トラック大図鑑

あきら 「なるほど。トラックのハンドルって、考えていたのとぜんぜん違ってたね」
きょうこ 「でもね、確かに力がそんなに必要ないのはわかったけど、あたしなんか体が小さいし、やっぱり運転しにくいんじゃないかしら」
ご老公 「ほっほっほっ。お嬢ちゃんは細いし、華奢(きゃしゃ)じゃが心配ないわい。ちゃんとハンドルの角度を変えたり、上下させたりできるようになっているんじゃよ」 チルト&テレスコピックステアリング
マスター 「『チルト&テレスコピックステアリング』といって、ほとんどのトラックがドライバーの身体に合わせて運転しやすいように調節できるんだね」
きょうこ 「じゃ細くて華奢なあたしでも大丈夫ね!」
あきら 「・・・(自分で言うかなあ)」

トラックのどの部分も安全にとって大切な機能を担っているのですが、走る方向を決めるハンドルは、とくに大切なものといっていいでしょう。
ハンドルが壊れたりしたら即命にかかわる事故に直結します。したがって、その耐久性、「強度」と「寿命」にはたいへんな注意がはらわれています。

衝突前と衝突後の曲がり方の図
しかし、万が一の事故にあったとき、たとえば追突事故の時には、ドライバーの体、とくにお腹の付近をハンドルが圧迫して危険なので、ぐにゃっと曲がるような素材を使っています。耐久性に優れていながら、万が一の時には身体を圧迫しないそんなスグレモノなのです。

そしてハンドルに求められる大きな機能がもうひとつ。それは「直進安定性」。
大きなトラックで道を走ります。道にはヘコミもあるし、風も吹きます。
運転手は、無意識に細かくハンドルを切って調整しながら走っているので、そこに違和感があると大変なストレスになります。とくに長距離を走ることの多いトラックではなおさら、安定してまっすぐ走ること。思ったとおりにハンドルを切って、思ったとおりに曲がる。そんな操作性が何より大事なのですね。

きょうこ 「へえー。道って、ほおっておいても真っ直ぐ走れるもんだとばっかり思ってた」
ご老公 「おまけにのう、トラックは荷物なしで走るときと、荷物を満載して走るときでは、車体の重さが倍ぐらい違うんじゃ」
あきら 「そんなに違うんだ」
きょうこ 「それでも安定して真っ直ぐに走行できるような操作性がハンドルには求められるわけね」
あきら 「ハンドルの役目ってたいへんなんだね」
ご老公 「ふぉーっほっほっほっ。わかれば良いのじゃ。さて、わしは水戸に帰るとするかの」
マスター 「あ、ご老公。コーヒーのお代を・・・」
ご老公 「苦しゅうない!そこの助さんと格さんが払うわい」
二人 「はれー」
ご老公 「ふぉーっほっほっほっ(出て行く)」

こうして湘南台の喫茶店『いすゞCafe』では、マスターとカップルが今日もお茶を飲んでいるのである。

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