輸創企業

鋼材輸送のエキスパート
代表取締役社長 服部 隆和 氏
 その昔、荷馬車や大八車で荷物を運んでいたという服部鋼運株式会社は、1905年(明治38年)の創業。実に115年もの歴史を誇る輸送企業だ。代表取締役社長を務める服部隆和氏は4代目にあたる。1974年に同社に入社し、先代社長と共に経営に携わり、1994年に社長に就任したという。同社の沿革について服部社長にお話を伺った。
「1937年に運送免許を取得し、初めてトラックを導入。当時は、鉄製の農機具などを運んでいたと聞いています。その後、お客様の要望に応えて、中部・北陸エリアを中心に鋼材輸送を開始。以来、鋼材輸送に特化したかたちで事業を展開してきました。転機が訪れたのは2004年頃のこと。厚板や特厚鋼板の陸送業務を受注し、輸送エリアが一気に全国に拡大しました。さらに近年は、輸送業務に加え、倉庫からの積み出しや車両の積み降ろしなど、一部お客様の庫内業務も請け負っています」
 現在同社は、様々な鋼材(形鋼材、鋼管、鋼板、コイル等)を運搬するノウハウを蓄積。国内有数の鋼材メーカーや商社からの信頼も厚く、自他共に認める鋼材輸送のエキスパート企業へと成長した。協力会社を含めると1日100台以上の車両を稼動させているという。

空見営業所(名古屋市) 事業所

“人の和”でつなぐ組織づくり

 明治から令和に至る今日まで、非常に密度の濃い時代を確実に歩み続けてきた同社。目まぐるしく時代が変化していく中で、同社では連綿と受け継がれてきた経営方針があるそうだ。それは“人の和”を強みとする経営である。
「運送業は、いわゆる労働集約型の事業です。つまり、人の労働力に頼る割合が大きい仕事だからこそ“人の和”が大切。当社では、人と人との信頼関係をもとに、社員にとって明るく働きやすい企業風土づくりを醸成してきました。どんなに車両や物流機器が進化しても人材が確保できなければ、企業の成長も存続も望めませんから。少しでも社員の暮らしが良くなるように、そして安心して働き続けられるように努めてきました」
 と語られた服部社長。また同社では、協力会社も重要なビジネスパートナーとして位置づけており、つねに対等な立場で公正な取引を実践しているとのこと。会社から大切にされている社員は、共に働く仲間を大切にするようになる。すると、自然に仕事への取り組み方も良くなり、自ずと顧客や協力会社に対応も向上する。こうして同社は、顧客との信頼関係を維持し、100年以上の歴史を紡いできたのである。


受け継がれていく安全教育
常務取締役 服部 真士 氏
 重量物を運ぶ同社では、庫内作業や運転操作の些細なミスが重大事故につながりかねないことから、安全教育を徹底しているという。社員にとって一番良いことは、出社して仕事を終え、無事に帰宅できることだ、と常務取締役の服部真士氏は語る。
「当社は、事業において安全を最優先事項としています。それは自分と家族のためであり、仲間(同僚)のためであり、そして会社や顧客のため、社会のためです。当社は、この行動指針を代々受け継いできました。またGマークのほか、ISO14001も取得して、独自に作業マニュアルを作成。鋼材の種類ごとに作業手順を定め、事故防止に努めています」
 また同社では、重量物を運ぶため特に急発進や急停車、急ハンドルなど、急の付く運転をしないように厳しく指導しているという。運行上の問題に対して、積極的に意見が挙げられるなど、同社のドライバーの安全に対する意識も高く、改善策は「運輸会議」などで社内及び協力会社で共有化されている。「運輸会議」とは、毎月行われる少人数制のミーティング(ヒヤリハットや事故事例等の報告)のことである。もちろん現場でも、状況に応じて個別に安全指導が行われる。さらに昨年からは、外部の教育機関を利用して、省燃費・安全運転指導(管理職とドライバーを対象)などが実施されている。

人材教育


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