最強の会社の戦術は独壇場に立つこと
水郷として知られる福岡県柳川市を拠点とする株式会社柳川合同は、九州、関西、関東に営業所を設ける総合物流企業だ。1954年に柳川地区の運送会社が集って設立し、2002年に現在の社名へ変更。同時に代表取締役に就任した荒巻哲也氏は、当時をこう振り返る。
「創立100年後に最強最優の会社になることを目標にしました。物流会社として最も強く、そこで働く人は最も優れ、最も優しいという意味を込めています」もちろん、はじめから最強の会社だったわけではない。2006年には売り上げの4分の1を失う危機に見舞われ、役員も総出で営業に駆け回ったそうだ。転機は2009年、自社倉庫を構えた時だ。
「保管事業と輸送事業の二軸で、家具の仕入れからリペア、不良在庫の処理、廃棄処理まで、ほとんどの業務を一貫して行なっています。家具輸送では大手に負けないと自負しています」 家具の産地、大川市に近接しながら家具輸送では後発だったものの、今では家具が輸送品目の約20%を占めるという。続いて、松下政経塾で経営について学んだ荒巻代表は、同社の戦略と戦術について語られた。
「家具輸送の競合は九州から関西、せいぜい関東までしか行きません。そこで東北地方に進出しました。また、平ボディで長距離を走る会社は少ない。なので平ボディで産業機械の長距離輸送を行なっています」同社にとって、運ぶことがブレない戦略だとしたら、大手と同じ土俵に立たないことが戦術ということだ。
- 会社名
- 株式会社柳川合同
- 所在地
- 福岡県柳川市西浜武475-2
- 設立年月日
- 1954年4月
- 代表者
- 代表取締役 荒巻 哲也
- 従業員数
- 416名(グループ計)
- 保有車両台数
- 236台
最優の会社は心を込めて心を運ぶ
最優の会社の思いは、「心運」という言葉に込められている。お客様の商品を心を込めて運ぶ、お客様の心を運ぶという意味だ。同社の人材育成について、荒巻代表はこう語る。
「運送業はトラックの大きさも決まっているし、その中でどう差別化するか。一番は信頼性です。人が最終的に会社の力になる。この人なら頼んでも大丈夫だという雰囲気の会社にしていきたい」
こうした経営理念が理解されたこともあり、口コミで家電メーカーの仕事を受注したそうだ。今ではほとんどの家電メーカーの配送を手掛け、家具に次ぐ輸送品目に成長した。家電の共同配送では福岡地域でナンバーワンだという。
人を大切にする社風は、福利厚生に顕著だ。「寝食を共にすると言っても、さすがに一緒に寝るのは難しいので(笑)。昼飯でも食おうかと、月一回カレーの日を始めました。毎週月曜日は弁当を支給したり、部署毎にお菓子を置いたりしています」
また、ソフトボール大会やマラソン大会などを定期的に開催。仮に仕事で衝突があっても、こうしたイベントで解消されていくそうだ。
「あいつ仕事できないけど、走るの早いねとか(笑)。社員が活躍できる場所をたくさん作ってあげています」
ところが、福利厚生だけでは人は集まらない、あくまで基本は給与だとも語る。ドライバーが同じ労働時間でなるべく多く稼げることを理想としている。
プレイズムも営業・ サービスという人ありき
「トラックの性能が各社ほとんど変わらない中で、新しいサービスをよく始めてくれたという印象です」
プレイズム車両を初めて導入した時のことを、荒巻代表はこう表現する。
「弊社は2トンから大型までいすゞ車を保有していますが、特にエルフは本当に長持ちしますよね。いすゞさんから代替を勧められても、まだまだ乗れるから廃車にするのがもったいないくらい。そのエルフがプレイズムというサービスにより、果たしてどこまで長持ちしてくれるのかと期待しています。ちなみに、先ほど性能は各社変わらないと言いましたが、いすゞ車は燃費がいいし音も静かですよ(笑)」
このプレイズムという仕組みが機能するために、大切なのは人だという。
「営業とサービスの連携が悪い販売会社ってありますよね。営業から『1日でお返しします』と言われて車を預けたら、サービスは『いや、1週間かかります』とか。そういう会社から、例えば『予防整備しませんか』と連絡があっても、絶対にお願いしません。たとえ車に異常がなくても、日頃から『調子いかがですか』と面倒を見てくれるから、『ちょっと見てくれる?』となるんです」
同社の目指す姿のように、プレイズムも最強、かつ最優のサービスであれということだ。
「すぐ直す」以前に「未然に防ぐ」の重要性
北は北海道、南は沖縄まで運ぶ同社にとって、全国のいすゞサービス工場の連携で「すぐ直す」取り組みは、とても安心だと荒巻代表は語る。例えばエンジンチェックランプがついた時に、ドライバーより先にいすゞから連絡があり、入庫すると修理の準備ができているのには驚いたそうだ。ただし、ここで路上故障時にプラスワンの対応を求められた。
代表取締役 荒巻 哲也 氏
「休みの日は電話を取らない販売会社。そんな所とはお付き合いしません。トラックは日曜日でも動いています。万が一トラブルがあった時には、たとえ休日だったとしても、出来る限りの手を尽くしてほしい。弊社はもとより荷主様にご迷惑をかけないためです。今は働き方改革などで難しいのかもしれませんが、日曜日の電話は本当に困った時ですから」
24時間365日動いているトラック。その稼動を止めないため、「すぐ直す」ことすら発生させないための、「未然に防ぐ」取り組みの重要性は大きい。
究極は壊れない・ ぶつからないトラック
その「未然に防ぐ」取り組みについて、運行部部長の椛島智宏氏はこう語る。
運行部部長 椛島 智宏 氏
「故障する前に予防整備することで、ダウンタイムを減らすことができ、かつランニングコストも抑えられ、非常に合理的なサービスだと感じています。特にスムーサーに関しては、レポートで点検推奨時期を知らせてくれるので安心です。また遠隔監視については、パッキンやゴムなどの劣化もわかるようになるといいですね。ゆくゆくは壊れないトラック、そしてぶつからないトラックを作ってほしいです」
壊れないトラックの実現に向け、予防整備にはさらなる進化が求められる。ぶつからないトラックについては、安全装置の性能を過信することなく、その作動状況をお客様の側でも確認できるので、安全運転指導に活用していただくことが大切だ。
トラックの稼動そしてドライバーの安全をサポート
最後に、今後プレイズムに期待することについて、運行部取締役の古賀浩二氏にお話を伺った。
運行部取締役 古賀 浩二 氏
「トラックの稼動はプレイズムによって安心ですが、ドライバーの高齢化が進んでいることもあり、一番心配なのはその健康状態。以前、サービスエリアで体調不良になったドライバーがいるんです。命に別状はなかったのですが、血圧の高い方でした。ギガにはドライバーステータスモニターが付いているし、オプションでEDSS(ドライバー異常時対応システム)もあるんですね。こうした安全装置がもっと進化して、トラックの故障だけではなく、ドライバーの不調も予兆できるようになるといいですね」
プレイズムはこれからも、トラックの稼動、そしてドライバーの安全の両面で、最強最優の会社を支えていくことだろう。
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