操作が乗務員別に明確となるため、個々の乗務員に効果的な省燃費運転をアドバイスすることが出来、燃料費削減につながる。
    また、運行経路・荷主毎の燃料費も明確となるため、各々の収益管理データとして活用出来る。

  • 安全運行

    乗務員や運行経路毎に、急激な車速の変化や急ブレーキの頻度などが具体的に分かるため、安全運転への改善点が明確になるとともに、積み荷を保護する丁寧な運転の促進につながる。安全運転意識がさらに向上し、優良ドライバーへの適正な評価も可能になる。

  • 整備費削減

    上記の省燃費運転・安全運転や、車両毎の運行データに沿った計画配車により、車両への負荷が減少し、車両寿命の延長及び修理コストの低減につながる。

  • 環境情報把握

    CO2・NOx・PM排出量がわかり、環境報告書などの作成に確かなデータを提供できる。

  • 運行管理体制の充実

    突発的な事故や車両故障への迅速な対処が可能となったことに加え、携帯電話に緊急情報が届くことにより、即時に安全確認が行なえる。

以上

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