トラック大図鑑

あきら 「いまさらだけど、トラックの使い道ってさまざまなんだね」
マスター 「そう。コンビニの配送や砂利の運搬じゃ全然違うよね」
あきら 「やっぱり働く車なんだなあ」
マスター 「フレームの上側、つまり荷台の部分はドライバーや作業する人たちが使いやすいようにしなくてはいけないんだね」
きょうこ 「乗用車とはぜんぜん違うんだ」
マスター 「乗用車は、たとえば同じブランドの車だったら、ある程度できあがった形で来るから、そんなに大きく形を変えたりしないよね」
きょうこ 「そうね」
マスター 「トラックは使う人たちが働きやすいように、いろんなことが要求されるんだ。フレームもそんないろんなことを頭に入れて開発しなくてはいけないから、単なる長い鉄骨ではないんだよ」

マスターが言ったように「フレームの上側」は使う人たち、つまり働く人たちのスペース。使う人は荷物をたくさん積みたいので、できるだけ広く場所を使いたいのです。だから、フレームに取り付けた部品がはみ出て、場所が狭くなったり、使いにくくなったりしないように気をつけなくてはなりません。
その上、すべての部品はフレームにつくので、効率的に部品を配置しなくてはいけないし、むろん安全性も高めなくてはいけない。フレームを開発する上では、こんなにいろんな問題を解決するための工夫が必要になるのです。
安全性、という点ではもちろん強度も大事ですが、万が一のことも考えると、「つぶれないように」、しかし衝突時のエネルギーを吸収するために「最適につぶれるように」という矛盾したふたつの問題もクリアしなくてはいけません。
大事な荷物が傷まないように、トラックの後方はフレームの強度を高めます。ただし、前方には人間が乗っています。大きく急激な衝撃があった場合、中の運転手のことを考えると、ある程度フレームが適切につぶれないとかえって危険なので、その辺を両立させるように日々改良が検討されています。
シミュレーション解析例図解

この他にも「剛性」と「軽さ」も重要になります。
例えば高速道路を走行していて車線を変更するときなどに、トラックにはねじられるような力が加わります。そんなときにも安定して走行できる適切な剛性を持ったフレームでなくてはいけません。「ねじる」「曲げる」、そんないろいろな力が加えられても対応できるフレームが、操縦安定性のある乗り心地の良いトラックには必要不可欠です。
そしてトラックには、燃費を良くしたり積む荷物を増やしたりできるよう、車体の重量をなるべく軽くすることも求められます。車体の数パーセントの重さをフレームが占めているので、その重量を少しでも減らすこともとても大事なんです。
これらすべてを成立させるために、フレームの開発は様々な工夫をしているのです。

あきら 「確かにフレームって人間の背骨以上のたいへんな役目をしているんだね」
マスター 「うん。ほんとに普段は見えないけれどね」
きょうこ 「なんか家の大黒柱みたいね」
マスター 「そう、それがあってこそ部屋ができるんだからね」
あきら 「何かフレームって男らしくっていいね。ぼくもフレームみたいな男でありたい」
きょうこ 「あんな草野球で背中を痛めるぐらいじゃムリね。運動不足な男はダメよ!」
マスター 「おっと。フレームじゃなくてクレームが来たね」

こうして湘南台の喫茶店『いすゞCafe』では、マスターとカップルのよもやま話はつきることがないようである。

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