新設する本テストコースは、広大な面積を誇るIHPGの敷地内に、約19万㎡を新規に開発。市街地、高速分合流、郊外路など各試験エリアを設定のうえ、さまざまな交通インフラを設置します。ここでは、公道での実施が難しい高度なシナリオを安全に再現し、自動運転技術の評価・測定・検証を行うことが可能となります。2026年夏に一部コースの使用を開始し、2027年9月の本格稼働を予定しています。主な特長は以下のとおりです。

少子高齢化の進展や都市部への人口集中など、特に国内で社会構造が大きく変化する中、物流・人流を支えるドライバーの高齢化や人手不足への対応が喫緊の課題となっています。いすゞグループは、中期経営計画「ISUZU Transformation - Growth to 2030（IX）」の中で、これら社会課題を解決する新事業への挑戦として、自動運転ソリューションの技術領域に注力することを掲げています。具体的には、2027年度に自動運転レベル4トラック・バス事業を開始することを目指しており、いすゞグループ単独ではもちろん、国や自治体、国内商用車メーカーや先進技術を有するスタートアップなどとも連携し、自動運転技術の開発や事業化の検討を積極的に進めています。

自動運転技術を高め、早期の実用化につなげるためには、実際の公道での走行を通じて質・量ともに十分なデータを収集することが不可欠です。この膨大なデータによるAI学習を進めることで、自動運転車両の認識や判断の精度を高めるとともに、未検証の交通状況を抽出して検証を重ねることで安全性を向上させていきます。ただし、安全上重要かつよりシビアなシナリオでのデータ収集については、リスクを極力回避するためにも、公道と同じ環境を忠実に再現した専用テストコースが必要です。本テストコースでは多様な走行シナリオを用いて徹底した検証と改良を重ね、自動運転の確かな安全性と信頼性を築いていきます。

本テストコースの設置に先立ち、8月27日（水）にIHPGの建設予定地で地鎮祭を執り行い、関係者約40名が出席しました。
いすゞグループの自動運転技術開発の指揮を執るいすゞ 常務執行役員 開発部門EVP 上田謙は「自動運転事業は将来のいすゞの収益の柱。いすゞグループは、事故ゼロ社会の実現に向けて、安心・安全なモビリティの未来を切り拓いていくため、本テストコースの運用を通じて、自動運転技術の発展に貢献していく」、常務執行役員 開発部門VP 佐藤浩至は「本テストコースは、いすゞグループが世界の商用車の自動運転をリードしていくために不可欠な設備。数年後には、オープンイノベーションのハブとして、さまざまな企業・組織がともに研究・開発する自動運転の聖地となることを願っている」とそれぞれあいさつしました。

いすゞグループは、経営理念体系「ISUZU ID」の中で、PURPOSE（使命）に「地球の『運ぶ』を創造する」を掲げています。その具体的な取り組みとして、社会課題の解決に貢献する自動運転ソリューションの社会実装を進めています。自動運転技術の実用化により、「運ぶ」の新たな形を世の中に提供し、「商用モビリティソリューションカンパニー」への変革を実現してまいります。