事故事例から学ぶゼロ災害

事故を防ぐには
事故概要図
【追突までの経過】
(1) 信号待ちで渋滞している列の最後尾にAさんの運転する大型トラックが停止。
(2) 携帯電話にメールが入った。
(3) Aさんはメールを読みながら、時おり、上目遣いで前方の車の動きを見た。
(4) 前方の車が動き出したので、Aさんも発進。
(5) 直前に停止していたBさんの普通乗用車に追突。
〈A運転者〉
(1)  大型トラックは乗用車と比べて、車間距離を短くする傾向にあります。意識的に長めの車間距離を取って停止することで、運転視界も広がります。また、前車の運転者に恐怖心を抱かせることもありません。
(2)  信号待ちといえども車の運転中です。十分な安全確認のもとで運転するためにも、携帯電話の電源を切っておくことが最も確実な方法です。
(3)  車の前面ガラスは、前方の運転視界を確保するのに必要な大きさになっています。そこにスクリーンやステッカーなどを取り付けると、必ず視界が狭まります。前面ガラスの視界を妨げるものは、置いたり、取り付けたりしないようにしましょう。

〈B運転者〉
(1)  前車が動き出すときには、前方不注意の後続車に追突される可能性もあることを知っておくことは大事なことです。
(2)  そうすることで、追突されるのを避けようがない場合でも、ヘッドレストに頭部を押し付けておくなどの自己防衛をすることができ、被害を軽減することができます。


考察
 この事故は、Aさんの前方不注意が大きな要因と考えられますが、その根底には、フロント・スクリーン、半透明樹脂、ステッカーによる運転視界の妨げがあったと考えざるをえません。
 道路運送車両の保安基準第29条には「前面ガラスには規定されたもの以外のものが貼り付けられ、又は塗装されていてはならない」とあります。
 ところが街中では、前面ガラスの周囲に飾りをたくさんぶら下げたり、インストルメントパネル(計器盤)の上に運転視界を妨げるようなものを置いて、走行している大型トラックをよく見かけます。いずれも、前面ガラスに貼り付けてもいないし、塗装してあるわけでもないので「違反ではない」と思われるかもしれませんが、運転視界を著しく妨げるような状況があれば、道路交通法上、整備不良車運転違反にあたることがあります。もちろん、今回の事例のように交通事故の原因にもなります。また、道路運送車両法に違反していなくても、事故を起こせば、道交法70条の「安全運転義務違反」を適用されることも否定できません。
 今回の事例では、発進直後で衝突速度が低かったため、乗員の受けた傷害は軽微なものでしたが、走行中に同様のことが発生しないとは言い切れません。運行管理者や安全運転管理者は、このような潜在的事故要因を排除するように、日ごろから運転者に指導を徹底するようにしていただきたいものです。

※(財)交通事故総合分析センターのWebサイトはhttp://www.itarda.or.jpでご覧いただけます。


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