輸創企業

現場第一主義で顧客と向き合う総合物流企業

 遠州とは、静岡県の西部地区にある7市1町(湖西市、浜松市、森町、磐田市、袋井市、掛川市、菊川市、御前崎市)の総称。1965年に創業した遠州トラック株式会社は、その7市の一つ、静岡県袋井市に本拠を構える総合物流企業である。遠州地域は、首都圏と関西経済圏のほぼ真ん中に位置する交通の要衝地。その優位性を活かすと共に、高度経済成長とモータリゼーションの波に乗り、同社は事業を拡大してきた。さらに、1970年後半には倉庫事業に進出。旺盛な倉庫需要に支えられ、次々と新しい倉庫を開設していく。また、顧客の要望に応えて保管業務から流通加工、入出庫管理、輸配送といった一連の物流サービスを提供する中で総合物流企業として歩み始める。静岡県を主力市場としながら、輸送エリアを広げ、独自に関東、関西を結ぶ物流ネットワークを築き上げていった。
 1995年には長年の念願であった証券取引所(現在のジャスダック市場)へ上場。県内の地場物流事業者の中で初の株式上場である。これに伴い社会的な信用が高まると共に、資金調達の選択肢が増え、財務状況が安定。さらに同社は、2006年に住友倉庫グループの傘下に加わる。グループ関係会社と綿密に連携することによって、より戦略的に物流事業を展開。これを機に同社は、新たな成長フェーズに移行していく。
 現在、同社は、あらゆる保管・荷役ニーズに合わせた総計100棟以上の物流倉庫を運営しており、いずれの施設も作業効率や交通の利便性に配慮して、幹線道路に近接した好立地に開設されている。また輸送能力は、静岡県下トップクラスの機動力を誇り、常時運行する車両と連携。積合せによる共同配送や倉庫を介さずに運ぶノンストック輸送など、様々な効率輸送を実現している。さらに同社には、高度な物流システムを支える優秀なエンジニアが多数在籍しており、物流の上流から下流まで柔軟に対応。部分的な効率化はもちろん、物流業務全般を包括的にアウトソーシングする3PLサービスも提供している。
 こうして県内でも有数の総合物流企業へと成長を遂げた同社。掲げてきた経営理念は「心」。合理化や効率性、収益力が求められる現代だからこそ「心」を信念とし、真心を込めたサービスが大切だという。物流をとおして、顧客に高品質で高付加価値なサービスを恒久的に提供し続ける「心ある会社」、そして、そこで働く全社員が世の中の経済活動の一端を担う者としての自覚を持ち、地域社会に貢献していく「心ある社員」となれるよう努めているという。また同社は、2015年の会社設立50周年を節目に、あらためて設立当時からのモットーである「顧客密着型」の事業運営に原点回帰。顧客ニーズにスピーディーに応え、競争力のある物流サービスを提供できるオンリーワン企業をめざしている。長年培ってきた物流ノウハウ、そして、企業規模が拡大した現在でも徹底して顧客と向き合う「現場第一主義」が、同社の最大の強みだと言えるだろう。

本社(静岡県袋井市)
事業・サービス

中継物流拠点「コネクトエリア浜松」を開設
営業戦略室 営業企画課長
中川 大作 氏

 昨年10月、全国のトラック運送事業者が利用できる中継物流拠点「コネクトエリア浜松」がオープンした。新東名高速道路の浜松サービスエリア(SA)下り線に隣接する当施設は、中日本高速道路(NEXCO中日本)の所有地を利用して、同社と共同で整備。施設の運営は同社が担っているという。常務執行役員営業本部副本部長の小澤宙通氏に、施設を作られた経緯についてお話を伺った。
「プロジェクトを立ち上げたのは5年前。静岡県西部で高速道路にアクセスしやすい立地を探しはじめたときに、NEXCO中日本様と接触。構想をご説明したところご賛同いただき、現在地を借り受けられることになりました。それから両社で詳細な整備計画を策定。昨年10月から運営を開始しています。
 遠州は関東と関西を結ぶ中間地点です。当施設でドライバーを交代、あるいはトレーラーを交換すれば、日帰りで運行することが可能になります。長距離運行の削減、ドライバー不足の解消、輸送の効率化など、多くの物流事業者がメリットを享受できます」
 当施設の利用料金は1台に付き1回600円(月会費別)。非常にリーズナブルな料金設定だ。施設へは、事前に発行される利用登録カード(ICカード)を使用して入退場できる。通信制御により、利用事業者や入退場の時間が記録される仕組みとなっている。営業戦略室営業企画課長の中川大作氏に、現在の利用状況についてお話を伺った。
「運行目的地である関東と関西に拠点を持つ事業者様を中心にご利用いただいています。現時点で1日の平均利用台数は20台ほど。最近は、路上での荷待ち停車が問題になっていますから、中継休憩地と合わせて利用されるケースもありますね。なお、新東名高速道路は6車線化が決定し、日本の大動脈として重要な役割を果たしていくことが見込まれます。当施設としては、まだキャパシティに余裕がありますので、引き続き多くの事業者にご利用いただけるようアピールしていきたいと考えています」
 なお今後は、当施設の運営と併せて、同社の有する車両や物流拠点の活用、静岡県全域の配送網を絡めた中継輸送サービス「e - change(イーチェンジ)」も注力していきたいという。

コネクトエリア浜松の運用/乗換:ドライバー交替方式のケース


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