輸創企業

多様な顧客ニーズに応える輸送体制を構築
 日配品の配送から事業をスタートしたという有限会社山本水産輸送。岡山市に本社を置く同社は、主に食品(乳製品や加工食品、冷凍食品、食材等)や青果物の輸配送業務を手がけ、安定した経営基盤を築き上げてきた。2004年には、グループ企業のヤマスイ物流を設立し、原材料や部材などの輸送サービスも開始。さらに2010年には、レンタカーリース事業、損害保険代理店事業、自動車の鈑金・塗装・修理事業などを展開するファーストエイドを設立。事業の多角化を図る中でヤマスイグループを形成。その後、約300坪の物流センター(冷蔵倉庫)を本社敷地内に開設するなど、付加価値の高い輸送サービスを提供することで着実に業績を伸ばしてきた。2019年4月に移築したばかりの真新しい本社事務所は、同社の著しい成長ぶりを物語っている。
 現在、同社は事業拠点を岡山県と広島県に構え、小型車から大型車、トラクタに加え、冷蔵冷凍車、平ボディ、クレーン付き車など豊富な車両をラインナップ。創業から20年余り、保有車両台数はグループで270台を超えており、中四国地域の輸配送はもちろん、九州、関西、中部、関東方面への定期便、個配・チャーター便も運行している。また、厳格な温度管理が求められる食品などを含め、365日24時間体制の輸配送サービスを提供している。
 そんな同社の強みは柔軟な対応力。創業から間もない頃、厳しい経営状況が続いたこともあるという同社。しかし「感謝の気持ちを忘れず常に安心・安全をお届けする」という経営理念のもと、経営資源となる人材の育成、車両の確保、安全確実な運行体制づくりに努め、多様な顧客ニーズに応えてきた。例えば長距離輸送なら中継輸送で運ぶ、積み替えができない積荷ならトレーラ輸送で運ぶなど、輸送条件に応じて可能な輸送方法を提案。条件の厳しい依頼も、できるように創意工夫することで仕事を増やしてきたそうだ。

本社(岡山県岡山市)

車両代替は3年逆転の発想で車両を増車
常務取締役 山本 貢一 氏
 取材当日、この日は中型トラックフォワードの納車日ということで、立ち会わせていただくことになった。最近では、ほぼ毎月、新車を購入しているという同社。駐車場を見渡すと、複数の車両が駐車されており、しかも比較的新しい車種ばかり。実は、車両は3年で代替されており、つねに予備車両を用意しているとのこと。常務取締役の山本貢一氏に、車両の運用戦略についてお話を伺った。
「3年で代替している理由は、車両のランニングコストを削減するためです。早めに車両を代替することで、整備費や修繕費などが削減できます。また最近は、数年で車両の性能も向上するので、新車に代替するメリットも大きいですからね。予備車両は、急な仕事の依頼に応えるため。実際に当日に依頼される仕事も少なくないので、多めに車両を確保しておいても決してムダにはなりません。『急な依頼にも関わらず、きれいな車両を手配してくれてありがとう』と喜ばれることも多く、これを機会に定期的に仕事をいただいているお客様もいますから。また予備車両は、運行中の車両事故や故障などに備えるためでもあります。運送事業者にとってリスク管理は必須。トラブルが生じたときこそ、迅速な対応が求められますし、損失を最小限に抑えることが何よりも重要だと考えています。そして最後の1つが、ドライバーの職場環境を向上させるため。ドライバーにとって車両は、長い時間過ごす職場のようなもの。したがって当社では、ドライバーに気持ちよく働いてもらえるように、車両はドライバー固定で、新人でも新車を与えています。3年ごとに新しい車両に乗務できるので、ドライバーのモチベーションも維持できますし、離職率の低下にもつながっています」
 車両を廃車にするまで使って収益を上げ、元を取るのではなく、新車のメリットを最大限活かしてコストを抑え、サービスの質を高め、リスクを低減し、人材を確保する。同社は、まさに逆転の発想で車両を導入し、収益力を高めてきたと言えるだろう。
 ちなみに同社では、近郊の配送や定期便、中長距離のチャーター便に多くのいすゞ車を導入している。エルフ、フォワード、ギガのいずれも非常に燃費が良いと高評価をいただいた。またドライバーからは、長距離輸送時に、しっかり休憩や仮眠がとれる、とエンジン音が静かなギガが好評である。

ヤマスイグループ


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