トラック大図鑑

排気システム編
ここは、神奈川県湘南台の喫茶店『いすゞCafe』。
しぶいマスターが一人で切り盛りしている。
若いころはトラックドライバーとして活躍したらしく、店にはそのころの写真や思い出の品が飾られている。
今日も地元の若いカップルが、おいしい珈琲に惹かれてやってきたようで・・・。
きょうこ 「マスター、ブレンド」
あきら 「ぼくもブレンド」
マスター 「はいはい。きょうこちゃん、買い物に行ってきたの?」
きょうこ 「そうなの。ちゃんとマイバッグ持ってね」
マスター 「なるほど。環境のことを考えて、ムダな買い物袋を使わないようにってことだね」
きょうこ 「少しでもそういうことは考えていかなくちゃいけないって思うようになったの」
あきら 「マイバッグもって買い物に行くとポイントももらえるからだよ」
マスター 「ははは。でも、そういうことがきっかけでもいいじゃない」
きょうこ 「トラックも環境のことについては、いろいろ考えて作られているのかな?」
マスター 「そうだね。環境に関しては、トラックにもいろんな工夫がなされているけれど、代表的なもののひとつが排気システムだと思うんだ。今日は排気システムの話をしようか?」
あきら 「排気ガスを出す部分なんてパイプみたいなものでしょ?たいして工夫するところはないんじゃないの?」
マスター 「とんでもない。排気システムは工夫の固まりなんだよ!それはね・・・」

排気システム位置図解
トラックの排気ガスを出すための排気システム。それはエンジンから出た排気ガスを「触媒」と呼ばれる部分を経由させ、サイレンサー(マフラーとも通称呼びます)の中を通して、大気中に出すまでのシステムです。一本の長い管をイメージしてください。しかし、それは単なる管ではなく、マスターが言うようにさまざまな工夫が盛り込まれているのです。 排気システムには3つの大きな目的があります。

まず1つめの目的は、排気ガスをクリーンにすることです。エンジンから出た高温の排気ガスは「触媒」部分に送られます。「触媒」とは排気ガスをクリーンにする機能を持つもので、排気ガスの温度が高いと活性化し、その働きがよくなります。
このため、例えば「中空二重管」という特殊な管を使い、排気ガスの温度を高く保ったまま「触媒」に送る工夫がされています。これは、管の中に太さの違う管を通して二重にし、そこにできた空間によって排気ガスの温度を高く保つようにするものです。排気ガスはこの内側の管を通って高い温度に保たれたまま送られるので「触媒」の働きが促進され、よりクリーンになるのです。

2つめの目的は、排気ガスを出すことによって起きる騒音をできるだけ抑えることです。これは主にサイレンサーと呼ばれる部分が、排気ガスを膨張させたり、収縮させたりして抵抗を与え、音がなるべく小さくなるように設計されているのです。
一般的に排気ガスが管の中を流れる抵抗を大きくすると音が小さくなるのですが、排気システムはエンジンとつながっているので、エンジン性能のことも考えなくてはなりません。あまり、排気ガスが流れる抵抗を大きくし過ぎると、エンジンの出力が悪くなるということがおこります。なので、騒音を抑えることとエンジンの出力とのバランスを考えて、管の太さ、サイレンサーの構造が最適になるように調整と工夫がされています。

3つめの目的は、熱い排気ガスをある程度冷やして外に出すことです。エンジンから出る排気ガスの温度は何百度にもなります。そのため、サイレンサーの中で排気ガスを膨張させたり、管やサイレンサー表面から放熱させることで熱を奪っていくようにしています。なので、排気システム自体も高熱に耐える材質でなくてはなりません。近年、高温でも強度が高いこと、さびにくいことからステンレスが材質に使われることが多いようです。

排気系システム

  1/2   Next