浜松興運株式会社

さらなる成長をめざし、新規事業を推進すると共に輸送力、倉庫機能を強化。

浜松興運株式会社は、3PLのパイオニアであるハマキョウレックスグループに加わることで事業基盤を安定化。
さらに、ブランド力やシナジー効果により、事業を拡大してきた。今年からは、念願のトータル研掃サービスを開始すると共に、県内に新たな倉庫を竣工。物流企業として、さらなる成長をめざす。

ハマキョウレックス グループの中核企業へ

東海道の中間地点に位置する磐田市に本拠を構える浜松興運株式会社。設立以来、主に完成車輸送及び自動車部品の保管、輸配送業務を手がける中で事業を拡大してきた。転機を迎えたのは2009年のこと。同社は、株式会社ハマキョウレックスの傘下に加わる。ハマキョウレックスと言えば、言わずと知れた物流全般を包括的に請け負う3PL企業のパイオニアであり、国内有数の総合物流企業である。グループの一員となってからは、同社の独自性を保ちながら事業体制を刷新。グループの中核企業として、企業価値の向上に努めている。

現在、同社は、営業所2拠点に加え、自社倉庫4拠点を開設。自動車分野以外では、食品、飲料、化粧品、雑貨、建材などを取り扱っており、約200キロ圏内(関東・関西まで)を運行エリアとして輸配送サービスを提供している。倉庫事業では、地の利を活かした通過型・保管型の倉庫を高度にシンクロさせ、多頻度小ロットの納品を実現。また、冷凍・冷蔵倉庫内での24時間365日の請負作業も請け負っている。さらに、保有車両の車検、一般修理、点検を行う整備工場のほか、トータル研掃サービスを提供する専門工場を運営するなど、社員一丸となって収益力強化に取り組んでいるという。

主な輸配送サービス
本社オフィス 静岡県磐田市
会社概要
代表取締役 萩原 茂雄 氏
会社名
浜松興運株式会社
所在地
静岡県磐田市豊田西之島325-1
設立年月日
1973年7月
代表者
代表取締役 萩原 茂雄
従業員数
360名
保有車両台数
128台

日々収支により経営改善

特に同社の経営を劇的に改善したのが、グループ企業共通で実践しているコスト管理手法「日々収支」である。1日単位で損益を把握することで、早期に問題点を抽出し、対策を検討・実行する仕組みだ。同社では毎週「売上速報」を作成するなど、コスト競争力の高い事業体制を築き上げており、昨年から続くコロナ禍においても、黒字を維持している。

付加価値の高い物流サービスを提供

納入部 次長 伊藤 卓美 氏

同社の強みは、顧客の物流業務全般(集荷・保管・仕分け・配送)を一貫して請け負うことができるところ。また、多様な物流ニーズに対応し、顧客に特化した物流サービスを積極的に提案しているという。納入部次長の伊藤卓美氏は、一工夫、あるいは一手間かけることで付加価値の高い物流サービスが提供できると話す。

「集荷したパレット積みの積荷(部品)を当社の倉庫でキャスター付きの台車に積み替えて納品しています。運行車両もテールゲート付きのバン車に変更。これは、部品を工場のラインまで容易に積付けできるようにするための提案でした。フォークリフトも不用なのでCO2の削減にも貢献。お客様から大変感謝されました」

同社では、小型車から大型車、クレーン付き平ボディ、冷凍冷蔵車、車載車など各種車両を取り揃えると共に、車両の一部や台車なども自社の整備工場で加工・製造しているそうだ。また同社は、積載性に優れている、安全装備が充実しているという理由から多くのいすゞ車を導入している。実際に大型トラックギガに乗務されている二人のベテランドライバーに感想を伺った。

「とにかく走行中のエンジン音が静かなので、長距離運行が快適ですね。また、車間センサーを運行状況に応じて調整できるので使いやすいです」

と話されたのは、主に自動車の装備品を横浜まで運んでいるという渥美智之氏。また、浜松市内の配送及び関西方面への運行を担当している加藤高明氏は、初めて乗務するハイルーフキャブのギガに非常に驚いたという。

「ハイルーフは圧迫感がなく、収納に便利ですね。またシートが素晴らしく、非常に乗り心地が良くてびっくりしました。スムーサーGの操作性も格段に向上し、とても満足しています」

ドライバー 渥美 智之 氏
ドライバー 加藤 高明 氏

“まず安全”安全に向けた強い決意

萩原社長は、社長に就任した際に、安全を事業活動の根幹と位置づけ、熱心に安全教育に取り組んできた。安全に向けた強い決意として「まず安全」というスローガンを掲げ、様々な事故防止策を実施してきたそうだ。具体的には、専門講師を招いて「安全運転研修会」を年2回開催。また、業務別のグルーブでKYTとヒヤリハットの研修(毎月)、未経験者が対象の先輩ドライバーによる同乗研修などを行っている。さらに、ハード面では、バックカメラをはじめ、障害物などを超音波センサーで感知するバックソナー、ドライブレコーダー、夜間の視認性を高めるLED車高灯ストップランプ(ブレーキランプ)、夜間作業用のLED作業灯などを車両に装備している。

現在、同社に在籍するドライバーは約270名。外国籍ドライバー13名、女性ドライバー13名が活躍している。コンプライアンスを重視する中で、外国語の就業規則や作業マニュアルも作成し、ドライバーの安全・安心を全力でサポートしているという。例えばフォークリフトを含む運転免許取得支援のほか、有給休暇や育児休暇、介護休暇制度の取得を促進。また、運行中の車両故障時に、同社の整備士が現地に駆けつけて修理する24時間365日ドライバーサポート体制を設けており、ドライバーが乗務職に専念できる環境を整えている。

女性ドライバー 木根 礼乃さん
外国籍ドライバー HAYASHI MAURO 氏

新規事業を推進 輸送力と倉庫機能を強化

管理部 整備係 係長 村松 克哉 氏

さて、同社では今年の春から新規事業として、トータル研掃サービスを開始したそうだ。これは、車両のほか、鉄製の建造物や機械などの錆、汚れ、古い塗膜を除去、下地処理、塗装して再生するサービスである。萩原社長は、実に構想から5年もの歳月をかけて事業化に漕ぎ着けたのだという。車両整備事業を統括する管理部整備係、係長の村松克哉氏に工場の特長についてお話を伺った。

「本社及び整備工場に隣接して建設した専用工場は、円滑に作業が行えるように第2・第3作業所(修繕・修理)、塗装作業所、ブラスト作業所に仕切られており、大型トラックやキャリアカーが収まるスペースを確保しています。また当工場は、ブラスト法を用いて旧塗膜をすべて除去して鋼材面を露出させる1種ケレンの技術を有しており、最新鋭の強力なエアブラストマシンを導入。もちろん、鈑金・溶接などによる修繕、油圧・電気系統の修理も承っております」

同社は、トータル研掃サービスを事業の柱の一つに成長させたいと考えているとのこと。非常にニッチな業種ながら、こうした規模・設備を持つ工場は全国でも珍しく、すでに何件も問い合わせが寄せられているという。最後に今後の展望や事業計画について、萩原社長にお話を伺った。

「実は、7月末日に4拠点目となる白鳥倉庫が完成しました。場所は、浜松IC(東名)から1キロ、浜松浜北IC(新東名)から11キロ、静岡県内を横断する国道1号線から1.2キロと、交通アクセスに優れた好立地。お客様の要望に応じて、最新の物流設備を導入したり、倉庫を増設したりすることも見据えて建設しました。今後は、長年培ってきた当社のノウハウを活用し、今まで以上にお客様の物流を支えられるサービスを提供していきたいと考えています」

ハマキョウレックスのグループ企業として、着実に歩み続けてきた同社は、蓄積してきた経営資源を有効に活用して新たな事業を推進。同時に輸送力と倉庫機能を強化してきた。これからも同社は、顧客の競争優位性を高めるソリューションを提供し、安定的な事業成長を実現していくことだろう。

トータル研掃サービス専用工場
大型の排気装置・ダクトを備えた塗装作業所
ブラスト作業所には最新鋭の強力なブラストマシンを導入
整備・修理・板金・溶接などを行う第3作業所

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