いすゞ低公害型トラック「エルフCNS（圧縮天然ガス）車」を改良

プレスリリース

いすゞ自動車(株)は、小型トラック「エルフ」のＣＮＧ（Compressed Natural Gas＝圧縮天然ガス）車に、中期ブレーキ安全規制への適合や安全性の向上などの改良を施し、６月２２日より全国一斉に発売する。また、ディーゼル車の４ナンバーサイズの低型４ＷＤ車に商品力を高める改良を施し、同日より発売する。

近年、地球温暖化など環境問題の深刻化に伴ない、市場では低公害車の需要が高まってきている。また、世界中で大量に普及した自動車など内燃機関の燃料は大半が石油であり、その枯渇問題が心配されている。そのなかで天然ガスは、イオウ分などの不純物を含まないクリーンな燃料であることや、世界各地に存在し、その埋蔵量も石油を大きく上回ると言われることから、将来の石油代替燃料として期待されている。

この天然ガスを燃料とするＣＮＧ車は、燃焼過程で発生するＮＯｘ(窒素酸化物)、ＨＣ（炭化水素）、ＣＯ（一酸化炭素）などの大気汚染物質や、地球温暖化の原因とされているＣＯ_２（二酸化炭素）を大幅に低減することができ、さらに黒煙が発生しないという特性を持っている。

いすゞは都市内輸送向けとして平成８年１月にエルフＣＮＧ車を発売、平成１０年９月には需要の増加にあわせライン生産に踏み切るなど、ＣＮＧ車の普及に積極的に対応してきた。
そして今回、ブレーキ性能を向上させ、中期ブレーキ安全規制に適合させるとともに、電磁式リターダを設定し、安全性の強化を図るなど商品力をより一層向上させた。

また、雪道での高い走破性と、乗降性や荷役性の良さを併せ持つディーゼル車の「４ナンバーサイズ低型４ＷＤ車」に、荷台長の延長やダンプの新規設定などの改良を行ない、商品力を向上させた。

主な特長は次のとおり

1エルフＣＮＧ（圧縮天然ガス）車
【クリーンな排出ガス】

メタン（ＣＨ_４）を主成分とした天然ガスを燃料とするため、
1. 1黒煙を排出せず、ＣＯ_２の排出量も非常に少ない。
2. 2燃料中にイオウ分を含まないためイオウ酸化物（ＳＯｘ）も排出しない。
3. 3三元触媒と組み合せることでＮＯｘ、ＣＯ、ＨＣを大幅に低減することができる。
  これらにより、ディーゼル車の平成１０年排出ガス規制値に対し、ＮＯｘを約９５％、ＣＯを約４５％、ＨＣを約９５％、黒煙を約１００％と大幅に低減させた。（社内実験値）
【安全性の向上】
1. 1運転席SRSエアバッグをＣＮＧ全車に標準装備し、すでに標準装備としているロードリミッター付シートベルトとあわせてドライバーへの衝突時の衝撃緩和を図った。その他、衝撃吸収ステアリングホイールの全車標準装備や中期ブレーキ安全規制への適合など、安全性の充実を図った。
2. 2電磁式リターダ装着車を設定し、更なる制動能力の向上を図った。
【商品力の向上】
1. 1ロングボデイのCNGボンベの容量を２３０リットルから２６０リットルに増大し、１充填あたりの走行距離を約１３％向上させた。
2. 2CNGボンベの取り付け方法を変更し、低床化（従来車比約３０ｍｍ低減）と架装性の向上を図った。
3. 3従来から設定しているインデペンデントサスペンション車に液体封入式キャブサスペンションを標準装備することでキャブの揺れを効果的に吸収。更なる乗り心地の向上を図った。
4. 4冷凍車専用シャシを新規設定し、幅広いユーザーニーズへの対応を図った。
2エルフ低型４ＷＤ車
1. 1フルフラットローダンプ（４ナンバーサイズ）を新規設定し、車型展開を充実させた。
2. 2平ボディ（４ナンバーサイズ）のエンジンやフロントアクスルなどのレイアウトを見直し、従来車とほぼ同じ全長で、荷台長（内寸）を３３０ｍｍ延長し、積載性を向上させた。
3. 3ドライバーが荷役作業などで運転席を離れる際、ドアを開けると自動的にエンジンを停止する「アイドリングストップ装置」を標準装備した。
4. 4クラッチペダルを操作せずに発進・変速・停止ができる、いすゞ独自のイージードライブシステムの「クラッチフリー」を標準装備とし、快適性の向上を図った。

＜目標販売台数＞
エルフＣＮＧ車５００台／年
エルフ低型４ＷＤ車４００台／年

＜エルフＣＮＧ車キャブ付シャシ東京地区希望小売価格＞（消費税含まず）

車型	エンジン	主な仕様	東京地区希望小売価格
KK-NKR66LAV -6EXY-C	4HF1(改) 88kw(120PS)	標準キャブロングボディキャブ付シャシ	4,718,000円
KK-NPR71LV -6JXY-C	4HF1(改) 88kw(120PS)	ワイドキャブロングボディキャブ付シャシ	4,907,000円