バス大図鑑

教えて「フロア」のこと

大森の商店街の小さなレストラン「キッチンいすゞ」。マスターは路線バスの運転手でしたが引退して、実家の洋食店を継ぎ、カウンター越しに、お客との会話を楽しみながら、おいしいランチを提供しています。常連のお客さんにバスの話が大好きな親子がいて、今日もやってきたようです。
お父さん 「マスター、オムライスとナポリタンください」
マスター 「はいよ」
ムスコくん 「マスター、今日もバスの話聞いていい?」
マスター 「バスのことが好きなんですなあ、うれしいですよ!」
ムスコくん 「近所を走るバスに『ノンステップ』って書いてあるんだけど、あれってどういう意味?」
マスター 「はい、ナポリタンとオムライス! いいところに気がつきましたね。カンタンに言えば、高齢者や体の不自由な方が、乗り降りしやすくするために、バスの床(フロアっていうんですけどね)を低い構造にして、さらに車内の段差を極力なくしたバスのことなんですなあ」
お父さん 「なるほど」
マスター 「ひと言でいってしまいましたけど、バスの『フロア』には、けっこう色んな工夫がつまっているんですよ。食べながら聞いてもらえますか?」
ムスコくん 「聞かせて! パクパク」

みなさんがよく利用する路線バス。そのフロアの形状は、『ノンステップバス』と『ワンステップバス』の大きくは2種類に分けられるのです。

(1) ノンステップバス


ノンステップ
バスに乗り降りするときの階段みたいなところを『ステップ』といいますが、ノンステップバスは、乗降口からのステップがなく前扉から中扉までが段差のないフロアとなっています。段差のないフロアのおかげで、乗り降りしやすいのですね。
その反面、床を低くする構造の影響で、フロントフェンダー(※)と呼ばれる部分を大きくせざるを得ません。その影響で、座席数が減少したり、座席面の高さが上がったりしてしまう難点があります。カンタンに言うと、バスを運行する会社さんから見ると、乗せられるお客さんの人数が、ちょっとだけ減ってしまうと言うことです。また、座席面の高さが上がると、ちょっと座り心地がよくなくなるというのがデメリットです。

※前輪のタイヤの、泥よけの部分です。

(2) ワンステップバス


ワンステップ
乗降口に乗り降りのためのステップがあるバスです。
法的にステップの地上高、ステップ一段の高さ等が決められています。ステップがあることにより乗り降りの動作はノンステップバスより劣りますが、床面が上がる構造によって、座席数が確保できますし、座り心地がノンステップバスよりよくなる利点があります。

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