ISUZU

THE 45TH TOKYO MOTOR SHOW 2019

Top Message トップメッセージ

代表取締役社長 片山 正則

みなさん、こんにちは。いすゞ自動車の片山です。本日はいすゞブースへお越しいただき、ありがとうございます。
わたくしどもいすゞ自動車は、「運ぶ」を支えることを企業理念におき、日本をはじめ世界各国・地域の「運ぶ」を支えながら皆様とともに歩んでまいりました。
今、われわれを取り巻く環境は、大きな変革期を迎えております。変化の時代の中で、いすゞがこれから先も社会とともに持続可能な成長をしていくために、「いすゞだからできる」社会的価値を創り出していく必要があります。
昨年5月に発表した中期経営計画の中で、国連が定めるSDGsを踏まえ、事業を通じて解決したい5つの重要課題を定めました。これらの課題に取り組み、社会的価値を創造していくためには、社会やお客様とともに、新たなソリューションを創り出していくことが大切だと考えております。

ISUZU SOCIAL PENTAGON
A.物流業界の生産性向上(労働人口減少) B.物流の整流化(交通事故・渋滞問題の解消) C.災害時・有事における生活環境維持 D.地球環境問題解消と経済発展の維持(CO2、排出ガス) E.新興国の経済成長(貧困問題の解消)

これらのソリューションが、人々の生活や社会の生産活動を支え、豊かな暮らし、社会づくりに貢献していく、という想いを込め、東京モーターショー2019(にせんじゅうきゅう)のテーマを

Create with you. これからも「運ぶ」を支えるために

と致しました。
本日、ここ東京モーターショーで、これらの重要課題を解決していくための具体的な取り組みの一部をご紹介させていただきます。
近年、特に日本において、荷物の取扱量が増えていく一方で、高齢化、労働人口の減少により、物流の担い手の不足が深刻な問題となっております。お客様とともに「物流業界の生産性向上」に取り組んでいくことは、われわれいすゞ自動車の重要な課題であります。
また、トラックやバスによる事故は、ひとたび発生すると被害がより大きくなる恐れがあることから、「安全」への責任が非常に大きいと認識しております。「運ぶ」を支えるわれわれにとって、「安全」に人や物を運ぶことは最も優先されるべき課題であり、事故の発生を抑え、また事故が発生した場合にその被害をできるかぎり軽減するため、先進安全技術の開発に取り組んでおります。
本日初めて披露させていただきます新型「ギガ」には、短距離ミリ波レーダーで交差点や車線変更時の安全確認を支援するブラインドスポットモニター(BSM)や、歩行者や自転車も検知するプリクラッシュブレーキなど、ドライバーの安全運転を支援する機能を新たに装備しております。
安全装備の強化に加え、ハイルーフキャブの採用や乗り心地を大幅に向上するなど、より快適な運転環境を実現しました。ドライバーの方々の働く環境改善に貢献する新型「ギガ」の市場投入に向け、開発を進めております。
続いて、ドライバーの方々の新しい働き方とそれを支える物流システムや将来技術を結集したショーモデル「FL-IR (エフエル アイアール)」をご紹介いたします。レベル4の自動運転と後続無人隊列走行による安全で、高効率な輸送、コネクテッド技術によるスムーズな輸送など、先進技術を活用したこれからの輸送を表現致しました。ショーモデルで提案する技術は、2025年以降の実現を目指しております。
また、いすゞ自動車は地球環境に対して負荷をかけない商品やサービスを提供します。わたくしどもは、長きにわたりディーゼルエンジンの開発に携わり、「運ぶ」を支えてまいりました。高効率なクリーンディーゼルはもとより、地球環境にやさしいCNG、LNGなどの天然ガスエンジンの開発。さらには、電力を動力源とするトラックの実用化を目指して「エルフEV」のモニタリングを開始しております。

今回初めて公開する「エルフEVウォークスルーバン」は、EVの特性を生かし、運転席と荷室を一体とし、ドライバーの方々の負担を軽減しながら効率的な配送を可能とする新たな商用車の姿を現したものです。いすゞ自動車は、商用車ならではのEVをお客様とともにつくり込み、2020年代前半での実用化を目指します。
コネクテッドの領域については、2004年から、リアルタイムの運行管理を手軽に実現するシステム「みまもりくんオンライン」の運用を続けてまいりました。2015年からは、蓄積してきた車両のビッグデータを活用した高度純正整備「PREISM(プレイズム)」を開始しました。小型トラック「エルフ」では、今年からPREISMスマホアプリでのサービスを開始しており、ドライバーの方々が離れた場所からでも手軽に車とつながることが可能となっております。昼夜を問わず稼働するトラックを常時モニタリングし、ダウンタイムや整備時間の短縮、ドライバーの方々の負荷を低減することで、はたらく車の安心稼働を支えております。
RFID物流管理や架装物の遠隔モニタリングなど新たなサービスの実用化を2020年度から順次めざしてまいります。いすゞは、「運ぶ」を支えるコネクテッド技術を追及し、「物流業界の生産性向上」に貢献するとともに災害時においても生活の基盤を維持するための車やサービスの提供に取り組んでまいります。
また、われわれが事業を展開するさまざまな国や地域のニーズに即した車・サービスを提供し、経済成長の一助となって、その実現をめざしてまいります。
今年は、いすゞの主力商品である小型トラック「エルフ」の誕生60周年という節目にあたります。昭和に誕生したエルフは、お客様のニーズにあわせ、時代の変化の中で生まれ変わりながら、平成を歩み、令和を迎えました。
新たな時代の中、いすゞだからこそできる、社会課題の解決に向け、「人々の生活環境、社会の生産活動を支えるCV・LCVとパワートレインのエクセレントカンパニーとして、広く愛される会社」を、皆様とともにめざしてまいります。今後ともよろしくお願い致します。ご静聴ありがとうございました。