高尾運輸興業株式会社

顧客のビジネスに貢献し地域産業の発展に寄与する

創業から60余年、大阪府枚方市に本拠を構え、鋼材輸送のエキスパートとして事業を展開してきた高尾運輸興業株式会社。若くして3代目社長に就任された中尾一也氏は、長年にわたって培ってきた鋼材輸送のノウハウを活かし、顧客のビジネスに貢献。地域産業の発展に寄与すると意気込みをみせる。
※掲載内容は2024年4月1日取材時点のものとなります

3代目社長が指揮を執る鋼材輸送のエキスパート

大阪府の北河内地域、京阪間のベッドタウンとして発展してきた枚方市に本拠を構える高尾運輸興業株式会社。創業から60余年の実績を持つ鋼材輸送のエキスパートだ。

本社(大阪府枚方市)

一方、主要荷主は、鉄筋(鉄筋コンクリート用棒鋼)の製造・販売量において国内トップシェアを誇る共英製鋼株式会社(本社:大阪市北区)である。共英製鋼は、ビルやマンション、頑健な土木建築物などの建設に欠かせない鉄筋をはじめ、平鋼や等辺山形鋼など充実した製品をラインナップ。国内の鉄筋需要の約7割が集中する国内4カ所(関東、中部、関西、中国・九州エリア)の生産拠点で鋼材を生産、販売し、地域の社会基盤を支えている。なお原料は地域で発生した鉄スクラップを再利用。共英製鋼は、鉄製品のスクラップ&ビルドというサイクルを担う電炉メーカーであり、資源再生と環境保全に貢献している。

荷主である共英製鋼は鉄筋の国内シェアNo.1

地域で発生した鉄スクラップが電炉で鉄筋コンクリート用棒鋼(鉄筋)などに再生され、関西・中部エリアの建設現場や金属加工メーカーへ供給される。地域で発生した鉄スクラップが電炉で鉄筋コンクリート用棒鋼(鉄筋)などに再生され、関西・中部エリアの建設現場や金属加工メーカーへ供給される。

ちなみに社名は、共英製鋼の創業者である高島氏の「高」と、高尾運輸興業の創業者である中尾の「尾」を合わせて「高尾」としたのだという。両社の良好な取引関係は半世紀を超えている。

現在、同社は本社と和歌山営業所の2拠点体制で事業を展開。和歌山営業所は、構造物の基礎として様々な分野で使用されるH形鋼を専門に輸送している。さらに先々代の時代から、鋼材を切断加工した切板や、一部ベルトコンベヤ設備(協力会社に依頼)の輸送も手がけているという。輸送エリアは、いずれも関西・中部エリアが多く、すべてセミトレーラによって運ばれている。

会社概要
代表取締役 中尾 一也 氏
会社名
高尾運輸興業株式会社
所在地
大阪府枚方市池之宮4丁目7-21
設立年月日
1960年9月6日
代表者
代表取締役 中尾 一也
従業員数
55名
保有車両台数
45台/トレーラ71台

代表取締役を務める中尾一也氏は同社の3代目である。物流会社での勤務を経て同社に入社したのが25歳のとき。約1年間ドライバーとして現場経験を積んだ後、3年間経理部門で基本的なマネジメント力を身につけたという。そして、中尾社長が29歳のときに事態が急変する。闘病生活を続けられていた先代社長が逝去され、入社4年目で社長に就任することになったのだ。中尾社長は、当時の心境について次のように語られた。

中尾社長の社長就任祝いに社員たちから贈られたオリジナルの置き時計(クリスタル製)

「覚悟はしていましたが、できればもう少し父と一緒に仕事をしたかったですね。そんなとき一つ嬉しい出来事がありました。それは、社員たちが社長就任を記念してオリジナルの置き時計(クリスタル製)を贈ってくれたんです。若い社長を応援しようという社員たちの気持ちに、とても勇気づけられました。そして、この社員たちの期待にしっかり応えられる経営者になろうと思いました」

年間25万トン以上の鋼材を安全確実に運搬

同社の主な積荷である鉄筋の輸送行程は、通常午前中に共英製鋼の枚方営業所で積み込んで日中に配送するが、宵積みして午前4~5時に出発して、早朝8~9時に届けることもあるという。納品先は建設現場や金属加工メーカー(累計約1,000カ所)である。年間に25万トン以上の鋼材を運搬しているそうだ。

車両の運行管理に「MIMAMORI」を活用

運行管理には、いすゞの「MIMAMORI」も活用しており、動態管理で定期的に車両位置を確認。車両の運行状況に応じて、予備のトレーラに鋼材を積付けしておくなど、荷待ち時間を最小限に留めている。また「MIMAMORI」は、ドライバーの拘束時間の管理、安全運転指導に役立っているとのこと。さらに「車両コンディション自己診断機能」を活用して、運行中の路上故障を未然に防止。車両の安定稼働につながっているそうだ。

鋼材の荷役作業中はエアバッグ付きライフジャケットを着用している。

また同社では、3年前から社員にエアバッグ付きライフジャケットの着用(会社支給)をルール化しており、作業中の転落事故などによるケガ防止に努めている。

顧客のビジネスに貢献できる人材づくり

社長に就任して今年で4年目を迎えた中尾社長。つねに考えていることは、輸送サービスを提供する中で顧客のビジネスに貢献することだという。

「どんなに高品質な鋼材も、当社が安全確実にお届けできなければ、後々売上機会を失ってしまうかもしれません。当社もお客様のビジネスの一端を担っているということを自覚し、付加価値の高い輸送サービスを提供していきたいと考えています。多くの製品がたくさん売れて出荷量が増えても、しっかり対応できるように努めてまいります」

こうした考えを社員一人ひとりに浸透させるため、中尾社長は、あらためて法令遵守を仕事の原則として社員に指導しているそうだ。具体的には、車両の仕様で法令違反と疑われるところを徹底して是正。また社会人として節度ある行動を心がけるようにドライバーのマナーにも気を配っている。中尾社長は、現場のリーダーが集まる班長会にも必ず出席し、会社の決定事項や注意事項を伝えると共に、何か問題点がないか現場の声にも耳を傾けているという。

もともとベテランドライバーが多く、親子や親族で勤務する社員も在籍しているという同社。驚くことに、今までほとんど求人募集をかけたことがないそうだ。ほぼドライバーの紹介で採用しているとのこと。

「当社は比較的給与水準が高く、また昔からアットホームな職場なので辞める人が少ないですね。しかも、みんな真面目で誠実です。これが当社の強みなのだと思います。日々の業務をきちんとやり遂げ、継続していくことが大事ですから」

と語られた中尾社長は、社員の福利厚生も非常に手厚い。特に健康面では、全社員を対象に治療費や入院費が全額補償される労災保険の「上乗せ保険」に加入。加えて定期健康診断では「線虫がん検査N-NOSE」も受診させている。もちろん、費用はすべて会社負担である。

信頼できる車両で顧客ニーズに応える

同社でいすゞ車が導入されるようになったのは10数年前からだという。現在は全車両中の半分はギガトラクタだ。安定したトルク特性によるスムースな走り、操作しやすく滑らかに発進できる「スムーサーGx」に加え、安全運行を支えてくれる「MIMAMORI」も非常に好評である。数年前からは、車検整備もいすゞ自動車近畿に依頼しているそうだ。

大型トラックギガトラクタ 6×4

「車両は、お客様の製品を運ぶ重要な道具ですから、信頼できる車両を選びたいと考えています。いすゞ自動車近畿さんは、いろいろと相談に乗ってくれますし、アフターサービスについても安心してお任せしています。そこが、いすゞ車が増えた理由ではないでしょうか」

と最後に笑顔で語られた中尾社長。長年にわたって培ってきた鋼材輸送のノウハウを活かし、つねにベストなコンディションで車両を取り揃え、顧客の輸送ニーズに応えていきたいという。これからも同社は鋼材輸送のエキスパートとして、顧客と共に地域産業の発展に寄与し続けていくことだろう。

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