株式会社大伸運輸

「MIMAMORI」が支える高品質かつ効率的な陸海複合一貫輸送。

法令遵守を目的に陸海複合一貫輸送体制を構築

周囲を関門海峡に囲まれた彦島は、本州最西端に位置する下関市の南端の町。株式会社大伸運輸は、この地で40年以上にわたり運送事業を営んできた輸送企業である。水産都市として発展してきた下関市において、主に水産物や鮮魚の輸送を手がけてきた。沖野社長が、ご尊父から会社を引き継がれたのは1998年頃のこと。しかし当時、経営状況は厳しく、地元の水産業界も低迷。沖野社長は、抜本的に経営体質の改善に取り組むと共に、水産物輸送からの完全撤退を決断した。すると、奥様の内助の功もあり、同社の業績は徐々に回復。およそ10年間で、倍以上に売上を伸ばした。

「水産物の運賃は高いのですが、臭いの問題で他の荷物を運べない、というデメリットがありました。長距離輸送で収益を上げるには、帰り荷の確保が必須。将来的なことも考えて、一般食品を取り扱うことを決めたのです。さらに、どうしても採算が取れないお客様との取引も終了。収益体制を強化しました」

と語られた沖野社長。現在、同社は、主に青果や食肉、加工食品などを混載して関西・関東エリアへ輸送(一部貸切便)。帰り荷として、乳製品や加工食品などを運んでいる。顧客は100社以上に及ぶそうだ。車両は、サイドドアなど独自仕様のボディを施した冷凍車を導入している。

ところで、同社では、地の利を活かし、10年ほど前から陸海複合一貫輸送を行っている。長距離輸送は、北九州市(新門司・苅田)や、福岡市(博多)から出港するフェリーを活用した運行体制に切り替えたのだという。この先、事業を継続していく上で、やむを得ない判断だった、と沖野社長は話す。

「フェリーを活用した理由は法令を遵守するため。つまり、常態化していたドライバーの長時間労働を是正し、運行の安全性を高めることが最大の目的です。お客様にもご理解いただいており、現在は、ほぼすべての運行でフェリーを活用しています」

全車冷凍車、独自仕様のボディ。大型トラックギガ
会社概要
代表取締役 沖野 雅昭 氏
会社名
株式会社大伸運輸
所在地
山口県下関市彦島塩浜町3丁目14番44号
設立年月日
1977年9月13日
代表者
代表取締役 沖野 雅昭
従業員数
34名
保有車両台数
27台
MIMAMORI搭載車両
の運用方法
導入時期
2001年
運行経路
主に山口・福岡県~関西・関東
乗務状況
固定

真面目に謙虚に事業に邁進 クレームから逃げない

沖野社長の経営方針は、真面目に謙虚に仕事を取り組むこと。そして、社員を重要なビジネスパートナーとして位置づけ、待遇改善に努めてきた。ドライバーの育成にも熱心で、ドライバー未経験者でも人物本位で採用。大型免許の取得支援に加え、約10カ月間かけて添乗指導を実施するなど、ドライバー育成に注力してきた。

一方、顧客に対しては“クレームから逃げない”という姿勢を貫いてきたという沖野社長。いつぞやは、商品事故が発生した際に、電話説明や温度データを提出するだけではなく、荷主と共に納品先の倉庫へ同行して原因を究明。こうした真摯な対応が同社の評価を大いに高めており、顧客との信頼関係を強固にしている。

本社(山口県下関市彦島)

車両の運行状況が手に取るようにわかるから臨機応変に対応可能

専務取締役 岡野 正明 氏

サービスが開始された頃から「MIMAMORI」を活用してきたという同社。主にデータを活用してドライバー指導に取り組んだそうだ。その後、保有する全車両に導入し「インターネットデジタコ」機能を活用して、運転指導、運行管理を行ってきた。運行管理を統括する専務取締役の岡野正明氏は、特に車両の場所、状況がわかることが自社の運行に役立っていると語る。

「以前は、携帯電話や公衆電話でドライバーから定期報告を受け、運行状況を確認していました。なかなかドライバーと連絡が取れず、気をもむこともありましたね。『車両位置お知らせサービス』を使い始めてからは、画面で運行状況を確認して、事前に車両の到着予定時刻をお客様にお伝えしています。お客様は、到着時間に合わせて出荷を準備。スムースに積み降ろしができるようになりました。その結果、お客様に安心してもらえますし、倉庫での待機時間も大幅に削減されるようになりました。ドライバーも余裕を持って運行できるようになり、安全運転の励行、事故・違反防止に貢献していると思います」

日々複数の車両が関西・関東エリアを運行しているという同社。当日、依頼を受けた積荷も、効率的に引き取れるようになったそうだ。時間に正確なこと、そして臨機応変に対応できることは、輸送企業として大きな強みとなっている。

高品質輸送を証明 乗船中も確実に温度管理

全車両に「MIMAMORI」を装備しており、温度管理、運行管理に活用されています。

同社にとって、もう一つ欠かせない「MIMAMORI」の機能があるそうだ。それは、運行中の庫内温度状況をリアルタイムで確認、記録できる「温度お知らせサービス」である。

「時折、お客様から温度データの提出を求められることがありますが、当社は『温度お知らせサービス』でデータを残しているので問題はありません。エンジンを切ってフェリーに乗船しているときは、外部電源を使用して温度を記録しています」

沖野社長は、若い頃に憧れだったという、いすゞ「ベレット」を探しだしてレストア。時々ドライブされて気分転換するとのこと。

と岡野専務。こうして同社では、ドライバー指導や運行管理に「MIMAMORI」を活用することで、高品質かつ効率的な長距離輸送を実現した。ドライバーのスキルも高く、約半数がゴールド免許を取得しているという。昨年は、職場ぐるみの安全運転活動が高く評価され「優秀安全運転事業所」の表彰制度で、山口県警及び自動車安全運転センターより「銅賞」を受賞。今後は、全ドライバーのゴールド免許取得をめざしていきたいという。

会社の原動力はドライバーだという沖野社長、これからも、すべてのドライバーが安心して業務に従事できる、そして笑顔で働き続けられる職場を築いていきたいそうだ。そのために「MIMAMORI」の機能を活用していきたい、と笑顔で語られた。

トラックとフェリーを組み合わせた長距離運行を「MIMAMORI」がサポート

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