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気候変動対策

基本的な考え方

製品・サービス

2050年までに、いすゞグループ製品のライフサイクル全体で
温室効果ガス(GHG)ゼロを目指します
※GHGゼロ:GHGの排出量と吸収量がプラスマイナスゼロ

事業活動

2050年までに、いすゞグループの事業活動から直接排出される
温室効果ガス(GHG)ゼロを目指します
※事業活動から直接排出されるGHG:Scope1+Scope2

マネジメント体制

科学的根拠に基づく目標設定(SBT)

いすゞは気候変動にともなうリスクの最小化と機会の最大化を目指し、いすゞ環境長期ビジョンに基づく温室効果ガス排出量削減を達成するためのロードマップとして「2030環境ロードマップ」を策定し、現時点で考え得る施策を検討しました。社会全体のカーボンニュートラルの実現に向け、パリ協定の目指す気温上昇1.5℃以内達成を支持し、達成に向けた科学的な根拠に基づく目標設定を進めています。
その一環として国際的なイニシアチブであるSBT(Science Based Targets)イニシアチブにコミットメントレターを提出し、パリ協定に整合した目標へのコミットメントを2022年に実施しました。気候変動対策に対する取り組みを一層明確化し、脱炭素社会へ貢献する持続可能な企業となることを目指していきます。

気候変動に関する戦略

気候変動を起因とするさまざまな自然災害が私たちの社会に大きな影響を及ぼしており、気候変動は喫緊に解決すべき最重要課題として世界の共通認識となっています。
こうした認識を踏まえ、日本をはじめとする各国のカーボンニュートラル戦略が急進しており、世界的に脱炭素社会実現に向けた動きが加速しています。いすゞは、気候変動への対応をいすゞのさらなる成長の機会と捉え、取り組みを強化しています。
いすゞでは、IPCCによる気候シナリオや、IPCC/IEAが作成した社会経済シナリオを参考に、2050年に向けた環境長期シナリオに基づくシナリオ分析を行い、リスクや機会を特定しました。その結果、地球規模での気候変動に伴い、自然災害が頻発、激甚化しており、いすゞグループの事業活動と製品群に対し、重大な影響を与えることを再認識しました。
気候変動への対策として、環境に関する規制強化への対応や新しい技術開発が必要となります。一方で、脱炭素社会に貢献するイノベーションの創出が社会から期待されており、適切に対応することで新たな事業の機会につながると認識しています。
そのため、「いすゞ環境長期ビジョン2050」では気候変動対策を重点課題の一つと捉え、「2030環境ロードマップ」では2030年までに事業活動全般でCO2排出量(Scope1+Scope2)を2013年度比で50%削減することにしました。また、製品については2040年までにカーボンニュートラル化に対応できるフルラインアップを確立し、2030年に主要モデルにおいて電動車の量産販売拡大を目指す、「カーボンニュートラル戦略」を掲げています。
カーボンニュートラル戦略を実現するために、2030年までにコネクテッド戦略等と合わせ1兆円の投資を計画しています。

環境長期シナリオ

4℃シナリオ

化石燃料への依存が続き、気候変動が進行する4℃シナリオでは、自然災害が増大する社会になります。有限資源である化石燃料は奪い合いとなり、格差の増大により、反グローバル化が進み、国際的なガバナンスは機能不全となります。気候変動の進行により、災害に脆弱で経済が停滞した、望ましくない社会が想定されます。

1.5℃シナリオ

GHG排出に関する規制が強化され、技術革新などにより気温上昇を1.5℃に抑える1.5℃シナリオでは、カーボンニュートラルな社会となります。規制が強化され、技術革新が進むことにより、社会構造や産業構造は大きく変わることが想定されます。
いすゞでは、IEAのシナリオ(2DS/B2DS/SDS等)を参考に、シナリオ分析を行いました。1.5℃シナリオでは、いすゞの製品群は用途により大きな変化が生じ、事業活動に大きな変化があると想定しています。

製品
車種別
  • 近距離、少量輸送を支える小型商用車はEVなど次世代パワートレインの開発、提供が進む
  • 中~大型商用車にも電動化など新たな流れが生まれる
  • 長距離、大量輸送を支える中~大型商用車では今後も内燃機関が果たす役割が大きい
持続可能な脱炭素化したクリーンエネルギーを活用
  • 従来以上に超省燃費でエネルギーロスの無いパワートレインとそれらを搭載した製品の開発、市場提供が必要
サービス
  • 現在実証実験を行っている自動運転、隊列走行、フルトレーラーは一般化
  • より効率的な輸送方法が一般化
事業活動
  • 製品生産をはじめとする事業活動で使用するエネルギーは脱炭素化したクリーンエネルギーへ切替え
  • カーボンニュートラル実現のため、資源投入量の最小化、排出物の有効利用が徹底

リスクと機会

気候変動がもたらすリスクは、脱炭素社会への移行に伴う「移行リスク」と、自然災害の増大等により物理的な影響を及ぼす「物理的リスク」に分けられます。
いすゞの事業において想定される気候変動によるリスクと機会は次のとおりです。

分類 リスク 機会 対策 事業への影響度
移行
脱炭素社会への移行に伴うリスク・機会
  • さらなる環境対応規制の強化への対応遅れによる、シェア低下
  • ゼロエミッション車への需要増加
  • カーボンニュートラル化に対応できるフルラインアップ確立に向けた取り組み推進
  • EV、FCVなど多様なパワートレインに対応するための開発、生産コストの増加
  • オープンイノベーションの拡大
  • 安価なクリーンエネルギーの普及拡大
  • アライアンスを活用した効率的な共同開発
  • 安価なクリーンエネルギーへの切り替えによる低炭素な操業とコスト低減
  • 化石燃料を使う内燃機関車の市場縮小
  • 次世代燃料(カーボンニュートラル燃料)の活用による既存内燃機関技術やインフラの活用
  • 物流インフラの多様なニーズに対応できないことによるブランド力低下
  • 自動運転、隊列走行、フルトレーラーのニーズ拡大
  • お客様との協創活動によるカーボンニュートラルに資する物流イノベーションの創出
  • 事業全般におけるGHG削減対策や再生可能エネルギー導入の遅れによるエネルギーコストの増加、評判リスクの増加
  • 早期の再生可能エネルギー導入によるコスト低減と企業イメージ向上
  • 再生可能エネルギーの導入拡大
  • 省エネ活動のさらなる推進によるエネルギーコスト低減
物理的
自然災害の増大や水資源の枯渇等のリスク・機会
  • 異常気象(洪水、台風等)発生増加による事業被害
  • 災害対応可能な車両へ需要増加
  • 自然災害に強靭なインフラサービスへのニーズ拡大
  • 災害対応車の提供
  • 水害等で被水した車両の復旧サービス提供
  • BCPの拡充による企業体質の強靭化

TCFD提言に基づく情報開示

いすゞでは、TCFDが推奨するフレームワークに沿った気候変動関連の情報開示に取り組んでいます。
推奨開示項目に対する具体的な内容は該当ページをご参照ください。

推奨開示項目 該当ページ
ガバナンス a) 気候関連のリスクと機会についての、当該組織取締役会による監視体制を説明する。
b) 気候関連のリスクと機会を評価・管理する上での経営の役割を説明する。
戦略 a) 当該組織が識別した、短期・中期・長期の気候関連のリスクと機会を説明する。
b) 気候関連のリスクと機会が当該組織のビジネス、戦略および財務計画(ファイナンシャルプランニング)に及ぼす影響を説明する。
c) ビジネス、戦略および財務計画に対する2℃シナリオなどのさまざまなシナリオ下の影響を説明する。
リスク管理 a) 当該組織が気候関連リスクを識別および評価するプロセスを説明する。
b) 当該組織が気候関連リスクを管理するプロセスを説明する。
c) 当該組織が気候関連リスクを識別・評価および管理するプロセスが、組織の総合的なリスク管理にどのように統合されているかを説明する。
指標と目標 a) 自らの戦略とリスク管理プロセスに即して、気候関連のリスクと機会を評価するために用いる指標を開示する。
b) Scope1,Scope2および、当てはまる場合はScope3の温室効果ガス(GHG)排出量と関連リスクについて説明する。
c) 気候関連リスクと機会を管理するために用いる目標、および目標に対する実績を開示する。

取り組み

製品・サービス

カーボンニュートラルへの取り組み

脱炭素社会実現のため、カーボンニュートラルの実現は最優先の社会的課題となっています。いすゞも、カーボンニュートラルの実現に向けて積極的に挑戦しています。
2050年までにカーボンニュートラルを達成するためには、全世界で販売する新車ラインアップの全てにおいて、カーボンニュートラル化(化石由来のエネルギーからカーボンニュートラルなエネルギーで車を動かすこと)を実現する必要があります。そこで、いすゞは量産を見据えた電動車開発を強力に進め、2023年に新型エルフにおいて量産型のBEV(バッテリー式電気自動車)を発売し、新たな商品ラインアップに加えました。またFCVは社会実装のための実証実験を行いながら技術の見極めに取り組み、商品の市場投入の準備を進めています。
また、商用車については内燃機関が必要とされる場合を想定し、バイオ燃料や再生可能エネルギー由来の合成燃料など、カーボンニュートラル燃料普及期に備え、水素内燃機関も含め高性能な内燃機関の開発も継続して進めていきます。

EVision

いすゞは、商用EVの導入検討のサポート、導入課題の解決、効果の定量化から、さらなる脱炭素化提案をPDCAサイクルにてお客様のカーボンニュートラルを実現する、車両にとどまらないトータルソリューションプログラムである「EVision」をコンセプトに、カーボンニュートラル社会に向けたトータルソリューションサービスを開始しました。
お客様が商用EVを導入するにあたり、充電設備、電気料金、環境負荷軽減効果など、さまざまな課題が想定されます。これらを解決するため、いすゞは、「EVision」を通じ、商用EVの導入検討・導入時・導入後の各フェーズにおけるソリューションを提供いたします。

次世代車両の開発普及

EV小型トラック
2019年より、宅配/コンビニ配送/ごみ収集において、モニター活動を開始しました。経済合理性や利便性を検証してきましたが、2023年3月に発売された新型エルフからBEVも商品ラインアップに新たに加わりました。
新型エルフのBEVは、ディーゼル車とプラットフォームを揃えることで、さまざまな袈装にフレキシブルに対応していきます。

EV小型トラック

FCV大型トラック
2020年より、本田技術研究所との共同開発を開始しました。2023年度のモニター活動の開始に向け開発中です。
また2023年5月、2027年導入予定の燃料電池システムの開発および供給パートナーとして契約を新たに締結し、日本政府が掲げる大型商用車導入目標である2030年までに電動車5000台導入に貢献すべく開発を進めていきます。

FCV大型トラック

FCV小型トラック
2021年より、Commercial Japan Partnership Technologies(以下、CJPT)において共同開発を開始しました。福島県での水素技術活用による社会実装の取り組みに協力していくとともに、2023年には東京都のプロジェクトにも参画しました。今後も他の都市での社会実装に向けて車両提供を進めていきます。

FCV小型トラック

BEVフルフラット路線バス
路線バスのゼロエミッション化へのニーズに応えるべく、BEVフルフラット路線バスの2024年度生産開始に向けた開発を進めています。

北米中型電動プロトタイプトラック
いすゞカミンズ パワートレイン パートナーシップ契約に基づき、カミンズ・インク製電動システムを搭載したプロト車を製作しモニターを実施中です。利便性や性能について、今後の商品開発向けた検証を進めていきます。

北米中型電動プロトタイプトラック
次世代燃料への挑戦

いすゞは、脱炭素社会の実現に向け、カーボンニュートラル合成燃料やバイオ燃料などの次世代燃料(以下、CN燃料)の自動車での活用についても、電動化と同じレベルで取り組むべき技術課題であると認識しています。カーボンニュートラル合成燃料は、再生可能エネルギーで精製された水素と、大気中または工場などから排出されるCO2を原料に、その合成プロセスに再生可能エネルギーを利用して精製されるCN燃料です。また、大気中のCO2を吸収したバイオマスを原料とするバイオ燃料も、精製プロセスに再生可能エネルギーを利用することによりCN燃料となります。これらのCN燃料のうち、カーボンニュートラル合成燃料については、国が社会実装に向けた精製技術開発など具体的な補助金事業を決定しました。CN燃料の社会実装が実現すれば、次のようなメリットの享受が見込まれます。

  • 既存の内燃機関技術の活用
  • 供給開始と同時にカーボンニュートラル化に貢献できる即効性(=既販車での活用)
  • 現存する燃料スタンドなど、燃料供給インフラの活用

CN燃料の社会実装実現に備え、普及加速に向けた活動として、車両の諸性能・耐久信頼性などの適合性評価・改良や実証試験などの実施、燃料品質上の課題提起や改善提案、CN燃料製造事業者に対する働きかけとともに、供給や販売などの流通過程で追加の投資を必要としない制度作りなど、国などが行っている普及の取り組みにも積極的に参画し強力に進めていきます。
いすゞの商品である、人・物流を担う商用車は多くの車型を持ち、さまざまな市場環境条件の下でお使いいただいています。その中には電動化が困難な車両が存在することも予想されます。これらの車両におけるCN燃料の活用は、カーボンニュートラル化を促進させることが可能な手段であるとも考えています。また、商用車は、グローバル商品として世界各国に提供し、お使いいただいていますが、国や地域の情勢によっては電動車への切り替えが難しく、既販車両をそのまま長く使用されることが想定されます。こうした国や地域においては、現存する燃料供給インフラを活用できる可能性を持ったCN燃料が実現すれば、カーボンニュートラル化に貢献する有効な手段になると考えています。
いすゞは2021年4月からCN燃料の活用を推進する専門部署を立ち上げ、上述の幅広い活動を推進してきました。2023年4月にはCN戦略を統括し推進する部門を創設してその取り組みをさらに強化し、これらの活動を拡大しています。いすゞは、グローバルにカーボンニュートラルな社会の実現を目指し、CN燃料の活用推進に向けた取り組みに挑戦するとともに、「運ぶ」の未来を加速させていきます。

事業活動

使用エネルギーを低減

事業活動全体で省エネ活動を継続するため、グループ会社全体で工程の効率化、設備などの運転方法の見直し、適正化、エネルギー使用量の見える化を推進し、エネルギー使用量の低減活動を継続して実施しています。
従来の運用方法を見直すことで、さらなる省エネ活動の種を見つけ、会社間で水平展開を行うことで、いすゞグループ全体で大きな効果を上げています。
また、いすゞグループは気候変動に関連する法規制(国内の場合は、「エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律(省エネ法)」)や「地球温暖化対策の推進に関する法律(温対法)」)や政策等を支持し、法に基づく行政機関への各種報告などを通じて適切に対応しています。

販売会社における環境配慮型拠点拡大への取り組み

販売拠点を新設、または改修する際には、LED照明やトップライトの採用、再生可能エネルギーの導入などを積極的に行い、環境配慮型拠点を増やす取り組みを進めています。また、新設拠点では、車両整備や洗車により排出される排水による環境汚染を防止するため、微生物を利用した排水処理システムを採用するなど、従来に比べ、より環境に配慮した装置への切り替えを推進しています。

島根西いすゞモーター(株)
島根西いすゞモーター(株)
クリーンエネルギーを創出

再生可能エネルギーを積極的に導入したクリーンエネルギーを創出するため、2022年度から栃木工場に新たに1,156kWの太陽光発電設備を導入しました。
またタイのいすゞグループ各社は、大規模な太陽光発電設備の導入を推進しています。2018年度以降、泰国いすゞ自動車(IMCT)と泰国いすゞエンジン製造(IEMT)、泰国いすゞロジスティックス(ILT)では、合計出力3,460kWの太陽光パネルを設置しました。今後も同国内のグループ会社における太陽光発電設備や省エネ機器の導入を計画しています。

栃木工場の太陽光発電設備
栃木工場の太陽光発電設備
クリーンエネルギーへ転換

事業所で使用するエネルギーについても、順次再生可能エネルギー由来のクリーンエネルギーへの転換を進めています。いすゞでは、2019年度から東京電力エナジーパートナーから購入している電力の一部に、100%水力発電による電力を適用する電気料金メニュー「アクアプレミアム」を採用しています。このメニューは、発電の際にCO2を排出しない水力発電による電力を、東京電力エナジーパートナーが希望するユーザーに販売する仕組みで、ユーザーは購入電力の一部をCO2フリーの電力に変更できます。
また、2022年度からは新たに非化石証書付の電力購入を開始し、再生可能エネルギー由来の電力購入を拡大しました。そして2022年度は使用電力の約12%を脱炭素化しました。
燃料についてはまだ電気のようなクリーンエネルギー技術が確立されていません。こうした状況を鑑み、いすゞでは2021年度から工場で使用する燃料の一部にカーボンニュートラルLNGの使用を始めました。カーボンニュートラルLNGは、天然ガスの採掘から燃焼に至るまでの工程で発生する温室効果ガスを、CO2クレジットで相殺(カーボンオフセット)し、燃焼しても地球規模ではCO2が発生しないとみなす液化天然ガスです。このクレジットはボランタリークレジットではありますが、国際的にも信頼性の高い機関から発行されたものであり、地域や生態系に重大な悪影響を及ぼさない等、導入先の調達要件・品質基準等が満たされたプロジェクトで構成されています。
いすゞはこれからもさまざまな仕組みを活用し、さらなるクリーンエネルギーの導入を拡大していきます。

物流過程におけるCO2排出量の低減

部品の搬送ルート見直しや搬送時の省燃費運転促進、新規航路開拓による海上輸送の増便(モーダルシフト)により、物流過程におけるCO2排出量を毎年1%低減することを目標に取り組んでいます。

製品車両輸送時のモーダルシフト状況
CO2排出量低減のための主な取り組み
  • 荷量に合わせたトラック輸送管理の徹底などによる輸送効率アップ
  • 返却時に折り畳めるリターナブルラックの使用拡大
  • トレーラー輸送の拡大とコンテナ内貨物充填率アップ

2020年に栃木工場に隣接したパーツセンターを追加し、周辺の倉庫を一つに集約しました。これにより倉庫間の物流が集約され、搬送効率が向上しました。また、従来のパーツセンター2倉庫間には高架橋を設置し、トラック輸送を無人けん引車に切り換えたことで、CO2削減につながりました。

コンテナラウンドユースの拡大

いすゞでは、配送後に空になった輸入コンテナを輸出コンテナに転用するコンテナラウンドユース(CRU)に取り組んでいます。CRUが拡大していくと、空のコンテナ輸送が削減できるため、輸送時のCO2削減が図れるだけでなく、コンテナも確実に確保することができます。
これにより安定的な物流が確保されるようになりました。

バイオマス資材の導入

いすゞグループでは、海外組立工場向けKD出荷の包装資材にサトウキビ由来のバイオ原料を配合したバイオマス資材を導入しています。バイオマス資材は主原料となるサトウキビが成長の過程において光合成によりCO2を吸収するため、廃棄焼却時のCO2排出量が相殺されます。
2017年度から年間約900万枚と最も多く使用されるA4サイズのポリ袋を石化由来から植物由来へ切換し、CO2排出量を約7%削減しました。その後、他のサイズのポリ袋にも展開を進め、2023年度現在、全10サイズのポリ袋をバイオマス資材へ切り換えました。
その他にも2022年度からは、全16サイズの気泡緩衝材についてバイオ原料を約15%配合したバイオマス資材へ切り換え、CO2排出量を以前より約5%削減しています。2023年度現在では、バイオマス資材全体で年間約120tのCO2排出量を削減しています。
今後も引き続き、石油由来の包装資材から植物由来の包装資材への切り換えを推進し、包装資材のライフサイクル全体で温室効果ガス(GHG)ゼロを目指します。

バイオ気泡緩衝材
バイオ気泡緩衝材
(右がバイオ気泡緩衝材、左は従来の石油由来プラスチックから作られた気泡緩衝材)
環境に配慮した販売活動の推進

販売会社では事業活動全体を通して自分たちができる環境配慮を積極的に実施しています。新規に採用する社用車にはハイブリッド車など環境に配慮した車両の導入を行うとともに、クールビズ/ウォームビズなどの施策の実施や周辺清掃活動などを通し、自分たちにできる環境活動に継続して取り組んでいます。
また、営業所・サービスセンターにおけるCO2排出量削減、自動車リサイクル部品などのさらなる普及、廃棄物の適正管理推進などの取り組みを促進するため、環境対策に積極的に取り組み、かつ、関係法令などの遵守状況が良好な事業所を表彰する「環境に優しい自動車整備事業場」の認定取得を展開しています。2022年度には、新たに2拠点が支局長賞を受賞しました。

新規支局長賞受賞拠点
三重いすゞ自動車 上野営業所
三重いすゞ自動車 上野営業所
三重いすゞ自動車 南勢支店
三重いすゞ自動車 南勢支店
省燃費・安全運転講習会の開催

いすゞ製品のライフサイクルを考慮すると、CO2排出が最も多いのは製品(車両)使用時となります。
いすゞでは、車両を購入いただいたお客様に車両の走行性能に合わせた省燃費運転方法をお伝えするため、1995年から「省燃費・安全運転講習会」を国内外で開催しています。

過去3年間の開催実績
回数(回) 参加人数(人)
2022年度 65 885
2021年度 60 1,128
2020年度 54 884
省燃費・安全運転講習会の様子
省燃費・安全運転講習会の様子
お取引先様との取り組み

これまでいすゞは、「グリーン調達ガイドライン」にてお取引先様との取り組みの基本として、「環境活動セミナー」等のお取引先様の皆様の脱炭素に向けた活動を協働で継続してきました。また、2022年12月「いすゞサプライヤーサステナビリティガイドライン」を改定し、環境法令の遵守や温室効果ガスの排出削減についてのお願いを追加しました。お取引先様にはガイドラインの要請に準ずることの確認として同意書への署名をお願いしています。2022年度より新たにCDPのサプライチェーンプログラムに参画し、お取引先様の気候変動関連の取り組みや、GHG排出量の把握を進め、お取引先様との連携を強化しています。これからもサプライチェーン全体の脱炭素化に向けた取り組みを進めていきます。

タイにおけるカーボンニュートラルに向けた取り組み

カーボンニュートラルに向けた道筋は国や地域の状況や特性に応じたさまざまな方法があります。2023年4月、タイならではのカーボンニュートラルの取り組みを進めるために、いすゞは、Commercial Japan Partnership Technologies(以下、CJPT)とともに、Charoen Pokphand Group、Siam Cement Groupと、タイにおけるカーボンニュートラルの実現に向けた協業を進めていきます。
取り組みを始めるにあたり、カーボンニュートラルモビリティ試乗会を開催するなど、協業範囲を広げ、エネルギー、データ、モビリティの3領域で、タイの資源を活かし、タイならではのカーボンニュートラルへの取り組みを進めていきます。
また、アジアでのCJPTのカーボンニュートラルへの取り組みをさらに加速させるべく、必要な手続や準備が整い次第、タイに新会社「CJPT-Asia」(仮称)を設立し、カーボンニュートラル達成に向け、想いを共有する仲間と広く協力していきます。

試乗会の様子
試乗会の様子
タイにおける植林活動

タイで「ハピネス・グリーン・アース・プロジェクト」として開始した植林活動は2022年で10年目の活動となり、今回はいすゞグループ各社から372名が参加し、約2000本の植樹を行いました。また2022年からはタイ政府機関が定める温室効果ガス排出削減プログラムに登録し、カーボンクレジットの認証を受けることとなりました。この活動はESG視点経営におけるカーボンニュートラルの達成への寄与や、生物多様性の尊重など従業員の環境保全意識向上にもつながります。小さなことでも一歩ずつ、持続可能な社会の構築に貢献していきます。

タイ国における植林活動
タイ国における植林活動
タイ国における植林活動

ハピネス・グリーン・アース・プロジェクトの様子