消防士とはどのようなお仕事ですか?
消防士は、こまっている人を助ける仕事です。火事のときには火を消して人を助けたり、ケガをした人や病気の人のところへ行って助けたりします。みんなが安心して暮らせるように、街とそこに暮らす人たちを守るのが消防士の役目です。
どうして消防士になろうと思ったの?
子どものころ、座間の米軍基地のお祭りに家族で遊びに行って、そこでアメリカの消防士さんを間近で見たことがありました。その姿がとてもかっこよくて、あこがれたのがきっかけです。そのあと、大学生のときに東日本大震災が起きました。被災地の様子やそこで活動する消防隊員の姿を報道で見て、「助けられる側ではなく、助ける側になりたい」と強く思い、消防士を目指しました。
仕事をしていてやりがいを感じるのはどんなときですか?
大きな災害を仲間と力を合わせて乗りこえられたときは、強いやりがいを感じます。災害現場で失敗しないように、訓練ではたくさん挑戦して、ときには失敗もしながら、どうすれば良くなるかを考えています。実際の現場を想定して緊張感を持って取り組みながら、仲間とのコミュニケーションも楽しんでいます。訓練やトレーニングをくりかえすと体も心も強くなっていくのがわかって、そこがとても面白いですね。
消防士は、出動した時のためにきびしい訓練を重ねていますが、災害や事故は起こらない方がいいので、消防士が活躍しない日常が続くといいなと思います。でも例えば大きな台風がきて冠水しそうな場所があるとか、強い風で飛ばされてしまいそうな看板があるとか、そういったときに大きな事故になるまえに応急処置をしたりすることもあります。人の命を守ることはもちろんですが、みんなの毎日の生活がストップしてしまわないように、街全体を守るのも消防士の仕事なんですよ。
出動時はどんなことを考えていますか?
出動するときは、頭の中で地図を思いうかべて「どうすれば安全に早く現場に行けるか」を考えます。いつどこに行くことになってもいいように、街の地図はほとんど頭に入っているんです。通報の内容によって、どのような道を通っていくのかを決めてから出発します。ドキドキする気持ちもありますが、そういうときこそ冷静に、落ち着いて行動することを心がけています。
仕事で大変だと感じることは?どう乗りこえていますか?
つかれているときやねむいときでも、災害は待ってくれません。また、つらい現場を見たり悲しい状況に立ち会うこともあります。でも、家に帰れば大好きな妻と息子がいるので、家族のためにも元気でがんばりたいと思っています。当直で一日おきに会えない日があるので、一緒にすごせる時間を大切にしています。いま2歳の息子には「パパ、さわらないで」と言われてしまうほど(笑)。毎日が成長とイベントの連続で、こんなにも自分の子どもがかわいいとは思っていませんでした。
災害現場で安全を確保するための工夫は?
危険なことが起こらないように、あらかじめいろいろなことを想像して準備します。消防士はチームで動く仕事なので、仲間の気持ちを考えて、相手の立場に立って行動するようにしています。災害現場では、はっきりとした言葉でやりとりすることが大切ですが、それだけでなく相手の気持ちを感じ取って、先回りして動けるように意識しています。
訓練の中ではもちろんですが、休憩時間に雑談をしたり一緒にごはんを食べたりする中で、仲間との絆が深まっていきます。そうすると相手が得意なことや苦手なこと、行動パターンなんかが少しずつわかるようになっていくんです。それぞれが得意なことをやって、苦手なことは仲間にカバーしてもらって、みんなで力を合わせて災害現場の安全を守っています。
忘れられない災害現場はありますか?
とてもきびしい訓練とトレーニングを終えた直後に大きな火事が起きて、夜の22時に出動し、朝の4時まで放水活動を続けました。たくさんの家が燃えていて、どのくらいの被害なのかもわからない状況で、わたしともう1人の隊員とで一番最初に現場に行きました。あとから仲間たちがどんどん来てくれてみんなで力を合わせて乗りこえましたが、体も心もとても大変だったことを覚えています。
消防士さんにとって消防車や装備はどんな存在ですか?
消防車は、災害現場に連れて行ってくれる「相棒」のような存在です。災害現場に行かないと仕事ができないので、大切にあつかっています。車両の清掃も、毎日みんなでしているんですよ。出動する時に身につける装備は自分の命を守ってくれる大切なものです。体の一部のように大切にあつかい、訓練後もしっかり手入れをしています。
この消防車は「泡原液搬送車」というとてもめずらしい車両です。石油コンビナートなどで、大きな火災が起きた時に特別な消火剤をはこびます。