ヒカリ産業株式会社

創業50周年を迎え将来を見据えた事業活動で躍進する。

ヒカリ産業株式会社を中核とするヒカリグループは、人材確保・育成に努める中で事業を拡大し、昨年は、大阪府寝屋川市に大阪物流センターを竣工。
今年で創業50周年を迎える同社は、グループの経営基盤強化に努めると共に、
時代の変化に柔軟に対応できる人材と組織づくりを進めていく方針である。

ヒカリグループで念願の売上100億円達成

西大寺物流センター
西大寺物流センター(岡山市)

ヒカリ産業株式会社が岡山市東部の西大寺地区に、3温度帯対応、24時間365日体制の西大寺物流センターをオープンさせたのは2004年10月のこと。当時、県内最大規模を誇る最新鋭の物流センターが開設されたということで、大いに注目を集めた。これを機に同社は新たな顧客を多数獲得。総合物流企業として飛躍的に業績を伸ばしていく。また、その後も同業のグループ企業である(株)フレッシュ物流や、(株)ハップと協業しながら積極的に設備投資を実行。顧客ニーズを先取りし、事業所や倉庫施設を増強してきた。直近の2021年9月には、過去最大の投資案件となる大阪物流センターを大阪府寝屋川市に開設(地上6階、延床面積12,000㎡、敷地:約6,500㎡)。主に冷凍食品や外食チェーンの食材などを保管している。現在、同グループが取り扱う積荷は、食品、青果、飲料水、酒類のほか、木材や建設資材、コンクリート製品、家具、事務用品など多岐にわたる。岡山を中心に、西は九州、東は関西、関東エリアを網羅する輸配送体制を構築している。

大阪物流センター
2021年9月に開設した大阪物流センター(大阪府寝屋川市)

ヒカリグループは、食品を中心とした3PLサービスを提供することを業務の中核とし、物流業務の効率化、小口配送への対応、物流コストの削減に貢献している。自社の物流センターで、様々な備品や食品を保管し、発注に応じてピッキングして、スーパーや外食チェーンの各店舗へ納入する。荷主は、包括的に物流業務全般を任せることができ、配送先の店舗は、発注や受け取りの手間を大幅に削減することができる。

3温度帯の共同配送を展開(西大寺物流センター)

物流事業以外では、自動販売機の設置・管理事業を営むヒカリエンタープライズ(株)、人材サービス事業の(株)must be、保険代理店の(株)ヒカリ保険サービスによってヒカリグループを形成。今日までヒカリグループを率いてきた長田義光氏は、2018年11月に(株)ヒカリホールディングスを設立し、代表取締役会長に就任。グループ各社を傘下に収め、経営の効率化、各事業のリスク分散、経営資源の集中投下などを推進。企業価値の向上、安定成長に努め、2019年度には、ヒカリグループの売上高100億円を達成した。

HIKARI GROUP
会社概要
代表取締役会長 長田 義光 氏
株式会社ヒカリホールディングス
代表取締役会長 長田 義光 氏
会社名
株式会社ヒカリホールディングス
所在地
岡山県岡山市北区柳町1-4-8
代表者
代表取締役会長 長田 義光
会社名
ヒカリ産業株式会社
所在地
岡山県岡山市東区西大寺浜460
代表者
取締役社長 長田 和明
創業年月
1972年4月
従業員数
1,104名(グループ含む)
保有車両台数
284台(グループ含む)
昨年12月に導入された大型トラックギガ

「出会いと和」を大切に経営を実践

今もグループの代表として、各事業の牽引役を務められている長田会長。社是である「出会いと和」を念頭に経営を実践してきたことが、今日の発展の礎となったと語られた。

彫刻家、流政之氏から譲り受けた彫刻作品。
テーマは、同社の社是と同じ「出会いと和」。

「脱サラして夫婦で始めた牛乳配達。あれから50年、総合物流企業をめざしてきましたが、私がつねに大切にしてきたことは、人との出会い、そして人の和。創業時から朝礼で社是を従業員と唱和すると共に、仕事に関わるすべての人との良好なリレーションシップづくりに努めてきました。これからもヒカリグループは、チャレンジ精神を忘れず、お客様と共に成長していけるように、人々との出会いと交流を大切に、事業を邁進していきたいと思います」

また、ヒカリ産業の取締役社長を務める長田和明氏は、グループの事業戦略について、次のように語られた。

「24時間対応できる物流センターを運営していることがグループの強み。お客様の多様なニーズにお応えすることができますからね。付加価値の高い物流サービスを提供することで、多くのお客様と継続的にお取引させていただいています。お客様の方からご相談される案件も多く、その都度、協議して業務内容を改善しています」

人材確保・育成に努め働きやすい職場をつくる

また、ヒカリグループでは、創業時から人材確保・育成に経営資源を集中的に投じてきたという。なぜなら、事業を拡大していくには質の高い人材が欠かせないからだ。長田会長は、事業拡大のタイミングを逃さないために、日頃から人材が集まり、長く働き続けられる職場づくりに注力してきたという。さらに、人材育成のスピードが重要なファクターだと語られた。

「そもそも、経営者と従業員は、同じテンションやモチベーションで働いていませんから、まず、福利厚生を充実させ、働きやすい職場づくりをめざしました。その上で、継続的に従業員教育に努め、専門性を持った物流マンやプロ意識の高いドライバーを育成しました。また、事業を分散し、幹部やリーダーに一定の権限を委譲。状況に応じて臨機応変に、現場で迅速に判断が下せる組織をつくりました。私が不在でも、的確に業務を遂行できることが重要なのです」

全社員と情報を共有化するため社内報を発行

こうした人材戦略が功を奏し、現在ヒカリグループの従業員は1,000人を超えている。もちろん、従業員の離職率も非常に低い。特にドライバーの離職率が低い理由のひとつは、比較的勤務時間が規則正しく、ライフスタイルに応じた勤務形態を選択できるところだという。一方で、倉庫作業なら70歳くらいまで働けるなど、高齢従業員の雇用にも配慮している。年1回、発行する社内報では、会社の現状や今後の経営方針、目標を従業員に伝えることで意思統一を図り、組織力を高めているという。また長田会長は、現場の声を経営に反映させるため、年2回、女性従業員との昼食会を実施している。そこで、職場で気づいたこと、改善してほしいことなどを聞き取り、漏らさず各事業所の幹部に伝え、業務改善に役立てているとのこと。つねに、良い方向へ経営の舵を切れる企業風土が醸成されている。福利厚生の面では、長時間労働の是正はもちろん、年間休日数を増加。さらに、退職金制度(勤続5年以上)を設けると共に、労働保険(労災・雇用)に加え、生命保険にも加入。従業員が災害や事故、病気で亡くなった場合は、遺族に全額保険金が支払われる仕組みだ。その他にも祝金制度(家族の結婚・出産・入学・卒業)などが従業員に好評だという。各施設については、毎日就業前に全従業員で清掃を行い、働きやすい職場環境を維持することに努めている。

職場の安全が最優先事項

ヒカリグループには、もうひとつ優先事項がある。それは従業員と、その家族の幸せの根幹となる安全対策だ。ヒカリ産業の常務取締役、長田和也氏は、近年事故が減少傾向にあると話す。

「運輸安全マネジメントに基づく指導や教育に熱心に取り組んできたこともあり、安全ルールを厳守する精神が従業員一人ひとりに浸透しています。またグループでは、10年前から車両の代替サイクルを7~8年に短縮。路上故障を起因とする交通事故防止に取り組んでいます。特にいすゞ車は、安全性能にすぐれ、故障の予兆も検知してくれるので、保有台数が増えています」

時代の変化に柔軟に対応できる人材と組織を

ヒカリグループは、今年創業50周年を迎える。当面は、グループ売上高150億円、従業員数1,500人を目標に事業に邁進していくという。また同時に、SDGs(持続可能な開発目標)の視点で、地域・社会貢献活動にも取り組んでいく方針を打ち出している。

代表取締役会長 長田 義光 氏
株式会社ヒカリホールディングス
代表取締役会長 長田 義光 氏

「コロナ禍という厳しい経営環境に置かれていますが、幸いにもグループの売上高は落ちていません。先行きが見えない状況ですが、創業50周年という節目を新たなスタート地点として捉え、グループの経営基盤強化に努めると共に、時代の変化に柔軟に対応できる人材と組織づくりを進めていきたいと考えています」

と最後に今後の展望について語られた長田会長。大型拠点となる大阪物流センターも順調に稼働し、貨物輸送量の多い近畿エリアで、さらなる事業拡大が見込まれるヒカリグループ。これからもヒカリグループは「出会いと和」の精神を持って、難局を乗り越え、新規事業にチャレンジし続けていくことだろう。

ヒカリグループは、地域・社会貢献活動の一環としてプロサッカーチーム「ファジアーノ岡山FC」、プロバスケットチーム「トライフープ岡山」のオフィシャルスポンサーを務めている。また、2002年2月に設立したAWPSでは「チャリティー自動販売機」を設置し、フィリピンのストリートチルドレンの学費支援を現在も継続中。さらに、災害時には、被災地へ飲料水や食品を輸送できる体制を構築している。

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