トラック大図鑑

きょうこ 「トラックの吸気ダクトってそんなに工夫がされているのね!」
あきら 「地味だけどすごく大切な部分なんだね」
マスター 「そうなんだよ。トラックは空気がないと走れないんだ。だから、効率よく空気を吸い込むと言うことは、とても大切なことで、吸気ダクトはその責任を背負っているんだ」
きょうこ 「もっとたくさん空気を吸い込めるように、大きな吸気口にしたらいいんじゃない? あきらくんの鼻の穴みたいに大きく」
あきら 「余計なお世話だよ」
マスター 「そうできればいいんだけれどね。これは毎回話していることかもしれないけれど、トラックには限られたスペースしかない。そこにいろんな機能を詰め込む必要がある。だから吸気ダクトに使えるスペースもわずかしかないので、限られたスペースで最大の効果を上げることが求められるんだ」
あきら 「その中で、効率よく空気を吸い込んで、水や異物を入れないようにして、なおかつ、吸気音を出さないようにしなくちゃいけないんだね」
マスター 「そうなんだ。ちょっと見ただけではわからないだろうけれど、吸気ダクトというのは工夫の固まりなんだよ・・・」

吸気ダクト種類解説図
キャブの背面に背負うタイプの吸気ダクトを「吸気バーチカルダクト」といいますが、「フロント吸気システム」といって、キャブ前面に吸気口があるものがあります。これは荷台スペースをより広く使いたいためです。

そんな限られたスペースで吸気をスムーズに行い、エンジンに空気を送る吸気ダクトに求められることは、エンジンの働きと直結しています。「燃費を良くすること」「排ガス性能をよくすること」そして、「出力トルクを上げること」つまりエンジンのパワーを上げることです。しかし、この3つは、どれかを重視するとどれかの性能に影響するという関係にあります。ですから、吸気ダクトには、「出力トルクを上げながらも、燃費をよくするように」「排ガス性能を良くしながらも出力トルクを下げないように」といった難しい開発目標を達成する為に、厳しい吸気抵抗低減の条件がつけられます。

各種センサー解説図
そんな工夫を支えるもののひとつが「センサー」です。吸気ダクトには次のようなセンサーが装備され、エンジンの制御に利用します。
・目詰まりセンサー
・流量センサー
・圧力センサー
つまり吸気ダクトの目詰まりの状態、空気が流れる量、かかっている圧力などをそれぞれいつも感知しているのです。

そうした吸気ダクトには、その素材についてもいろいろ研究が進んでいます。スチール、ゴム、樹脂など、要求される性能や、価格を検討した上で最適な素材が選ばれます。
また、海外の、砂塵など空気に塵などが多い地域向けのトラックには「プレエアクリーナー」といって、サイクロン式の小さなエアクリーナーを吸気ダクトに内蔵したものもあるのです。

あきら 「吸気ダクトってこんなに工夫がされているんだ! ぼくの鼻の穴どころじゃないよ!」
マスター 「繰り返すけれど、空気を吸い込まないとトラックは走らないからね」
きょうこ 「排気ガスのことも、もう空気を吸うところから考えられているのね」
マスター 「そうだね。結局空気を吸ってから吐き出すまでがひとつの流れだから、吸い込むときから工夫がされているんだ」
きょうこ 「しかも、エンジンの性能も高めなくちゃいけないし」
あきら 「タイヘンだなあ」
マスター 「さあ、掃除が終わったよ。注文は何にする?」
あきら 「今日はおいしい空気を吸ったからもういいや。帰るね」
マスター 「がくっ」

こうして湘南台の喫茶店『いすゞCafe』では、マスターとカップルのよもやま話はつきることがないようである。

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