トラック大図鑑

エアデフレクター編
ここは、神奈川県湘南台の喫茶店『いすゞCafe』。
しぶいマスターが一人で切り盛りしている。
若いころはトラックドライバーとして活躍したらしく、店にはそのころの写真や思い出の品が飾られている。
今日も地元の若いカップルが、おいしい珈琲に惹かれてやってきたようで・・・。
きょうこ 「マスター、アメリカン。そうそう今日かっこいい車を見たよ! スポーツカータイプなんだけど・・・、何て言ったっけ? あの付いてたかっこいいもの?」
あきら 「エアロパーツだろ」
きょうこ 「そう、それをつけてる速そうな車だったの。トラックにもああいうアロエ・・・だっけ。ってあるの?」
あきら 「エアロパーツ」
マスター 「もちろんトラックにもあるよ。昔はあまり見なかったけど、研究が進められ、その効果が良く知られるようになってきたからね。たとえば運転席の上の方についているの見たことないかい?」
きょうこ 「そういえば、何か斜めに、ついているのを見たことあるかも」
あきら 「あれは何て言うの?」
マスター 「エアデフレクターって言うんだ」
きょうこ 「トラックって大きいから、あんまり、ああいうのつけても関係ないでしょ?」
あきら 「かっこだけじゃないの(笑)」
マスター 「いやいやとんでもない。エアデフレクターは大切な役目を持ってるんだよ。実はね・・・」

エアデフレクターの位置図解
トラックの目立つところにあるエアデフレクター。その大きな役目はふたつです。ひとつは「空気の抵抗をできるだけ下げること」。もうひとつは、「デザイン性を高めること」。
ひとつめの「空気の抵抗をできるだけ下げること」は、何となくイメージできるかも知れません。スポーツカーや新幹線の流線型スタイルを見ても、ああ、速そうだなあと思いますよね。しかし、トラックの形を思い浮かべてみてください。四角い形状のトラックでは、いかにも空気抵抗が高そうですよね。

空気抵抗の図
専門の機器で測定すると、空気の大きな抵抗が車体にかかっていることがわかります。バンパーやミラーなど、いろんな場所でも空気抵抗を下げるよう工夫されていますが、なんといっても中心的役割を果たすのは、キャブの上部にあるこのエアデフレクターなのです。

それでは「空気抵抗を下げること」がどんなことに役に立つのでしょうか? それは『燃費を抑えること』です。適切なエアデフレクターをつけた場合には、つけてない場合と比べて、空気抵抗の低減により、燃費が向上するという実験結果があります。むろん、市街地や高速道路などの走る条件やドライバーの運転の仕方によっても変わりますが、空気抵抗の差により、燃費に違いが出ることがわかっています。

燃費が抑えられると言うことは、もちろん燃料費低減につながるのですが、トラックの燃料である軽油などの化石燃料の使用が抑えられると言うことで、『環境保護』にもつながります。

「デザイン性を高めること」は、言うまでもありませんよね。一番目立つところにあるので、つまりトラックを「かっこよく見せる」役割を果たすわけです。使う人の要望によって、キャブに固定してしまうタイプや、荷台の架装によって状態を変えられるタイプ、またコストが安いボードタイプのものが選べます。そこに看板を取りつけたトラックもよく見ますね。
バリエーションの図

トラックにとってのエアデフレクターの歴史はそんなに古くないのですが、近ごろは取りつけるトラックの比率がどんどんあがっているようです。

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