トラック大図鑑

あきら 「トラックの燃料タンクって外から見えるんだ」 バンドで固定されている燃料タンク
マスター 「外側に置くと、排気管やプロペラシャフトといった他の部品と配置が重ならなくて、燃料タンクのスペースを確保しやすいんだよ。それに燃料を入れる時も外側にある方が入れやすいしね」
きょうこ 「じゃ、その辺に止まっているトラックを見ればわかるのね」
マスター 「そうだね。目立たないけど、よく見るとわかる。しかもバンドで止めてあるスタイルが多いんだ」
きょうこ 「ええ。なんかそんなので大丈夫なの? しっかり固定しないで・・・」
マスター 「もちろんはずれたりしないようちゃんと設計されているけれど、バンドで止めているのはトラックの動きと関係があるんだよ。」
きょうこ 「どうして?」
マスター 「高速道路で車線を変更したりカーブを曲がったりするとき、トラックにはねじられるような力が加わるんだ。バンドで止めるスタイルだと、その力が直接タンクに伝わらないよう、逃がすことができるんだよ。
バンド以外の方法で固定されている場合もあるけど、ちゃんとねじれの力を吸収できる工夫はしてあるんだ」
あきら 「いやあ。トラックの燃料タンクっていろいろ考えてあるんだね!」
マスター 「そうなんだよ。取り付けるだけでもこんなに奥が深いんだ」

取り付けること自体大変な工夫がされているトラックの燃料タンクですが、その燃料タンク自身にもいろんな知られざる工夫があります。

(1)燃料が入れやすく、こぼれにくいこと
当たり前のことのようですが、いろんな条件に対応して取り付けてみたら、燃料が入れにくいということにならないよう、形状や取り付け場所が工夫されています。

(2)空気を吸い易く、雨水やゴミなどが入りにくいこと
実は燃料タンクは空気を「吸って」います。
エンジンに燃料が送られて、タンクの燃料が少なくなるにつれてタンク内の圧力は下がってきます。そこで適度に空気を取り入れて内部を一定の圧力で保ち続けるため、バルブ部分からタンク内に自然に空気が入るよう設計されています。
しかも空気は入ることができても、一緒に雨水やゴミなどが入ってしまうことがないような工夫もされているのです。

(3)最後まで燃料を吸えること
バッフルプレート図解
タンクの中の燃料が残り少なくなっても、最後まで吸い上げてエンジンに送る必要があります。坂道やカーブで、また加速や減速など車の大きな動きによって燃料がタンク内で動いても、残り少ない燃料がちゃんと吸い上げられるようにしなくてはなりません。
そこで、タンクの中は「バッフルプレート」という仕切りによっていくつかの部屋に区切られています。普段はプレートの下部にある小さな穴から燃料が行き来していますが、燃料が大きく動いたときにはプレートが燃料の動きを抑え、片側へ急激に集まらないようになっています。プレート以外にも、おわん型の仕組みを用いているタンクもあります。
これらの仕組みにより、残り少ない燃料をきちんと消費できるようにしているのです。

あきら 「ええ!燃料タンクの中って空っぽじゃないんだ」
マスター 「そう。こんな仕掛けがあるわけだ」
きょうこ 「トラックの燃料タンクって奥が深いのね」
マスター 「なにせ燃料がないと走らないからね」
あきら 「ぼくのお腹の中にも、残り少ない燃料をきちんと消費する仕組みがあるみたいだなあ。さっきサンドイッチ食べたのに、もうお腹へってきちゃったよ」
マスター 「それじゃもう一皿追加する?」
きょうこ 「マスター、あきらくんのは単なる食べ過ぎだから、少し水や空気をまぜてあげて」

こうして湘南台の喫茶店『いすゞCafe』では、マスターとカップルのよもやま話はつきることがないようである。

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