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輸創企業ケーススタディ

ガラス張りの経営で組織力を強化し、
社員と共に成長する。【事例紹介:株式会社NTサービス】

株式会社NTサービスは、会社設立から、わずか5年で保有車両台数210台(グループ)を誇る規模にまで事業を拡大。同社は、顧客や業種の偏重を避け、経営上のリスクを分散。さらに、ガラス張りの経営を実践し、風通しも良い職場、社員の信頼関係をベースとした組織力によって快進撃を続けている。

起業の夢を叶え
5年間で車両200台超え

愛知県みよし市に本拠を構える株式会社NTサービスの快進撃が止まらない。同社は会社設立から、わずか5年で保有車両台数210台(グループ)を誇る規模にまで事業を拡大。代表取締役の丹羽悟氏は、父親が創業した輸送企業(愛知県豊田市)で、専務として業務に従事されてきた人物である。そんな丹羽社長が同社を起業したわけは“憧れ”だったと語る。

「若い頃から父の堅実な経営を身近で見てきました。私は、誠実で真面目な人柄の父が誇らしく、ずっと憧れてきました。だから、いつか自分も起業して、自身の手で事業を手がけたい、という想いがあったのです。そんなとき、たまたま大きな案件が舞い込み、それなら、この機会に会社を立ち上げ、仕事をお引き受けしようと考えました。ようやく起業の夢を叶えたのです」

ところが、その仕事は諸事情により、同社に発注されることはなかったそうだ。いきなり出鼻をくじかれる格好となった丹羽社長。すでに、車両は導入され、ドライバーも確保しており、引くに引けない状況に追い込まれた。

「いきなり、最大の経営危機を迎えてしまいました」

と丹羽社長は、当時を振り返りながら豪快に笑う。そもそも丹羽社長は、長年、運送事業に携わってきた経験とノウハウを持つ玄人である。ここは慌てず焦らず、社員と共に営業活動に奔走し、新規に顧客を開拓したそうだ。このことが返って社員の結束力を高め、社員一丸となって業務に取り組むという、企業風土を醸成されたという。

愛知県と言えば、モノづくり産業の一大集積地。その後、同社は自動車部品の輸配送業務を中心に、着実に業績を伸ばしていく。先行して車両を増車する中で受注を拡大。同時にドライバーが働きやすいように、給油施設や大型の自動洗車などの設備投資も行ってきた。

また最近は、安定的に事業を成長させるため、運送事業の隣接異業種に積極的に進出。タイヤ販売事業や保険代理店事業なども手がけている。さらに、昨年はホールディングス会社を設立。今後はNTサービスグルーブを形成していく考えである。

代表取締役 丹羽 悟 氏

会社概要
会社名:株式会社NTサービス
所在地:愛知県みよし市福田町井ヶ谷境24-3
会社名:株式会社NTホールディングス
所在地:愛知県名古屋市中村区名駅1-1-1 JPタワー名古屋21F
設立年月日:2015年12月1日
代表者:代表取締役 丹羽 悟
従業員数:300名
保有車両台数:210台

本社・オフィス(愛知県みよし市)

NTサービスの事業形態

給油施設と自家発電機を設置(本社)

大型の自動洗車機を導入(本社)

ガラス張りの経営を実践

丹羽社長は、父親と共通の経営方針があるという。顧客1社、一業種に偏重しない経営スタイルだ。現在、同社の業務比率は60%が自動車部品だが、顧客は30社以上に及ぶ。また、40%の積荷は建材や食品、雑貨などに分散。さらに、東海3県(愛知・岐阜・三重)のエリアの輸配送が約8割、残り2割の東は仙台市まで、西は九州まで対応するなど、幅広い運行体制を構築しているという。

さらに、もう一つ同社の特徴を挙げるなら、ガラス張りの経営を実践していることだろう。収益状況をはじめ、あらゆることを全社員に報告しており、公明正大な経営をめざしてきた。

「社員たちが一生懸命働いた成果、つまり経営状況を報告するのは当たり前のこと。成果が見えるから全力で仕事に取り組むこともできるのです。こうした風通しの良い職場、社員の信頼関係をベースとした組織力が当社の最大の強みであり、短期間で躍進できた要因だと言えるでしょう。また、ガラス張りの経営は、経営者の襟を正し、コンプライアンスの重視、ガバナンスの強化にもつながります。当社の急成長振りから、何かチャレンジングな攻めの経営を行っているのか、と尋ねられることもありますが、実は、つねにリスクを念頭に置いて判断を下しており、堅実な経営を信条としています。私の経営者の手本は父ですからね」

と語る丹羽社長は、一方で、自身が型にはまるのも、誰かを型にはめるのも好まない。だから同社のオフィスには、経営理念やスローガンといったものが一切見当たらない。丹羽社長が決まって社員にかける言葉は「明るく、楽しく、前向きに行こう」ということだ。丹羽社長は、これからも従業員が安心して業務に専念できる職場づくりに努め、顧客や地域、社会から信頼される企業をめざしていきたいという。

業務構成

社員紹介で人材確保

大型トラックドライバー
安藤 京子さん
ギガは乗り心地が良くて、パワーもあるので運転疲労が低減されます。
次は新型ギガに乗務したいです。

設立以来、毎年、数十台単位で車両を増やしてきた同社。増車に伴いドライバーも滞ることなく増員してきたそうだ。ただし、求人広告やハローワークで募集したことはなく、ほとんどが在籍するドライバーからの紹介によるものだという。女性ドライバーも19名在籍しているとのこと。紹介は、ドライバーが友人・知人の中から「この人だったら紹介しても大丈夫」という確信を持って紹介してもらえるほか、同社の社風をよく理解されてから入社されるので、ミスマッチが少ないという。さらに、知人が在籍しているので、ドライバーも早く職場にも馴染めるのだそうだ。こうした理由から同社のドライバーの定着率は非常に高い。人材を確保する秘訣について、丹羽社長にお話を伺った。

「特別なことは何もしていません。社会保険や諸手当てなどの待遇は、一般的な会社と同等ですし、給与は業界平均よりも若干高い程度です。恐らく、社風がオープンなので働きやすい職場なのだと思います。伸び盛りの若い会社ということもあり、自分たちの会社なのだから、もっと良くしようと、やりがいを持って働いてくれています。当社は、社員のモチベーションが高く、一人ひとりがプロフェッショナルなんです」

IT点呼システムを導入することで、運行管理の効率化や安全性の向上を実現

安全最優先の企業姿勢

子供たちの絵がドライバーの心にゆとりと、優しさをもたらし、安全運行を促進する。

会社が急速に成長していく中で、丹羽社長が注力したのは、安全への取り組みである。安全への意識づけとして、いち早く「安全宣言」及び「安全方針」を策定すると共に、社内教育の一環として「安全大会」(年4回)を開催。ヒヤリハット事例発表や外部講師を招いての講習会などを実施してきた。また、開業から3年経過した2019年に「安全優良事業所」を認定取得。それに伴って、安全運行体制の充実と強化を図る目的で「IT点呼システム」も導入している。

「会社が安全を最優先するという姿勢を社員に示し、組織として事故防止に努めるという社風を定着させることが大切だと考えています」

と丹羽社長。同社は、ドライバーが増える中で、安全運転に対する意識が低下しないように「こどもミュージアムプロジェクト」へも参加。子供たちの絵をボディにラッピングした車両を運行させている。

4月(取材日)に導入された大型トラックギガ

社員を信じて
共に成長していく

さて、取材当日は、大型トラックギガの納車日。あらためて丹羽社長に、いすゞ車に対する感想、そして今後の展望についてお話を伺った。

「ギガは、操作がしやすく、乗り心地、静粛性が良い、とドライバーの人気が高いですね。私は、ブレーキシステムなどの安全装備が充実している点や、燃費の良さを評価しています。車両は、ドライバーの大切な道具ですので、アルミパーツなどの外装に加え、室内装備も充実させています。なるべくドライバーの要望をかなえてあげたいので、最近は、いすゞ車が増えていますね。おかげさまで仕事の依頼も増えており、今年度は55台ほど導入する予定です。売上は、間もなく50億円に達する見込みで、すでに100億円を見据えて事業を展開しています。当社の社員なら、必ず達成できると信じています」

今までの慣習に縛られることなく、独自の経営スタイルで社員の自主性を促し、社員間の信頼関係を築き上げる中で躍進してきた同社。成果を最大化させる全員参加型経営は、運送業界の在り方そのものを変えていくかもしれない。

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