トラック大図鑑

インパネ編
ここは、神奈川県湘南台の喫茶店『いすゞCafe』。
しぶいマスターが一人で切り盛りしている。
若いころはトラックドライバーとして活躍したらしく、店にはそのころの写真や思い出の品が飾られている。
今日も地元の若いカップルが、おいしい珈琲に惹かれてやってきたようで・・・。
きょうこ 「マスター、あたしはモカください。あーもう、ひどい目にあっちゃった」
あきら 「(顔をふきながら)ぼくはキリマン。雨がぜんぜんやまないんだもん」
マスター 「どうしたの?」
きょうこ 「あきらくんの車のパワーウィンドウがね、閉まらなくなっちゃったの」
あきら 「雨はひどくなるし。あせっちゃって」
マスター 「あれあれ。それでどうしたの?」
あきら 「うーん、結局ディーラーまで何とかたどりついて、直してもらったんだよね。ヒューズが切れてたみたい」
きょうこ 「お金かかっちゃったねー。これぐらい自分で直せないの?」
あきら 「うーん(汗)」
マスター 「自動車のパワーウィンドウが開かないなんてトラブルはけっこうヒューズが原因ってことが多いんだよ」
あきら 「ぼくは車じたいは好きなんだけど、そんなに詳しくないんだよね。ヒューズがどこにあるかなんてわかんないよー」
マスター 「トラックだったらね、だいたいカンタンに自分で直せるようにしてあるんだよ」
きょうこ 「へえー、そうなの?」
マスター 「インパネって、いわゆるメーターとかが、ついている運転席の前の部分ね。わかりやすい場所にヒューズが並んでいて、しかも、どのヒューズがどこの部分のものかって示してあるからさ、自分でカンタンに入れ替えることができるんだよ。予備のヒューズもだいたいインパネにおいてあるからね」
二人 「へー」

インパネ
トラックは業務用として使われることがほとんどです。ですから、そのインパネは、仕事をしやすいように、使用するユーザーがいろいろ改造することが多く、そのために、あらかじめ手を入れやすいように設計してあります。

たとえば、荷台を上げたり下げたりするレバーが、インパネの右端についてたり、夜間の作業をすることが多い場合は、荷台に照明をつけることもあるので、照明用スイッチを取り付ける必要があります。
また、冷凍庫を取り付けて走るトラックのインパネには、冷凍庫の電源スイッチや温度の調整スイッチを取り付ける必要があるでしょう。 そんな改造がしやすいように、だいたいがトラックのインパネはワンタッチで取り外させるようにしてあるのです。

ヒューズボックス
また乗用車と違い、毎日高い稼働率で走行するトラックは、ヒューズなども磨耗しやすいのです。 電源トラブルの多くの原因はヒューズです。トラックがいちいちヒューズの交換のためにディーラーに行ったり、ロードサービスを呼んでいたりしては、仕事を進める上で支障が生じてしまいます。ですから、ヒューズのボックスは、マスターが話したように、インパネのわかりやすいところに配置され交換しやすいように工夫されているのです。

あきら 「トラックのインパネって、ヒューズの交換のことまで考えてつくられていたんだねー」
きょうこ 「ウチのマンションも、ブレーカーが各部屋に分かれていて、どの部屋のブレーカーが落ちたのか、わかるようになってるのよ」
マスター 「そんな感じだね。乗用車だと、いろいろ座席の下をのぞきこんだり、手間がかかる場合多いけどね。トラックの場合そんなことしてたら、仕事にならないからね」
あきら 「いいよねー。きょうこちゃんの家は新しいマンションだからさ…(あきらくんの家は築50年)」
マスター 「まあまあ。あと交通情報を一発で聞けるスイッチもインパネについているんだ」
あきら 「それは乗用車にもあるんじゃない?」
マスター 「乗用車のはだいたいラジオのスイッチに、メモリーとしてつけてあるんだけど、トラックのはとにかく、一発でスイッチオンして交通情報につなげるようにしてあるんだ。いちいちガチャガチャやっていたら面倒だからね」

  1/2   Next