いすゞ自動車株式会社はこの度、企業価値の回復と企業競争力の強化のために、現在推進している中期経営計画(ISUZU V-PLAN)の一部見直し及び実行の加速と、財務構造の抜本的改革を柱とする、新3ヵ年計画(2005年3月期まで)の大枠を策定した。
いすゞはV-PLANの推進により着実に業績を回復させ、2002年3月期には3期振りに営業黒字化を達成した。 しかしながら、国内商用車市場の長期低迷や米国販売の不振など、環境は依然厳しく、この様な中でV‐PLANを確実に達成し、盤石な企業体質の構築を図るために、施策の見直しを行うとともに、筆頭株主である米国ゼネラルモーターズ社(以下GM)や金融機関の協力を得て、事業体制と財務構造の抜本的な改革を実施することとした。
新3ヵ年計画の骨子については、既にGM及び、メインバンクであるみずほコーポレート銀行より大筋のご了承を得ており、GMはパワートレイン事業の協業強化、出資の無償消却と増資の引き受け等により、総額約600億円の新規資金を投入していすゞの資本の改善等を図りながら、引き続き筆頭株主として役割を担う。
いすゞは今後、主要取引金融機関を含めて、各関係者のご了解を戴きながら、詳細な実行計画を策定していく。
新3ヵ年計画の骨子は次のとおり。
- 1事業体制の見直し
☆ 北米SUV事業の再構築
- 北米SUV生産事業の合理化
- 北米のSUV販売車に、GMからのOEM車を追加
- 北米現地法人の一層のスリム化
☆ パワートレイン事業のGMとの協業強化
- GMによるISPOL(Isuzu Motors Polska Sp. Zo.o.) への資本参加と、DMAX(DMAX, Ltd.) への出資拡大による、事業の安定化
-ISPOL、DMAX両社へのGM出資比率を60%に引き上げ
-ディーゼルエンジンの開発会社を合弁で設立
- 2要員削減の推進加速(V-PLAN目標体制の早期確立)
☆ 生産要員を含む希望退職の実施
- 単体8,700名体制の早期確立に向け、約3,700名の希望退職募集
- 3マネジメント改革
☆ GMから代表取締役副社長(予定)派遣
- 4GMによる支援
☆ GM出資株式の無償消却、及び増資
- GM現行保有全株式(約619百万株)を無償消却し、新規に約100億円出資
(出資比率12%相当)
- GM現行保有全株式(約619百万株)を無償消却し、新規に約100億円出資
- 5金融支援要請
☆ 主要行による債務の株式化
- 約1,000億円の債務を優先株発行により株式化
☆ 必要資金対応と融資残高の維持等
【新3ヵ年計画の目標】
現 状 (2002年3月期) |
新3ヵ年計画 (2005年3月期) |
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連 結 売 上 高: | 1兆5,977億円 | 1兆2,700億円 |
連結営業利益 : | 151億円 | 600億円 以上 |
連結当期利益 : | △429億円 | 500億円 以上 |
総 資 産: | 1兆3,241億円 | 9,800億円 |
有利子負債 *: | 6,789億円 | 5,000億円 |
*除く金融事業
以上