
いすゞ自動車(株)は、小型トラック『エルフ』の一部車型に、経済性と安全性を両立した次世代トランスミッション「スムーサーE」を追加設定し、4月1日より全国一斉に発売する。
いすゞでは、マニュアルトランスミッション(MT)の長所と、オートマチックトランスミッション(AT)の長所を両立させ、さらに「低ライフサイクルコスト」を実現した次世代型トランスミッションを「スムーサー(Smoother)」と総称し、順次各車型への展開を図っている。既に、大型トラクタ『ギガトラクタ』に「スムーサーG」、中型トラック『フォワード』に「スムーサーF」として搭載し好評を得ている。
「スムーサーE」は、小型トラック『エルフ』にベストマッチさせたシステムで、今回は、『エルフ』シリーズ中最高出力の4HK1-T型エンジン(170馬力)搭載車に追加設定する。
「スムーサーE」の主な特長は次の通り。
- 1通常のマニュアルトランスミッションをベースに、クラッチシステムをフルードカップリング(*1)と湿式多板クラッチ(*2)に変えたシンプルな構造。シフト、アクセル操作などの信号を受けて最適なクラッチ操作を自動油圧制御により行う。
- 2クラッチペダルがなくAT限定免許での運転が可能。運転はアクセルとブレーキの2ペダルで行い煩雑なクラッチ操作が不要となるため、運転疲労が軽減され安全性が向上するとともにイージードライブ化を実現する。シフト操作はMT車と同様に手動で行う。
- 3発進以外のほとんどの走行状態において、通常のマニュアルトランスミッションとロックアップクラッチ(*3)で動力伝達が行われるため、MT車並の加減速性能と燃費が得られる。また、エンジンブレーキや排気ブレーキもMT車同様の性能が得られる。
- 4ギアが入った状態でAT車同様にクリープ現象が発生するため、坂道発進や数センチ単位のプラットホーム付け、縦列駐車などの場面でも、アクセルとブレーキ操作のみで発進・微速走行が可能。
- 5フルードカップリングを採用し発進を流体クラッチで行うため、MT車のようなクラッチ盤の交換が不要となり、メンテナンスコストの大幅な低減が図れる。
- *1エンジンからの動力を流体を用いて伝達する装置。発進時に使用し「滑らせながら徐々につなぐ」機能を受け持つ。これによりスムーズな発進を実現すると共に、クリープ力を発生させ微速走行も可能とした。
- *2変速時にミッションへのエンジン動力を断接する。断接はシフトレバーからの信号により、コントロールユニットが油圧を制御して行う。
- *3車速が10~15km/hに達した時点でフルードカップリングを機械的に直結させるクラッチ。フルードカップリングによる伝達ロスを防ぐ。
<目標販売台数> スムーサーE搭載車全体で 1300台/年
<エルフ スムーサーE 東京地区希望小売価格>
車型 | エンジン 最高出力 |
最大 積載量 |
主な仕様 | 東京地区希望小売価格 |
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KK-NPR75LR-5EXAJ-SE(*) | 125kW(170PS) | 2トン | ロング木製平ボディ、ワイドキャブ、ABS、PMキャタコンバータ | 3,755,000円 |
KK-NPR75PR-5JXAJ-SE | 125kW(170PS) | 3トン | 超ロング木製平ボディ、ワイドキャブ、ABS、PMキャタコンバータ | 3,905,000円 |
KK-NPR75LV-5EXYJ-SE | 125kW(170PS) | 2トン | ロングキャブ付シャシ、ワイドキャブ、ABS、PMキャタコンバータ | 3,559,000円 |
KK-NPR75PR-5NXYJ-SE | 125kW(170PS) | 4トン | 超ロングキャブ付シャシ、ワイドキャブ、ABS、PMキャタコンバータ | 3,860,000円 |
以上