どのように変わったのか、解説していきます!

2022年5月から自動車の積載制限が見直されました!

昨今、大きな注目を集めている物流業界の労働環境を改善すべく、2022年5月13日、道路交通法施行令の一部を改正する政令において、積載に関する制限が見直されました。これにより、今まで運ぶために申請が必要だった積載物も運ぶことができるようになりました。積載物の大きさや幅はどれくらいまで運べるのか、積載方法はどこまで許容されるのか…など、見直された新しい積載制限について解説していきます。

積載物の大きさ&積載方法は、ここまでOK

2022年5月13日に改正令が施行され、積載物の大きさや積載方法の制限が緩和されました。ただし、制限を超える積載物を運ぶ場合には、改正令施行後も「制限外積載物許可制度」の利用等が必須となりますので、どれくらいまでの大きさなら運べるのか、確認していきましょう。

積載物の大きさ制限(施行令第22条第3号)

積載物の大きさが下記条件内であれば、制限外積載許可申請は不要です。長さと幅が見直され、高さについては施行前と変わりません。

積載方法の制限(施行令第22条第4号)

積載する際に下記条件内であれば、制限外積載許可申請は不要です。

積載制限を超える積載物を運ぶ場合

法改正により緩和されたとはいえ、改訂後も積載制限の条件を超える積載物を運ぶ場合は、従来通り「制限外積載物許可制度」を遵守する必要があります。また、「制限外積載許可制度」が不要となる場合でも、車両制限令で定める一般制限を超える場合には、道路管理者の許可等が必要な場合がありますので、内容をしっかりと把握しておきましょう。

制限外積載物許可制度

「制限外積載物許可制度」とは、貨物が分割できないものであるため、積載物の重量、大きさや積載の方法の制限を超えることとなる場合において、制限を超える積載車両の運転者が、出発地を管轄する警察署長の許可を得る制度です。申請手順や申請に必要な書類などは、管轄する警察本部HPや所轄署にご確認ください。

特殊車両通行許可制度

道路は一定の構造基準により造られています。そのため、道路法では道路の構造を守り、交通の危険を防ぐため、道路を通行する車両の大きさや重さの最高限度を次のとおり定めています。この最高限度、「一般的制限値」を超える場合は、「特殊車両通行許可制度」の利用が求められます。 (道路法第47条1項、車両制限令第3条)

特殊車両とは

車両の構造が特殊である車両、あるいは輸送する貨物が特殊な車両で、幅、長さ、高さおよび総重量のいずれかの一般的制限値を超過したり、橋、高架の道路、トンネル等で総重量、高さのいずれかの制限値を超える車両のことを「特殊車両」と言います。必要な軸数、軸距等は、運搬する重量によって異なります。下記は代表的な「特殊車両」です。

  • 単車
    1. 1トラッククレーン
    • 特例5車種
      1. 1バン型セミトレーラ
      2. 2タンク型セミトレーラ
      3. 3幌枠型セミトレーラ
      4. 4コンテナ用セミトレーラ
      5. 5自動車運搬用セミトレーラ
      6. 6フルトレーラ

*フルトレーラー連結車については、トラックおよびトレーラーの双方が同一の種類の車両である必要はなく、それぞれが1)〜5)に該当すれば良い。

    • 追加3車種
      1. 1追加3車種
      2. 2スタンション型セミトレーラ
      3. 3船底型セミトレーラ(タイプ1)
      4. 4船底型セミトレーラ(タイプ2)

*上記1)〜4)は、貨物の落下を防ぐために、十分な強度のあおりや固縛装置等を有していなければならない。

  • その他
    1. 1海上コンテナ用セミトレーラ
    2. 2重量物運搬用セミトレーラ
    3. 3ポールトレーラ

通行許可申請方法と申請事務取扱窓口

申請方法の詳細は、自動車運転者、運航管理者必携の国土交通省発行「特殊車両通行ハンドブック」をご確認ください。申請についてはオンラインで受け付けておりますが、国の機関を除く高速道路各社や都道府県・政令市には、オンライン申請ができません。各申請事務取扱窓口については、下記URLをご確認ください。

特車ゴールド制度(ETC2.0装着車への特殊車両通行許可制度)

特車ゴールド制度とは、ETC2.0装着車を対象にした、手続きの簡素化や手数料が削減される制度です。利用規約をはじめ、対象範囲や申請方法については、下記URLをご確認ください。

新たな通行許可制度

2020年5月27日に公布された「道路法等の一部を改正する法律」(令和2年法律第31号)により、特殊車両の通行に関する新たな制度が創設され、2022年4月1日より施行されました。新たな通行制度の概要や、手数料の概要については、下記URLよりご確認ください。

まとめ

積載物の大きさや積載方法の制限は緩和されましたが、積載に関する留意事項については変わりません。積み込むものの大きさや方法についていま一度確認し、周囲の交通に影響が出ないよう、安全運転を心がけましょう。

  • 荷台や座席でないところに荷物を積んではいけません。
  • 定められた積載の制限を超えて、物を積んではいけません。
  • 運転の妨げになったり、自動車の安定が悪くなったりする積み方をしてはいけません。
  • 方向指示器、ナンバープレート、ブレーキ灯、尾灯等が見えにくくなるような積み方をしてはいけません。
  • 荷物が転落しないように、ロープやシートを使って荷物を確実に積まなければなりません。

<参考>

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