バス大図鑑

教えて「フロア」のこと


ニーリング
みなさんは、バス全体を少し傾けるようにして、高さを調節している風景を見たことがないでしょうか? あれは『ニーリング機能』によって行われます。
バスの車体を支えている「バネ」は、空気でコントロールされており、エアサスペンション、略してエアサスと言ったりします。バスの運転手さんは、そのエアサスの空気を調整することによって(レベリングデバイスと言います)、車体を少し下げたり上げたりすることができるのです。ステップを上がるのが容易でない人のために、車体の高さを調節して、上がりやすくするのですね。
路線バスの場合、乗り降りする扉は複数あるので、前輪、後輪両方でニーリングを行なうことが可能になっています。ノンステップバスでは標準装備されており、ワンステップバスでもこの機能を備えていることもあります。人が「片膝(膝 = ニー)をつく」ように見えるところから、ニーリングと命名されたようです。

ムスコくん 「ええ、バスが下がるところなんて見たことないよー」
お父さん 「パパはあるぜ、ふっふっふ」
ムスコくん 「見てみたいよー」
マスター 「あはは。そのうち見ることができますよ。ちなみに観光バスでもニーリング機能はあります。でも、だいたい乗り降りは前側なので、傾き方がちょっと違いますかなあ」
ムスコくん 「好きなんだけど、けっこう気がつかないことがあるんだね」
マスター 「けっこう気がつかないことで言えば、バスのフロアにはまだまだありますよ。つかまるための手すりの色とか覚えていますか?」
ムスコくん 「え?何色だっけ」

バスのフロアは、乗り降りするときはもちろんですが、お客さんが乗ってから席まで移動する間にも、安全性には気を配らなくてはいけません。
まず、床の材質をすべりにくいノンスリップタイプのものにしています。また、移動するときに体を支えるためにバスの中には手すりや握り棒などがあります。その色は、高齢者の方や色覚障害者の方でも、認識しやすいように握棒を朱色または黄赤色にしています。バスを降りるときに運転手に合図する「押しボタン」も、朱色または黄赤色を採用していて、目立つように工夫しています。
さらに、座席、握棒、通路、注意箇所などが明確に識別できる様に、天井、腰板、床等と、色の明るさの差をつけた色彩としています。たとえば、天井や腰板などは、グレーなどの目立たない沈んだ色にして、目立たせたいところとの区別をつけます。なので、あんまり突飛な色の組み合わせにならないよう、たとえば、天井も床も座席も、みんな真っ赤みたいな色使いは採用される可能性は低いでしょう。

ムスコくん 「バスって、そんなことにも気を配っているんだ…」
マスター 「バスの運転手さんは、お客さんが座席に着くまで、あるいはつり革をつかんでしっかりした状態になるまで、基本的には車を動かしませんよ。それはお客さんの安全のためなんですなあ」
お父さん 「ところで、バスの中の色って、言われてみれば地味だね。あれは、手すりや押しボタンなどを目立たせるための配慮だったんだね」
ムスコくん 「でもね、この頃、バスの車体にイラストを描いたりしている派手なものもあるでしょ?」
マスター 「あれは、『ラッピングバス』というのですよ。外側はいいのです。お客さんが乗って、中で大事なものを認識しやすいようにすることが大切なんですなあ」
お父さん 「この店も内装が地味なのは、料理を目立たせるためなの?(笑)」
マスター 「ははは。痛いところをつきますなあ。単に内装の費用がもったいないからです」
お父さん 「ははは…」

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