株式会社岡田商運
社員と地域と共に物流の未来を切り拓く
株式会社岡田商運は、岡田商事の運送部門から独立するかたちで2000年に創業。以来、社員が安心して働ける職場、仕事に誇りを持てる会社をめざして、社員ファーストの経営を実践してきた。昨年10月には、岡山市内に新社屋と第4物流センターが完成。組織力を活かした新しい物流ソリューションを創出し、お客様に提供していく方針である。
※掲載内容は2024年12月1日紙面掲載時点のものとなります

長距離輸送を得意とする成長著しい総合物流企業
岡山市に本拠を構える株式会社岡田商運は、現社長の岡田好美氏が、前職の岡田商事の運送部門から独立するかたちで2000年に創業。長距離輸送を主体とする運送事業を軸としながら倉庫事業にも進出し、県内外に営業拠点を増やしてきた。

今回、取材に応じていただいた専務取締役の岡田利生氏は、2002年に同社に入社され、ドライバー勤務を経て、配車係、安全管理、営業職を務めてきたそうだ。30歳を過ぎた頃、岡田専務は財務分析の重要性に気づく。これが転機となり、同社は従来の丼勘定から脱却し、数字に基づいた経営へシフト。車両1台当たりのコストを精緻に分析すると共に、各営業所の収支を明確にすることで財務体質を健全化。コスト管理の徹底、運賃設定の適正化も図られ、収益を大幅に改善した。これにより、安定的な運営基盤が確立され、さらに顧客のニーズに応じたサービスが提供可能になったという。また、財務情報をフルオープンにする「ガラス張りの経営」を実践しており、社員も会社の経営状態を把握した上で、改善に協力する企業文化が根づいている。現在は輸送事業部、倉庫事業部、物流情報事業部を事業の柱とし、全国16カ所に営業所を開設する中で、安全安心を第一に高品質な物流サービスを提供している。

- 会社名
- 株式会社岡田商運
- 所在地
- 〒702-8005
岡山県岡山市中区江崎393
- 設立年月日
- 2000年2月
- 代表者
- 代表取締役 岡田 好美
- 従業員数
- 約380名
- 保有車両台数
- 約320台(2024年12月)
さらに岡田専務は、創業25周年を迎える、この年を躍進の年として位置づけているという。と言うのも、昨年10月、岡山市内に新社屋及び新物流センター(4棟目)が完成。鉄骨2階建ての第4物流センターは、延べ床面積14,000平方メートルあまりで、県内の物流施設としては最大規模を誇る。東西へのアクセスにも優れ、長距離輸送における中継拠点としての需要も見込んでいるという。また物流センター近くの営業拠点は、流通加工に対応できるため、商品の入庫から保管、出荷までワンストップで物流サービスが提供できるとのこと。昨年から本格稼働した物流センターは、すでに1日50台以上の車両が入出荷で出入りしているという。


また同社は、恒例のスローガンとなる今年の漢字を“決”とした。これは、未来を切り拓く「決意」、お客様への「決して変わらぬ信頼」、社員一人ひとりの挑戦する「決断」、そして挑戦を形にする「決行」という想いと意気込みが表されている。
ニッチな物流サービスと質の高い社員が強み
同社の運行エリアは、東は仙台、西は福岡・鳥栖・熊本までと広範囲に及ぶ。約600社の顧客を持ち、食品、飲料、生活雑貨、化成品など多様な品目を取り扱っている。
運行形態はチャーター便のほか、独自の路線便として「OkaSyoロット便」を運行。1パレット・1トン単位での混載輸送で、顧客の多様な物流ニーズに応えている。西山常務は、こうしたニッチ戦略による物流サービスが自社の強みだと話す。

西山 大洋 氏
「小ロットでも速く、低コストで商品を運べる『OkaSyoロット便』は多くのお客様に好評です。物流を支える信頼の物流サービスとして、さらなる需要増大が見込まれています」

同社の強みはもう一つある。それは、ドライバーを含む社員一人ひとりの質の高さだ。社員のマナーの良さも評判で、顧客などからのクレームが極めて少ないという。

中西 勝 氏
「当社は、積極的に業界未経験者を雇用し、継続的にドライバーを教育。デジタコ・ドラレコのデータや運転適性検査器(運転シミュレーター)などを効果的に活用して指導しています」
と語られたのは輸送事業部労務課の中西課長。同社では、法令遵守を基本にドライバーの負担にならない運行体制を構築。多くの車両を保有することで、無理のない配車を実現している。
SNSでつながり地域ともつながる

小林 綾花 さん
同社の社員は、30~40代が中心で離職者が少ない。募集をかければ毎回50名以上の応募がくるという。その秘訣を岡田専務にお尋ねしたところ、2年前に広報部門を設け、SNS(InstagramやYouTube、TikTok等)を活用して会社の魅力を発信しているのだという。その効果は抜群で「SNSを見た」と言う若い人や他業種からの応募が後を絶たないそうだ。管理部広報課の小林主任は、こうした広報活動が社内情報の共有化、結束力の強化にもつながっていると話す。ちなみに、最も再生回数が多かったのは、社長自らが社内のバーベキュー大会のためにスーパーマーケットで買い出しをする動画で、再生回数23万回を超えたそうだ。
その他にも、同社の25期という節目に、もっと物流業界を若い世代に知ってもらおうと、大型看板のデザインを県内の学生に募集したそうだ。また、本社敷地で行われる「OkaSyo春祭り(今年5回目)」は、県内外から1万人以上が来場する盛況ぶりで、多くの地域の人々に親しまれている。さらに自治体、民間団体などの要望に応えて、地域や活動をPRするラッピングトラック(20台)も運行。地域貢献活動の一環として無償で協力しているという。



車両は320台保有しており、輸送品質を保つため4年サイクルで代替えしているそうで、最近は、いすゞ車が増えているという。いすゞ車の充実した安全装備、耐久性の高さ、いすゞ自動車中国四国の迅速な対応に大変満足されているとのこと。
社員ファーストが最大の経営戦略
昨年、業界で話題になった「2024年問題」は、むしろ追い風になったと話す岡田専務。業界の悪しき慣習が払拭され、大きな変化の中に新たなビジネスチャンスが潜んでいるからだという。一方で、燃料価格の高騰、インフレに伴う様々なコスト増が懸念されるところだが、これからも社員ファーストであることに変わりはないという。

岡田 利生 氏
「当社は昨年10月に第26期経営方針を策定しました。その中で打ち出したのは『人を大切にする経営』。社員にとって働きやすい職場環境を整備し、同時に組織力を活かして新しい物流ソリューションの創出に注力することを掲げました。当社が事業規模の拡大をめざす理由は明確で、社員の暮らしを豊かにしたいから。社員と地域あっての当社、これからも感謝の気持ちを忘れず、社員と一丸となって、新たな物流サービスをお客様に提供していく所存です」
と最後に笑顔で語られた岡田専務。利益よりも人を優先し、社員の働きがいを最大化する同社の経営哲学は、現代のビジネス環境において大きな成果を上げようとしている。
- 充実した福利厚生制度


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