プレスリリース

2002年10月25日


いすゞ「新3カ年計画」の策定と、
資本の減少、債務の株式化および業績の修正について

各     位

会 社 名 いすゞ自動車株式会社
代表者名 取締役社長 井田 義則
(コード番号 7202 東証第1部)
問合せ先 総務人事部グループリーダー
土屋 良文
TEL.(03)5471−1141

 いすゞ自動車株式会社は、本日開催した取締役会で、本年8月14日に公表した「新3ヵ年計画」の大枠を基に、その具体的計画を策定した。
 新3ヵ年計画では、事業リスクが高く経営に大きな影響を与えていた北米SUV事業で抜本的な対応を行うとともに、今後の事業体制を見込んだ大幅な要員削減を行い、目標とする要員体制の早期確立に目処をつけ、収益基盤の改善を図る。
 また、「新3年計画」の実行を確実なものとするため、平成14年11月27日開催予定の臨時株主総会の承認を経て、筆頭株主である米国ゼネラルモーターズ社(以下GM)から代表取締役副社長、みずほコーポレート銀行(以下みずほ)から取締役副社長の就任(ともに予定)を得て、経営体制の強化を図る。さらに11月1日付で「新3年計画」の推進機能を事業推進部に追加すると共に、組織の一層のスリム化と効率化を進めることとした。
 なお今回、GM、関係金融機関の合意が得られたことから、臨時株主総会では「新3年計画」の推進に伴い実施する「資本の減少」、「法定準備金の取り崩し」、債務の株式化に向け発行する優先株に関する「定款の変更」等について、併せて付議する予定である。

I. 新3年計画の背景
 いすゞは、企業価値の回復と企業競争力の強化のために、国内販売会社の体質強化、グループ要員の削減、調達コストの削減等を柱とする中期経営計画(いすゞ V−PLAN)を推進し、着実に業績を回復させ、2002年3月期には3期振りに営業黒字化を達成した。 しかしながら、国内商用車市場の長期低迷や米国SUV販売の不振など、環境は依然厳しく、V‐PLANを確実に達成し、盤石な企業体質の構築を図るためには、施策の見直し及び実行の加速と、事業体制と財務構造の抜本的な改革が必要であるとの認識に至った。このため、新たにGMの支援や金融機関の協力を得て、企業再建に向けた新3年計画(2005年3月期まで)を策定した。

II. 新3年計画の概要
 当社は従来から進めているいすゞV−PLANに沿って、優位性のあるディーゼルエンジン技術を最大限に活かしながら商用車事業に特化(経営リソースを商用車事業に集約)し、開発から販売までの機能強化と収益体質の強化を図る。 主な市場としては、日本および当社が先行して拠点化を進め今後マーケットの飛躍的な成長が期待される中国・アセアン、そして北米を中心に事業を展開していく。
 主要市場においては、日本国内の全需が大きく低迷する中で大型から小型まで着実にシェアーの向上を果し、タイでは本年5月に投入したピックアップトラックの販売好調により40%近くまでシェアーを上げると共に、中国では2008年の北京オリンピックに向けた建設ラッシュの中で大型トラックの完成車輸出が増大するなど、いすゞの強みが発揮されつつある。
 また、パワートレイン事業分野においては、最大顧客であるGMとの合弁化により事業負担、開発投資負担を軽減し、事業の安定化を図りながら、リソースを先進技術開発に集約して、一層の競争力強化を図り、いすゞが他社より先行する排ガス技術、環境対応技術の優位性を高めていく。
 このため、将来に亙っての不確定要素を取り除き、本業の更なる改善を目指すべく、北米事業体制の見直しや希望退職等のリストラを実施する。これにより2003年3月期の特別損益は、約1,400億円の損失を計上する見込みであるが、これについては減資等により対応する。 なお、この損失は今回の新3年計画推進に伴うものであり、来期以降は北米事業体制の見直しや要員削減効果等により毎年度約600億円の収益改善として業績に寄与していくこととなる。 加えて自己資本の充実を図るため、GMからの増資を受け、さらに主要金融機関の債務の株式化等により、財務構造の改善を図っていく。
 また、新3年計画の確実な遂行に向け、GMから代表取締役副社長及びみずほから取締役副社長の就任(ともに予定)を得て、マネージメント改革・組織見直しによる経営管理体制の強化を進める。

III. 計画の具体的内容
1.事業体制の見直し
☆北米SUV事業の再構築
 北米SUV事業は、スバル・いすゞ オートモーティブ インク(SIA)の稼働率を優先させたボリューム追求型ビジネスとなっていた。 このため、新車販売の不振による流通在庫や販売コストが増大し、大きな赤字の原因となっていた。今回、収益重視の事業体制に再構築するため、余剰生産設備の減損等を実施し、さらに富士重工業(株)にいすゞ持分の譲渡を行い、富士重工業(株)が工場を一括運営することにより合理化を図ることとした。いすゞSUVの生産については今後SIAに委託し、引続き供給を続けていく。またこれと併せて販売面での固定コストの徹底的な削減も実施する。

北米SUV生産事業の合理化
  北米での富士重工業(株)との生産合弁会社SIAの提携解消
  提携解消後のSIAに対し、いすゞSUVの生産を委託
北米のSUVラインナップ補完のため、GMからのOEM車を調達
  2002年12月からアセンダー(シボレートレイルブレーザー・GMCエンボイ ベースの7座席SUV)の販売を開始
  OEM車の追加投入(シボレートレイルブレーザー・GMCエンボイ ベースの5座席SUV)
北米SUV販売事業の効率化
  SUVの在庫水準を90日へと適正化
  SUV事業人員約330名を半数以下に絞り込み、高効率運営を行う。

☆パワートレイン(PT)事業のGMとの協業強化
 ディーゼルエンジン事業については、従来よりGM向けに供給している乗用車向けと北米ピックアップトラック向けの3機種の生産及びアプリケーション開発に関してGMと合弁で取り組むこととした。最大顧客であるGMと合弁することにより、需要の確保と収益の安定化を図り、さらに初期投資の大きなエンジン事業の投資負担をGMが担うことから、先進技術開発に一層のリソース集中が可能となり、いすゞのみならずGMグループの競争力強化に寄与することとなる。

既存PT事業の合弁化
  いすゞモータース ポルスカ(ISPOL)といすゞモータース ジャーマニー(IMG)の株式の60%をGMに売却
  ディーマックス(DMAX Ltd.)の株式の20%をGMに売却し、GM保有比率を60%とする。
GM向けディーゼルエンジン開発管理会社(J/V)の設立
  GMが60%、いすゞが40%出資し、ISPOL、DMAX、北海道工場でGM車両向けに生産されているディーゼルエンジンのプログラム・マネージメント及び一部開発・購買・品質保証業務を行う。
  GM向けディーゼルエンジン開発費の一括回収

☆要員削減の推進加速(V-PLAN目標体制の早期確立)
 固定的なコスト負担の軽減を目指し、Vプラン目標要員体制(単体8,700名)の早期確立を図る。

生産要員を含む希望退職の実施
  2002年10月31日付4,266名の希望退職により、単体は9,200名規模となり、今後の自然減等を加え、2004年3月の8,700名体制確立へ目処をつけた。

☆資材費低減
次期中・小型トラックモジュール化
車型数/エンジンシリーズ大幅削減
ピックアップトラックでのGM北米生産車との共同購入
GMグループアライアンス(富士重工業・スズキ・GM)共同購入

☆マネジメント改革
GMから代表取締役副社長、みずほから取締役副社長が、それぞれ就任(予定)し、経営体制強化を図り、新3ヵ年計画の確実な実行を目指す。
組織改定
  営業/技術本部を本来業務に特化させるため、管理系業務を管理本部に移管・集約
  社長直轄の、新3ヵ年計画を全社横断的に推進する部署を、企画・財務部門に設置
  従来の26室91部体制を、室を全廃し、かつ70部に削減したフラットな組織に改編

2.GMによる支援と金融機関による協力
☆GM出資株式の無償消却、増資及び新たな資金注入
GM現行保有全株式(約619百万株)を無償消却し、新たに第三者割当増資約100億円を引き受ける。これにより増資後のGMのいすゞ普通株保有比率は約12%となる。
この他、パワートレイン事業の協業強化に伴い、約500億円の資金注入を受ける。

☆主要行による債務の株式化等
総額1,000億円の債務の株式化により、自己資本を増強し、同時に有利子負債を削減するため、優先株を発行。
新規借入金により、社債償還資金、要員削減資金に対応。
新3ヵ年計画期間中の既往取引枠組み維持により、資金の安定を確保。

IV.業績予想の修正について
平成14年5月24日の決算発表時に公表した平成15年3月期(平成14年4月1日〜平成15年3月31日)の業績予想を下記の通り修正する。

平成15年3月期通期業績予想数値の修正(平成14年4月1日〜平成15年3月31日)
【連結業績】 (単位:百万円、%)

  売 上 高 経 常 利 益 当 期 純 利 益
前 回 発 表 予 想 (A) 1,370,000 11,000 3,000
今 回 修 正 予 想 (B) 1,270,000 △7,000 △170,000
増 減 額 (B−A) △100,000 △18,000 △173,000
増 減 率 △7.3
前期実績(平成14年3月期) 1,597,701 △1,984 △42,991

(修正の主な理由)
・単体業績の見直し、および北米子会社の業績未達等による。
【単体業績】 (単位:百万円、%)

  売 上 高 経 常 利 益 当 期 純 利 益
前 回 発 表 予 想 (A) 710,000 10,000 8,000
今 回 修 正 予 想 (B) 740,000 3,000 △181,000
増 減 額 (B−A) 30,000 △7,000 △189,000
増 減 率 4.2 △70.0
前期実績(平成14年3月期) 761,904 2,123 △56,224
(修正の主な理由)
・ 売上構成差及び為替影響、新3ヵ年計画に基づく特別損失等の計上による。

(特別損益等の主な内容) (平成15年3月期)
・北米事業体制見直し 910億円
・要員削減 220億円
・国内RV事業撤退関連 30億円
・その他 250億円
小計 1,410億円
・法人税等調整額等 430億円
総計 1,840億円

【新3ヵ年計画年次計画】
(億円)
  2002/3月期 2003/3月期 2004/3月期 2005/3月期
連結売上高 15,977 12,700 12,200 12,700
連結営業利益 151 50 500 600以上
連結当期利益 △429 △1,700 350 500以上
総資産 13,241 10,100 9,700 9,400
有利子負債 7,387 5,600 5,100 4,500

添付資料
以上