中国エリアを網羅する食品輸送のエキスパート
創業から20年、快進撃を続ける株式会社高宮運送。世界遺産「厳島神社」で知られる広島県廿日市市に拠点を構える同社は、代表取締役社長を務める高宮徳和氏が、30歳のときに起業した輸送企業である。同社は、中国エリアにおける独自の輸配送ネットワークを構築。365日24時間体制で食品(ドライ・冷蔵・冷凍)を運んでいる。この8年で売上髙は約3倍に伸ばしており、顧客数は70社以上、保有車両数は優に100台を超える。今まで営業活動をしたことがない、という高宮社長に、どのような手法で事業を拡大されたのかお話を伺った。
「お客様には、あらかじめ当社が設定した配送ルートや運行時間で食品を積み合わせて運ぶことを提示。この条件に同意していただくことで輸配送業務の効率化を実現。低コストで高品質なサービスを可能としています。こうして当社は、多くのお客様とお取引いただく中で業績を伸ばしてきました。現在は、食品輸送のエキスパートとして安全で確実な輸配送を実践しています」
また高宮社長は、ドライバーの安全を第一に考えると共に、社員教育も熱心に取り組んできたそうだ。近年は、社内に安全管理室を設け、毎月1回、全ドライバーを対象に少人数制の安全教育(講習と面談)を実施している。事故事例に基づく安全運転指導や交通法規の解説といった講習に加え、現場の状況や課題をヒヤリングするなど、ドライバーとのコミュニケーションを大切にしているという。社員の満足度を向上させて、働きやすい職場づくりを推進し、定着率を高めているのだ。さらに数年前からは、子育て世代の社員が安心して働けるように、本社敷地内で保育所の運営を始めた。これを機に、同社では勤務体系を見直して女性ドライバーを積極的に採用。今では、全ドライバーの約10%を女性ドライバーが占めているという。
- 会社名
- 株式会社高宮運送
- 所在地
- 広島県廿日市市宮内工業団地1-9
- 設立年月日
- 2003年6月(創業:1999年3月)
- 代表者
- 代表取締役社長 高宮 徳和
- 従業員数
- 150名
- 保有車両台数
- 122台
の運用方法
- 導入時期
- 2016年03月
- 運行経路
- 中国地域
- 乗務状況
- 交替
積極的に人と車両に投資社員及び顧客満足度を高める
現在、同社は本社営業所に一時保管用の倉庫を運営すると共に、広島・岡山県に4カ所の営業所を開設し、中国エリアの輸配送を行っている。保有車両は、ほぼ冷蔵冷凍車で、温度管理機能を備えた「MIMAMORI」を装備。また4トン車がパワーゲート付き、大型車は異なる温度が設定可能な二層式で仕様を統一している。どの車両に誰が乗務しても同様の運行ができるようにするためである。また車両は5年で代替しているため、ほとんど路上故障もないという。
充実したドライバー教育と、つねに整備の行き届いた新しい車両を揃えることで、県内でも有数の輸送企業へと成長を遂げた同社。高宮社長は、社員が幸せになれば、自ずと顧客満足度も向上すると話す。
「人と車両に投資することを惜しまなければ、車両事故や大きな故障が回避できます。社員一人ひとりが安心して働き続けられる職場をつくることが経営者の使命であり、それがサービスの質を高めるのだと思います。最近はお客様からのクレームも、ほとんどありません」
> 高宮社長は、運送事業を魅力的な業界にしたい、ドライバーをやりがいのある職業にしたいと考えている。
ドライバーに見守られている安心感を
同社は早くから他社製のデジタコを導入。しかし、車両を代替する際の載せ替えの手間やコスト、モデルチェンジによる入れ替え費用がかさむことから、2016年に初期導入費用や月額費用がリーズナブルで、機能も申し分ない「MIMAMORI」に切り替えたそうだ。最近は「MIMAMORI」の車載機が標準装備されており、より安価で機能も充実していると非常に満足されている。
導入後は「車両位置お知らせサービス」を日々活用しているとのこと。車両の運行状況をチェックするだけではなく、最近では画面に表示される渋滞情報や気象情報をドライバーに伝え、安全運行に役立てているという。常務取締役の大津幾多郎氏に「MIMAMORI」の導入効果についてお話を伺った。
「車両の位置のみならず、走行している方向もわかるので、運行状況を正確に把握することができます。ドライバーは、見られているという適度な緊張感と、何かあれば迅速に対応してもらえるという安心感があると思います。会社では監視はしていないよ、見守っているから安心して働いてください、と説明しています。万一、故障した場合も迅速に現場へ向かうことができますからね」
ちなみに本社事務所には大型モニター(55型)が設置されており、いつでも運行画面が映し出せるようにしてあるそうだ。
また同社では「温度お知らせサービス」も活用。運行中、庫内温度に異常があれば、設定したPCに自動でメールが送信されるという機能である。「MIMAMORI」は、同社の輸送品質の向上にも貢献している。
コミュニケーションを促進するツールとして
同社で安全教育を担当されているのは、安全管理室の室長で、講師兼ドライバーの面談役を務める岡部博之氏と森上隆氏である。同社のドライバーは、月1回必ず両氏の講習と面談を受けることになっている。そこで教育指導に活用されているのが「運転日報」だ。運行データからドライバーの運転傾向を読み取り、講習テーマを決めることもあるという。例えば、前車接近が多い場合は、厳罰化が求められているあおり運転と誤解されるほか、追突事故につながる可能性も高まるため、しっかり車間距離を取るように徹底指導している。
「ドライバーの心身の状態が運転に大きく影響しますからね。運行データは、安全教育に極めて重要なデータと言えます。これからも運転操作や運転時間、休憩時間などをチェックして、ドライバーの指導に役立てたいと考えています」
と語られたのは岡部室長。また森上室長は、評価点を活用して指導しているという。
「評価点を見せてもらって、どうしたら高得点が取れるのか、あるいは点数が低い原因は何か、ドライバー同士で教え合ってもらいます。コミュニケーションを促進することで、運転技術の底上げにつなげています」
このように同社では「MIMAMORI」の機能を活用し、運送事業における安全と品質の向上に取り組んでいる。今後も同社では、これらの活動や効果を社内外にアピールし、社員が仕事に誇りを持てる、また顧客に信頼される輸送企業をめざしていきたいという。
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