トラック大図鑑

ハイブリッド編
ここは、神奈川県湘南台の喫茶店『いすゞCafe』。
しぶいマスターが一人で切り盛りしている。
若いころはトラックドライバーとして活躍したらしく、店にはそのころの写真や思い出の品が飾られている。
今日も地元の若いカップルが、おいしい珈琲に惹かれてやってきたようで・・・。
あきら 「マスター、近ごろ、ハイブリッド車が増えてきているよね」
マスター 「確かに普及してきたよね」
きょうこ 「でも、町で見るハイブリッド車って、乗用車ばかりよね」
あきら 「トラックのハイブリッド車ってないの?」
マスター 「走ってるよ。たしか乗用車の38%ぐらいがハイブリッドだと思うけど(※)、それに比べて、トラックはまだまだ普及率が低いんだ。(※軽自動車を除く新車国産乗用車登録台数より:2013年8月現在)これから伸びていくと思うけどね」
あきら 「トラックのハイブリッド車も、走っているってことだよね ! うーん。気がつかなかった」
マスター 「そうだよ。よく見ると、どこかに「ハイブリッド」っていうロゴマークがあるはずだけど、気がつかないんだよ、きっと」
きょうこ 「どうして気がつかないのかなあ?」
マスター 「乗用車のハイブリッド車って、ハイブリッド専門の車があるじゃない? あ、あの車だってすぐわかるような。トラックの場合は、ハイブリッド専用車がなく、型やデザインなどの差があまりないから、目立ちにくいのかもしれないね」
あきら 「うーん。それにしてもトラックもハイブリッド化が進んでいるなんて、知らなかったよ !」
マスター 「そうだね。それじゃ、今日はハイブリッドのトラックについてお話ししようかなあ」

ハイブリッド車
いつもお話するように、トラックは「はたらく車」です。乗用車と比べて、走行距離も、使う年数も、とても長いということを、まず頭に置いてくださいね !

トラックのハイブリッド・システムには、大容量蓄電池(バッテリー)、そしてモーターとインバーター(バッテリーの直流電力から交流に変換して、駆動用モーターを動かすもの)が基本的に使われます。ハイブリッドの仕組みやバッテリーの種類については、メーカーによって若干の違いはありますが、化石燃料(トラックの場合主に軽油)で動くエンジンと、電力で動くモーターのどちらか、または両方で走ることは変わりません。そして、減速するときに熱として捨てている運動エネルギーを電気に変えて、その電気を再利用するシステムだと思ってください。なので、燃費を向上させ、CO2(二酸化炭素)の量を抑えられる、つまり環境にやさしいトラックを実現できるということなのです。
ハイブリッド・システム

トラックを使う人たちも、燃費と環境のことは大切に考えていますので、ハイブリッド化を検討する人が増えています。さっき述べたバッテリーとインバーターは、トラックの前後のタイヤの間の専用ボックスの中に収められています。「普通乗用車と比べて、大きく重いトラックには、やはり大きなバッテリーやモーターが必要なのかな…」と思われるかも知れないですが、バッテリーの容量やモーター出力は、ハイブリッド乗用車とあまり変わらないのですよ。

ただし、バッテリーについては、寿命が長いものでなくてはなりません。なぜなら、先ほど述べたように、トラックは走行距離、使う年数も長く、10年以上はふつうに使えないと困るのです。なので、トラックのハイブリッドの仕組みには、高寿命のバッテリーが使われます。
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