信幸運輸株式会社

顧客交渉にも効果! 運行実態を開示し、長時間労働を改善

独自の積付けノウハウが求められる製品を全国に配送

30歳のときに、大型車のドライバーとして信幸運輸株式会社に入社された渡邉洋一氏。40歳で内勤となり、約7年間、運行管理や営業、経理業務などを担当する中で部長、専務を拝命。先代社長の右腕として業務に従事し、2015年7月に社長に就任されたそうだ。渡邉社長は、その経緯について次のように語られた。

「いずれ会社を引き継がないか、と創業者である先代社長から打診されたのが40歳のときでした。大変ありがたいお話でしたし、長年お世話になった会社の恩に報いたい、また、ドライバー経験を活かして、この会社を良くしたいと考えました」

長野県に本拠を構える同社の主な積荷は、工業用換気扇や空調機器など。県内の工場で製品を積込み、全国の現場(工場や倉庫等)へ配送しているという。取り扱いの多い工業用換気扇は、最大幅1~2mほどで、その素材はステンレス・アルミ・ FRP(ファイバーグラス強化プラスチック)などである。リン木と緩衝材を用いて梱包せずに製品を運ぶため、積付けには独自のノウハウが求められるそうだ。ドライバーが一人で積付けできるようになるまで1~2年もかかるという。車両はクレーン付き車が多く、平ボディ車も保有。出荷数や配送先に応じて、バンボディ車や小型車で配送することもある。その他の積荷としては、医療機器や洗車機を運んでいるという。

会社概要
代表取締役 渡邉 洋一 氏
会社名
信幸運輸株式会社
所在地
長野市篠ノ井杵淵121番8
設立年月日
1979年7月
代表者
代表取締役 渡邉 洋一
従業員数
20名
保有車両台数
19台
MIMAMORI搭載車両
の運用方法
導入時期
2018年4月
運行経路
全国
乗務状況
固定

地域No.1の運送会社をめざし安全な運行体制に取り組む

創業以来、同社が掲げてきた経営目標は“地域No.1の運送会社”になること。そして、顧客から「信幸運輸なら安心して任せられる」と言ってもらえるように努めてきたと渡邉社長は話す。

「先代社長が培ってきたノウハウを活かし、オンリーワンの輸送サービスを提供する。このことは、これからも変わることはありません。また『運輸安全マネジメント』を策定し、安全な運行体制を継続していけるように取り組んでいます。昨年も人身事故及び荷物事故、酒気帯び運転・速度超過違反ゼロを達成しました」

この5年間、継承した経営目標に基づき、陣頭指揮を執ってきた渡邉社長。同社は、アットホームな社風でドライバーの定着率が高く、顧客からの信頼も厚い。今後も社員と顧客を大切にする会社であり続けたいという。

この度のコロナ禍では、繁忙期にも関わらず製品の出荷が減少すると共に、帰り荷の確保も難しくなったそうだが、社員と一丸となって業務に邁進し、コロナ危機を乗り切りたいという。

『拘束時間管理表』のデータを活用し、抜本的に運行体制と給与体系を見直す

本社(長野市)

しかし、同社は以前から大きな経営課題を抱えていたという。それは、運送事業者共通の課題でもあるドライバーの長時間労働を改善することだ。ドライバー出身の渡邉社長は、ドライバーに負担を強いることになる、この課題を何とか解決したいと考えていた。しかし、これはという手立てが見つからず、改善は遅々として進まなかったという。

そこで渡邉社長は、抜本的に運行体制と給与体系を見直すことを決断。その手始めとして、全車両に「MIMAMORI」を導入することにしたそうだ。同業者から『MIMAMORI』が運行管理に便利だと聞いていたという渡邉社長。実際に、どのように「MIMAMORI」を活用されたのか、お話を伺うことができた。

「運行体制と給与体系を見直すには、まずドライバーの労働時間を正確に把握する必要があります。『拘束時間管理表』(労務管理サービス機能)で、どのような状況で労働時間が超過するのか把握し、そのデータに基づいて、運行経路やローテーション、出発時間、休憩時間などを見直しました。同時にドライバーの給与が減額とならないように、残業代や業務に関する諸手当も改定。2年かけて改善を推進した結果、ようやく社会保険労務士から“問題なし”とのお墨付きをいただくことができました」

渡邉社長は、運行体制を再構築するにあたり、顧客にも「MIMAMORI」で記録した長時間労働の実態を開示して、協力をお願いしたとのこと。出荷時間や納品日時の調整のほか、高速道路利用料分の運賃値上げについても了承が得られたという。ドライバーの労働時間を明らかにすることで、運行体制を改善する意義が正確に伝えられたと渡邉社長は話す。

「MIMAMORI」を活用してコンプライアンス経営に努める

ところで、同社のオフィスで目につくのは、ひときわ大きい液晶モニターだ。そこには、常時「車両位置お知らせサービス」の画面が映し出されている。同社を訪れたお客様は「運行状況が一目でわかるんですね」と感心されるという。また「運転日報」も活用しており、日々の運転指導に役立てている。特に速度超過していないか、厳しくチェックしているとのこと。ドライバーは、労働時間の短縮はもちろん、運転日報作成業務の軽減や長距離運行時も安心できる、と「MIMAMORI」を導入したことに納得さているという。

「今回の労務環境の改善は、お客様のご理解とご協力なしに実現することはできませんでした。大変感謝しております。今後も『MIMAMORI』の機能を活用し、さらなる省燃費・安全運転の向上と、業務の効率化を図り、これまで以上にお客様に満足いただける輸送サービスを提供してまいります」

と最後に笑顔で語られた渡邉社長。悲願だった長時間労働問題を解決した同社は、これからもコンプライアンス経営に努め、運送会社としての使命と、社会的責任を果たしていく方針である。

安全・安心のコンプライアンス経営を「MIMAMORI」で実現

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