DeuSELプロジェクトは2024年10月末をもって完了し、HVO実装プロジェクトに移行しました。
HVOバスの動画はこちら:https://youtu.be/9proGQHNAKc
About DeuSEL
DeuSEL®(デューゼル)は、ミドリムシからつくったバイオ・ディーゼル。
体長0.05ミリ、植物と動物両方の性質を持つ微細藻類ミドリムシ(学名:ユーグレナ)から
次世代のバイオディーゼルをつくりだす、いすゞとユーグレナ社の共同研究。
それがDeuSEL®プロジェクトです。
いすゞは、毎日たくさんの輸送車両を生産する会社として、
より環境負荷の少ない物流社会を築いていくために。
ユーグレナ社は、世界で唯一のミドリムシ屋外大量培養技術を持つ会社として、
ミドリムシを活用したバイオディーゼルの実用化を加速させるために。
このプロジェクトから、地球にやさしい炭素循環型の未来を目指します。
DeuSEL®(デューゼル)は、DIESEL(ディーゼル)とeuglena(ユーグレナ)を組み合わせた造語で、
ユーグレナ(和名:ミドリムシ)からつくったバイオディーゼルを表すいすゞ自動車株式会社と
株式会社ユーグレナが共同で登録した商標です。
2014年7月1日から、いすゞ藤沢工場 湘南台駅のシャトルバスとして定期運行。
DeuSEL®バスは、通常のディーゼルエンジンを搭載したバスに、ミドリムシからつくった燃料DeuSEL®を入れて運行するシャトルバスです。2014年7月1日から、神奈川県のいすゞ藤沢工場と湘南台駅を定期運行します。このバスは、いすゞ社員の通勤や、工場に御用のお客様の送迎用として平日は毎日運行します。
いすゞの社用車で運行する送迎バスです。
メンテナンス等の理由により、予告なくDeuSEL®バスを運休する場合があります。
ミドリムシでバスが走るとは?

微細藻類 ミドリムシとは?
ミドリムシ(学名:ユーグレナ)はCO2を吸収しながら光合成で育つ、体長わずか0.05ミリの小さな藻の一種です。バイオ燃料の原料となることから、環境問題の解決の一助を担う素材として注目されています。また、ビタミン類、必須アミノ酸、DHAなど59 種類の豊富な栄養素を持つことより、健康食材としての活用も進んでいます。

ミドリムシは軽油に近い性質の油分をつくりだす。
ミドリムシの育て方を工夫することで、体内に軽油に近い油をつくらせることができます。この油分を抽出し精製することで、トラックやバス、飛行機などの燃料をつくりだすことが可能です。
DeuSEL®ができるまで
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(1)ミドリムシの培養
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(2)粉末にする
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(3)油脂分の抽出
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(4)精製等を経てDeuSEL®に
DeuSEL®は、地球を救うかもしれない。

DeuSEL®にはCO2削減効果が。
ミドリムシは、CO2を吸収して酸素を生み出す「光合成」で育ちます。また、ミドリムシの光合成効率は熱帯雨林の数倍と言われています。ミドリムシは効率良く光合成をし、CO2を吸収しながら成長する過程で油をつくりだします。この油からつくられたDeuSEL®を燃やし排出されるCO2は、もともとミドリムシが吸収したCO2であるため、DeuSEL®は環境負荷が限定的な炭素循環型の燃料と言えます。

DeuSEL®は食料と非競合。
ミドリムシは培養する際に農地を必要としないため、他のバイオ燃料で問題となる農地との競合性が低く、バイオ燃料による食料価格への影響が限定的です。また、現在バイオ燃料候補として挙げられている植物よりも、敷地面積当たりの油脂生産性が高いことも特徴です。
DeuSEL®が描く未来とは。

炭素循環型物流社会へ。
私たちの生活に欠かすことのできない物流。それを支えているのはトラックやバスといったディーゼル車両です。そんな車両がもっと環境にやさしくなったら。いすゞも、ハイブリッドディーゼル、天然ガスなど環境対応を進めていますが、大きな期待を寄せているもののひとつが、CO2を吸収して育つミドリムシ由来のバイオディーゼルDeuSEL®。このプロジェクトは炭素循環型の物流社会をつくる第一歩なのです。

資源の少ない日本だから目指す新エネルギー。
地球環境への負荷の軽減を目的に、世界中で様々な代替エネルギーの研究開発が行われています。資源が少ない日本だからこそ、資源ではなく技術力で取り組むことのできる代替エネルギー開発は重要です。ミドリムシの大量培養技術は日本だけの技術であり、このミドリムシ由来のDeuSEL®が、持続的に供給可能な日本の燃料開発の一翼を担うかもしれません。日本の未来のために、地球環境のために、DeuSEL®の技術開発を進めていきます。
もしこんなトラックが世界中を走ったら。
荷台の天井には培養プール。
太陽を浴び空気中のCO2で育ったミドリムシは、トラック内で精製されDeuSEL®に。
そして、ディーゼルエンジンを動かす。排気ガス中のCO2は、大気を通じて培養プールへ。
そのCO2でまたミドリムシが育つ。トラック一台で炭素循環型輸送が完結。
そんな夢のトラックを、いすゞのデザイナーたちが描いてみました。
こんなトラックたちが世界中を走ったら、
地球はもっと美しくなるだろうな、という想いをもって。