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輸創企業ケーススタディ

“企業は人なり”
社員の可能性を引き出し共に成長していける企業へ。【事例紹介:株式会社エー・シー・トランスポート】

埼玉県戸田市に本拠を構える株式会社エー・シー・トランスポートは、精密機器をはじめ、多岐にわたる製品の輸配送を手がける中で事業を拡大。
10年程前からは人材育成に注力し、現在は新卒者を積極的に採用。
“企業は人なり”を体現する中で組織づくりに成功し、業績を伸ばし続けている。

“企業は人なり”
経営方針を大転換

今年、創業20周年を迎える株式会社エー・シー・トランスポート。埼玉県戸田市に本拠を構える同社の主な輸配送エリアは関東圏(一部中部)。全国対応も行っている。積荷は、精密機器をはじめ、食品、日用品、家具、建築資材の配送、コンビニ配送、宅配便の代行集荷、オフィス移転など多岐にわたる。また、本社敷地内の倉庫(270坪)では、帳票類の保管・封入・発送や一般貨物の一時保管・梱包・仕分けなどの附帯業務を行っており、多様な輸配送ニーズに迅速に対応できるところが同社の強みである。ちなみに、社名の「エー・シー:AC」は「All Challenge」を表しているとのこと。どのような仕事も全力で挑戦するという意味が込められているそうだ。

代表取締役の池永和義氏は、20代で地元の運送会社に就職し、ドライバーや配車担当者として勤務。29歳のときに周囲の支援もあって独立。以来、前職で培った知識と人脈を活かして仕事を獲得し、依頼された仕事は原則断らないという方針で、事業に邁進してきたそうだ。その結果、経営は軌道に乗り、数年で車両30台まで増車したという。

ところが、設立から10年ほど経過した頃、同社に大きなターニングポイントが訪れる。ドライバーが次々と辞めてしまい、次第に業績も停滞してきたという。そこで池永社長は、現状を打開するため、知人の勧めで経営セミナーに参加することに。そして、自社の抱える経営課題に気づいたという。

「当時は、すべてにおいて自分本位で、ドライバーが辞めたら、また募集すればいい、という考えでした。会社の土台を支える肝心の人づくりや組織づくりを怠ってきたので、サービスの質は低いまま。当然、業績も頭打ちになってしまいました。しかし、参加した経営セミナーで“企業は人なり”ということに気づきました」

と語られた池永社長は、これを機に独善的なワンマン経営を改める中で、経営方針を大きく転換。まず、社員と共有化する価値観として経営理念を掲げる。同時に、それを実現するための社訓も策定した。池永社長がめざしたものは、事業活動に関わるすべての人たちに感謝し、幸せを追求することだ。また、積極的に社員の声に耳を傾け、語りかけることを心がけ、社員との関係を改善。みるみる職場は明るくなり、ドライバーの定着率も向上。すると、業務上のミスや事故も大幅に減少し、得意とする精密機器以外の積荷(食品、建材、オフィス移転等)の売上も拡大したという。保有車両数も50台を超えた。取材中も終始笑顔で対応くださった池永社長。現在は、社内で一番の愛されキャラである。

代表取締役 池永 和義 氏

会社概要
会社名:株式会社エー・シー・トランスポート
所在地:埼玉県戸田市笹目8-10-23
設立年月日:2002年1月15日
代表者:代表取締役 池永 和義
従業員数:84名
保有車両台数:67台

本社倉庫(埼玉県戸田市)

本社オフィスに掲げられた経営理念

新卒者を採用し
人材育成に注力

同社最大のセールスポイントは、輸送品質の高さである。医療機器や工作機械、サーバー、電子機器などの精密機器の梱包・輸送サービスを提供しており、定期的に大学や研究機関、医療機関から依頼を受けている。顧客のリピート率は94%に達するそうだ。車両もエアサス車(小型から大型まで)を取り揃えており、荷扱い経験の豊富なドライバーとスタッフが担当する。ここで培われた丁寧な仕事が、他の輸配送サービスにも活かされている。

同社は、社員教育に注力しており、6年前からは新卒者の採用を開始。今年度は9名の新卒者を迎えたそうだ。新卒者には、半年間かけて会社の事業説明、社会人としてのマナー教育、運送業界の現状解説、安全への取り組み、車両の整備及び乗務実習などを行う。万一、ドライバーに不向きな場合は、他の業務(配車や庫内管理、積荷(家具)の設置等)など、適正に応じて社員を配置。もちろん、自動車運転免許をはじめとする各種免許取得制度も設けられており、その他にもリーダーシップ研修や事故防止講習なども実施している。さらに、こうした日頃の活動成果(業務改善・安全活動等)を発表する「トラックドライバー甲子園アワード」にもエントリー。多くのドライバーが大会で表彰されているという。同社では、社員教育費に年間800万円を計上しているとのこと。池永社長は、人材育成を重視する理由について次のように語られた。

「本来、運送業は経済を支える重要な仕事であり、それをしっかり遂行するには人材育成が必要不可欠だと考えています。運送事業に携わる者として、ドライバーの地位や運送業界のイメージを向上させたいという気持ちもあります。社員には『皆さんは会社を代表する看板商品であり、私は自信を持ってお客様に提供している、だから、誰にも恥じることなく堂々と仕事をしてください』と伝えています」

なお、今年度は、ドライバー職4名に加え、広報業務を担当する女性5名を採用。正式な部署名は“おもてなし部”(女性社員が命名)。活動内容は社員に任せているそうだが、SNSやユーチューブなどを活用して、会社のPR活動を行っていく予定だという。例えば、ドライバーの仕事振りなどを紹介することで、品質の高さを顧客にアピール。同時に人材採用ツールとしての活用も視野に入れており、若い人たちに業界の魅力などを発信していきたいという。

事業拠点

運輸部 部長 佐藤 浩司 氏

運輸部 主任 福島 孝行 氏

複数の事業拠点を展開
いずれは分社化

ここ数年は退職者が激減し、若い社員が増えているという同社。福利厚生も充実させており、社員寮完備、残業はほぼゼロ、勤務体系もシフト制または完全週休2日のどちらかを選択することができるそうだ。また、社員の家族も招いてバーベキュー大会や餅つき大会を開催、節分には恵方巻、土用の丑の日にはうなぎ弁当、クリスマスにはケーキを全社員に配布。新卒者が採用できている理由は、職場に活気があり、またアットホームな社風を醸成したからだと言えるだろう。池永社長は、さらに人材育成制度を充実させ、社員一人ひとりの可能性を引き出し、様々なことに挑戦できる組織にしていきたいという。

「わずかながら、組織づくりにも手応えを感じてきました。将来的には埼玉県内に複数の事業拠点を展開していき、連携しながら業務を水平展開することで、事業を拡大していきたいと考えています。その後は事業拠点を分社化し、社員に運営を任せていきたい。したがって、管理職、経営者を育てていくことが私の当面の仕事になりますね。中部地域で配送業務を行っている名古屋営業所も、いずれ分社化する予定です。関東と中部を結ぶ幹線輸送を検討しているところです」

と最後に語られた池永社長。今回のコロナ禍では、幅広く仕事を引き受けていたお陰で、収益は伸ばせたそうだ。しばらくは特定の積荷に特化せず、顧客の多様なニーズに応えながら高品質な輸配送サービスを提供していく方針である。

故障予知性能と安全性能に期待

今年3月に大型トラックギガを導入したという同社。同社では、いすゞ車の評価が高く、保有車両の大多数がいすゞ車なのだそうだ。

「いすゞ車は、乗り心地、操作性、走破性の良さもさることながら、スタイリングが良いというドライバーも多いですね。今回導入されたギガは、DPDやエンジンの故障の兆しを事前に察知してくれる機能に期待しています」

と話されたのは運輸部の福島主任である。また、運輸部の佐藤部長は、ギガの安全性能を高く評価しているとのこと。

「複数のセンサーやカメラが装備されており、巻き込み事故や接触事故の防止に貢献してくれると聞いています。当社は新人ドライバーが増えているので、安全運行を支援してくれる車両だと安心できます」

3月に導入された大型トラックギガ