トラック大図鑑

あきら 「へえ、ステップとグリップってそんなにいろいろ考えられたものなんだね!」
マスター 「あきらくんは、経験したからわかるだろうけれど、その二つがないと、ちょっと乗り降りが大変だね。乗り降りに時間がかかると、仕事にならないよ」
きょうこ 「さっきの運転手さんは、どんなステップやグリップを使って窓を拭いていたの?」
マスター 「うん、トラックのキャブの前面をよく見ると、バンパーにステップ、そしてフロントガラスの下にグリップがついているんだよ。それらを使っていたんだろうね。さらに、後ろのデッキに移るためのステップもあるんだ」
きょうこ 「後ろに移るため?」
マスター 「ほんとは、いったんトラックから降りて、また後ろにのぼればいいんだろうけれど、みんないそがしく働いているからね。運転手さんは、運転席からよいしょって感じで後ろにワープする方がいいんだね(笑)」

ステップ
仕事の現場で働くための車がトラックです。現場で作業しやすくなければ困ります。たとえば、となりのトラックとの間に、すきまがないような狭い場所で、荷物の積み下ろしをしなくちゃいけないなんてことも珍しくありません。そのために、ドアを「全開にしたとき」あるいは「半開のとき」、どちらでも乗り降りがしやすいように、ステップとグリップを設定するように考えられています。

ステップとグリップは、天気の影響も考えて設計されています。たとえば、雪の降る季節では、靴の底についた雪がステップにたまったりすると、すべって危ないでしょう。靴の泥がたまったりもします。それも事故を起こすもとです。そのために、ステップは、雪や泥がたまらず、下に落ちるように「すのこ」のような形に設計されているのですね。また、乗り降りするうちに、ステップに靴の底がこすれます。その「こすれ」で錆びたりしないように、アルミや樹脂の材料で製造されています。

あきら 「ステップとグリップ、とても大切なものなんだね!」
マスター 「大型のトラックでは、さらにキャブの位置が高いので、乗り降りがしやすいよう、できるだけステップとグリップを低い位置に設定するように考えているんだよ。きょうこちゃんの身長より高い場所にのぼることになるかも知れないからね」
きょうこ 「トラックの運転手さんって、運転はもちろん大変でしょうけど、乗り降り自体もけっこう大変なのね」
マスター 「うん、安全に乗り降りできるように、また運転手さんにとって利便性がいいように設定して、さらに耐久性も高くしないといけないんだから、開発する人も大変なんだよ、きっと」
あきら 「ま、ぼくはいつもきょうこちゃんのステップだからね(笑)。踏み台だから」
きょうこ 「あら、そんなことないわよ」
マスター 「じゃ、わたしがグリップかな(笑)。頑強だし」
きょうこ 「わたしは体重軽いから大丈夫…、な、何よ!」

こうして湘南台の喫茶店『いすゞCafe』では、マスターとカップルのトラックに関するよもやま話はつきることがないようである。

トラック大図鑑の感想や、知りたい部品のリクエストを募集しています。 リクエスト・ご感想はこちら

Back   2/2