サステナビリティ

自動車リサイクル法への取り組み

いすゞ自動車の取り組み

使用済み自動車の多くは、部品や材料の資源として以前より再利用されてきましたが、残りはシュレッダーダスト(略称:ASR※1)として主に埋め立て処分されてきました。
しかし近年、最終処分場の逼迫やエアバッグ類・フロン類への対応のため、新たな仕組みを構築することが必要になり、2005年1月から自動車リサイクル法(正式名称「使用済自動車の再資源化等に関する法律」)が施行されています。

いすゞ自動車では、いすゞグループの総力を結集し、リサイクル技術の向上に積極的に取り組んでいます。
シュレッダーダストのリサイクルに関しては、国内自動車メーカー等によるパートナーシップ「ART(呼称:エイ・アール・ティー)※2」を結成し、そのスケールメリットを活かして、リサイクル率の目標値達成、処理コストの低減、業務の効率化を推進しています。また、エアバッグ類・フロン類のリサイクルに関しては、国内自動車メーカー及び輸入業者と共同で一般社団法人自動車再資源化協力機構を設立し、適正処理を行なっています。

使用済み自動車の環境課題は、日本のみならず欧州においても大きな社会問題です。いすゞ自動車は、今後も各国で施行されるリサイクルに関する法規制に的確に対処し、環境関連産業や各種業界と協力して、幅広い活動をグローバルな視点で展開していきます。

  1. ※1Automobile shredder residue(自動車シュレッダーダスト)の略。
  2. ※2Automobile shredder residue Recycling promotion Teamの略。
    いすゞ自動車、公益財団法人 自動車リサイクル促進センター、ジャガー・ランドローバー・ジャパン、スズキ、日産自動車、ボルボ・カー・ジャパン、マツダ、三菱自動車工業、三菱ふそうトラック・バス、メルセデス・ベンツ日本、FCAジャパン、SUBARU、UDトラックスの13法人で構成。

リサイクル料金について

自動車メーカー・輸入業者が行うシュレッダーダスト・エアバッグ類・フロン類のリサイクルに必要な費用は、リサイクル料金として自動車の所有者の皆様に負担していただき、資金管理法人※1が管理を行います。リサイクル料金は、自動車メーカー・輸入業者が設定・公表します。

  1. ※1自動車リサイクル法では、新たな制度の根幹となる公的な業務を行う指定法人を国が指定することになっており、現在(財)自動車リサイクル促進センター(資金管理法人・指定再資源化機関・情報管理センター)が指定されています
リサイクル料金の支払い方法について

リサイクル料金の預託は、原則として前払い方式が採用されました。これは、自動車が不法投棄された場合の環境負荷の大きさや収受コスト、負担感等を考慮したものです。

1. 新車購入時預託
新車購入時に新車ディーラーを通じてリサイクル料金を資金管理法人へ預託していただきます。預託を受けた新車ディーラーは自動車メーカー・輸入業者を経由して資金管理法人へ預託します。
2. 引取時預託
使用済自動車を引取業者に引渡す時に自治体に登録した引取業者を通じてリサイクル料金を資金管理法人へ預託していただきます。
リサイクル料金の設定の考え方
  1. 1お客様に分かりやすい料金体系にするため、車名・型式単位での料金設定を基本といたしました。
  2. 2シュレッダーダストの料金は、車名・型式毎のシュレッダーダストの重量により設定いたしました。
  3. 3エアバッグ類の料金は、エアバッグ及びシートベルトプリテンショナーの個数により設定いたしました。
  4. 4フロン類の料金は、フロン類の使用量により3つのクラス(乗用車から大型トラック、小型バス、大型バス)に分類し設定いたしました。
  • リサイクル料金の額に加え、国の認可を受けた資金管理料金・情報管理料金のお支払いが必要となります。(新車登録時420円、廃車時等540円)
  • 自動車リサイクル法対象外の架装物の処理費用はリサイクル料金に含まれておりません。
  • リサイクル料金は、各装備の有無、組合せ等により異なります。
  • シュレッダーダストの基準量の考え方についてはART日本自動車工業会のホームページをご覧ください。

事業者の方の関連情報

回収料金

エアバッグ類

【回収料金 / 車上作動委託料金】
車両当たり搭載個数※1 取外回収料金※3 車上作動処理委託料金※2
一括作動非搭載車 一括作動搭載車
1個 (D) 755円 755円
2個 (D+Pr) 930円 930円 1,660円
2個 (D+Pr) 大型観光バス 1,230円 930円 1,660円
2個 (D+P) 1,200円 1,200円 1,660円
4個 (D+P+Pr2) 1,500円 1,500円 1,660円
  1. ※1実際の支払いは、1台当たりの取外回収料金をエアバッグ類装備個数で割った金額を支払い単価とし、指定引取場所で引き取ったインフレータ等の個数を掛けた額を支払います。
  2. ※2車上作動処理を行うには、自動車メーカー等との委託契約が必要です。契約実務は自動車再資源化協力機構が窓口となります。 一部取外回収、一部車上作動処理の場合は、指定引取場所で引き取った個数に応じた取外回収個数料金と、装備個数から取外 回収個数を引いた個数に応じた車上作動処理委託料金を支払います。
  3. ※3D:運転席
    P:助手席
    Pr:シートベルトプリテンショナー(数字は2個以上の場合の個数)

フロン類

【回収料金】
車種クラス 乗用車等 小型バス 大型バス
フロン類回収料金 1,550円
(最低額 320円)
3,540円
(最低額 550円)
5,970円
(最低額 880円)
基準引取量 210g※1 720g※1 1,670g※1
  1. ※1改定日 2020年4月1日
  • 2009年10月1日より各車種に最低額が設定されます。
  • フロン類回収料金は、基準引取量以上の回収において定められた料金が支払われます。但し、基準引取量を下回った場合は、2009年10月1日より、引取量に応じて320~1,550円(乗用車等の場合)が支払われます。
運搬料金

エアバッグ類

  • 運搬料金の詳細内容は、自動車再資源化協力機構ホームページ内のPDFファイルをご覧ください。

フロン類

  • 運搬料金の詳細内容は、自動車再資源化協力機構ホームページ内のPDFファイルをご覧ください。
引取基準

エアバッグ類

  • 解体業者がエアバッグ類を指定引取場所に引き渡すときは、エアバッグ類の適正かつ確実な引取りのために自動車メーカー等が定める「引取基準」に適合する必要があります。
  • 取外回収・保管・運搬の各工程において安全を確保し、解体業者の利便性や社会的効率性を実現するため、「引取基準」を下記の通り設定します。
性状
  • 運転席、助手席等のエアバッグはインフレータ(ガス発生器)の状態で、シートベルトプリテンショナーはベルトを巻ききった状態で、車台から取り外されていること。
  • 電気式は電源線をショート(短絡)、機械式は安全装置を働かせた状態であること
荷姿
  • 1台分のエアバッグ類を指定された容器・袋に梱包の上、専用の回収ケースに収納して引き渡すこと
  • 上記の容器・袋には収納されたエアバッグ類の車台番号を記入した荷札を付けること
引取方法
  • 事前に申請された運搬方法でエアバッグ類を指定引取場所へ引き渡すこと
  • 電子マニフェスト制度による引渡報告が行われていること
  • 引取基準で定める「性状」「荷姿」「引取方法」に適合しない場合、原則として引取拒否となり、エアバッグ類回収料金は支払われませんのでご注意ください。
  • 引取基準の詳細内容は、自動車再資源化協力機構ホームページ内のPDFファイルをご覧ください。

フロン類

  • フロン回収業者がフロン類を指定引取場所に引き渡すときは、フロン類の適正かつ確実な引取りのために自動車メーカー等が定める「引取基準」に適合する必要があります。
  • 回収・保管・運搬の各工程において安全を確保し、フロン類回収業者の利便性や社会的効率性を実現するため、「引取基準」を下記の通り設定します。
性状
  • ボンベに充てんされているフロン類がCFC・HFCのいずれか一方のみであること
荷姿
  • 高圧ガス保安法に適合した30リットル以下の大型ボンベで、または1リットルボンベの場合には専用パレットに収納された状態で引き渡すこと
  • 自動車フロン類引渡状が大型ボンベ・専用パレットごとに添付されていること
引取方法
  • 事前に申請された運搬方法でフロン類を指定引取場所へ引き渡すこと
  • 電子マニフェスト制度による引渡報告が行われていること
  • 引取基準で定める「性状」「荷姿」「引取方法」に適合しない場合、原則として引取拒否となり、フロン類回収料金は支払われませんのでご注意ください。
  • 引取基準の詳細内容は、自動車再資源化協力機構ホームページ内のPDFファイルをご覧ください。

ASR引取基準

  • 破砕業者がシュレッダーダストを指定引取場所に引き渡すときは、シュレッダーダストの適正かつ確実な引取りのために自動車メーカー等が定める「引取基準」に適合する必要があります。
  • 指定引取場所の詳細内容は、ARTのホームページをご覧ください。
指定引取場所

エアバッグ類

  • 自動車メーカー等が回収ケースを引き取る指定引取場所については、解体業者の利便性と社会効率性を踏まえて自動車メーカー等が指定します。
  • 解体業者の利便性と社会効率性を踏まえ、全国に指定引取場所を設置しています。

フロン類

  • 自動車メーカー等が大型ボンベ・専用パレットを引き取る指定引取場所については、フロン類回収業者の利便性と社会効率性を踏まえて自動車メーカー等が指定します。
  • 回収業者の利便性と社会効率性を踏まえ、全国に指定引取場所を設置しています。

ASR

  • 指定引取場所をASR再資源化施設等そのものとし、ARTが破砕業者ごとに指定します。
  • 指定引取場所の詳細内容は、ARTのホームページをご覧ください。

自動車リサイクル法に基づく再資源化等の実績

いすゞ自動車株式会社は、自動車リサイクル法(正式名称「使用済自動車の再資源化等に関する法律」)に基づき、指定3品目(ASR、エアバッグ類、フロン類)の再資源化等の業務を実施しており、その実施状況等を公表しています。

2022年度(2022年4月1日~2023年3月31日)実績

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