プレスリリース

2001年5月28日


いすゞ自動車 中期経営計画について
‐ISUZU V PLAN‐


いすゞ自動車株式会社(以下いすゞ)は、この度、事業構造と企業体質を抜本的に改革し、企業価値の回復と企業競争力の強化を図るため、中期経営計画(2004年3月期末まで)を策定した。

いすゞは1992年に、それまでの総花的経営を改め、得意分野の商用車、RV、コンポーネントの3事業を経営の柱とする、新たな経営計画を策定し積極的に事業展開を行ってきた。その中で生産の最適配置、調達構造の改革、海外生産拠点の拡充などを進めると共に、GMとの提携では、ディーゼルエンジンと商用車ビジネスにおいて、GMグループの中心的存在(COE,Center of Expertise)として位置づけを明確にし、その存在価値を高めてきた。
しかし、90年代後半から続く国内景気の長期低迷、アセアン経済の大幅落ち込みなど、いすゞを取り巻く経営環境の悪化は、いすゞの業績にも大きな影響を与えた。いすゞは、このような状況に対応するとともに、連結経営体質の強化を目指して、1998年12月より「グループ構造改革」に着手した。この結果、国内販売体制や要員構造の改革等により、国内を中心に収益体質は大幅な改善が進んできている。
しかしながら、いすゞは2001年3月期まで3年連続の連結経常損失を計上しており、環境変化に対応すべき基本的な企業体質は、未だ極めて脆弱である。このため、特にこれまでの生産体制やグローバル事業展開における国内偏重を見直し、高コスト構造を改革していくことが急務となっている。

今回の計画では、企業体質のスリム化を進めて経営のベースとなる企業価値の回復を図り、併せて、いすゞの強みとGMとの協業を生かしたグローバル事業体制の確立を目的としている。
本計画は、いすゞが再生するためのファーストステップとして、現在の厳しい企業環境の中でも成し遂げなければならない課題を明示している。そして、この計画を完遂することにより、いすゞが「世界の人々に喜ばれる価値ある商品を提供する企業」として、飛躍していくことを宣言するものである。

【目標 2004年3月期 (除く金融セグメント)】
連結売上高 1兆5,200億円
連結営業利益 600億円 以上
連結当期利益 300億円 以上
 
総資産 1兆1,100億円
有利子負債 5,100億円

【注】「いすゞ ブイ プランISUZU V PLAN」の由来 :『VICTORY』、『V字型回復』より命名

【ISUZU V PLANの概要】

 I.企業価値回復
 II.事業の拡大

国内コスト構造の改革

いすゞの強みとGM協業を生かした展開

・国内生産インフラ集約
・グループ要員削減
・調達コスト低減
・連結総資産圧縮
・国内販売会社収益体質強化
・グループ関連企業再編
・国内RV販売事業見直し
・開発プログラム/体制効率化
・グローバル事業体制確立
・PT(パワートレイン)事業強化
・国内販売流通のネットワーク強化
・GM協業拡大




具体的な計画は以下の通り。

 I. 企業価値の回復

国内偏重型の肥大化した生産、販売インフラと要員をスリム化し、適正な規模とする。
コスト削減と資産の圧縮を図り、グループ全体を無駄のない企業体質とする。

【1】 国内生産インフラ集約
グローバルレベルで、生産拠点の適正化と集約を図り、国内生産を3拠点体制とする。

[目標] 生産最適配置により、全体稼働率 現状50% → 90%以上
[施策]
■ 川崎工場 … 機能移管後、2005年末閉鎖
機能ごとに2002年より順次、藤沢工場及び栃木工場へ移管

・ 大型トラック生産: 藤沢工場に移管(中/大型混流生産) → 2002年末まで
・ エンジン生産: 栃木工場に移管 → 2005年末まで

■ 生産拠点の集約

・ 車両生産: 藤沢工場に集約
輸出向けピックアップトラック生産はタイに移管→2003年よりSUVの生産主体は北米に移管
・ エンジン生産: 栃木工場 … 商用車(以下CV)用エンジン
北海道工場 … 海外向けエンジン・コンポーネント
藤沢工場 … RV用ディーゼルエンジン(以下DE)

【2】グループ要員削減

[目標] グループ全体要員を3年間で9,700人(約26%)削減 38,000人 → 28,000人規模
■ いすゞ単体 : △3,300人
■ 国内販社  : △2,000人
■ 関連企業  : △4,400人  計9,700名
[施策]
■ 自然減、採用抑制、希望退職(いすゞ単体約700人、2002年3月期中)など : 6,700人
■ 事業売却等(国内販社700人、関連企業2,300人): 3,000人

【3】調達コスト低減

[目標] 資材費低減 3年間で20%
[施策]

■ 仕様の見直し : 車型数 70%削減
コンポーネント機種削減 50%削減
■ 部品共通化 : GM WWP(ワールドワイドパーチェシング;GMグループ国際購買システム)の情報、ノウハウ活用
■ ベンチマークの徹底: 北海道工場 … 海外向けエンジン・コンポーネント
■ コアサプライヤー選定 : 現状約470社 → 300社程度
GM WWPと連携
■ 専任体制設置: 開発/生産/購買共同の専任チーム(180名体制)活動強化
購買部門に「海外調達室」新設

【4】連結総資産圧縮
資産、株式売却により、自己資金捻出とキャッシュフロー改善を図る。

[目標(除く金融セグメント)]

■ 連結総資産圧縮: 約3,500億円削減/3年間
1兆4,600億円(2001年3月期末)→1兆1,100億円(2004年3月期末)
■ 連結有利子負債圧縮: 約2,500億円削減/3年間
約7,500億円(2001年3月期末)→ 約5,100億円(2004年3月期末)

[施策]

■ 資産売却 : 川崎工場
本社など計 650億円
■ 株式売却 : 持ち合い株解消など 250億円
■ 在庫圧縮 : 連結在庫 25%圧縮 500億円
■ その他 : 債権流動化、受取債権期間圧縮など 700億円

【5】国内販売会社収益体質強化
現在進めている商用車販売会社の統合を加速させ、チャネルの整備を図ると共に、サービス体制を強化する。

[目標] 全店黒字化/2004年3月期
[施策]
■ 商用車販売会社の統合加速販売会社数 全国25社程度に(現状41社)
・総合店化 … 大型車店と小型車店の統合
・広域販社化 … 共通する商圏を持つ近隣販社の広域合併
■ サービス拠点再配置(機能集約・強化) : 拠点数 全国320拠点程度に(現状400拠点)
・修理層別拠点配置
・カバーエリア見直し
・合理化効果を原資として、リニューアル化と機能強化

【6】グループ関連企業の再編
グループ事業展開の見直しを行い、ノンコア事業は合理化、整理して効率的な事業体制を構築する。
グループの内109社を対象に、 事業の枠組みを見直し、機能を統廃合する。

<[目標] 関連企業 40%削減(対象109社)
[施策]
■ いすゞ本体への統合
■ 関連企業間の合併
■ 不採算事業の清算
■ ノンコア事業の売却、資本比率変更

【7】国内RV事業見直し
GMと相互に販売リソースを有効活用し、国内でのRV増販を図る。

[施策]
■ 販売拠点の統合検討 … いすゞ拠点のGMオートワールド(以下GMAW)化推進
■ いすゞ車をシボレーブランドでOEM供給。 主に北米SIAよりSUV商品供給
■ GMAWの積極的支援(サービス、補給部品、物流)

【8】開発プログラムと体制の効率化
コア プラットフォームへの集約と派生技術による効率的な開発を徹底する。

[施策]
■ プラットフォーム統合(2006年完了目標)
・ プラットフォーム数 : 現在7種 → 3種(コアプラットフォーム)
・ コアプラットフォーム : 大型CV、中/小型CV、ピックアップトラック

II. 事業の拡大

GMグループのディーゼルエンジン、商用車ビジネスの中核的存在としてGMとの協業を強化するとともに、いすゞの強みを生かし、世界的な視点でリソース機能の最適配置を行い、グローバルな事業体制を再構築する。

◇ グローバル事業体制の確立
・日本、アセアン、中国、米州の4拠点分業体制を確立し、商品ラインアップごとに開発、調達、生産、販売の最適効率化を図る
・ グローバル戦略車の展開
・ 特にアセアン(LCV*)と中国(CV、バス)の展開を強化する。
*LCV(Light Commercial Vehicle)=小型商用車、ピックアップトラック、多目的車など
◇ パワートレイン事業強化
・ 世界のNo.1DEメーカーとしての地位を確立(2005年180万基生産レベル)
◇ 国内販売流通のネット強化
・ 新車販売以外の周辺ビジネス強化、総合商品化
◇ GMとの協業強化
・ GMとのリソース、規模の有効活用
・ いすゞ、GM相互のチャネル活用
・ 商品の共同開発、共通化

具体的には、
【1】グローバル事業体制の確立
■ 重要市場、拠点、商品の効率的配置
・ 商品ごとにそれぞれベースとなる事業拠点を確立(調達、生産、販売)
・ ベース事業拠点から、世界他市場へビジネス展開を行う(完成車、部品、コンポーネント)
CV: 日本、中国 DE(CV用): 日本、中国、アジア、米州
LCV : アセアン DE(乗用車用) : 欧州
SUV : 北米

■ グローバル戦略車
・中/小型CV、ピックアップトラックをグローバル戦略車と位置づけ、これをベースとした新コンセプト車のグローバル展開を図る。
小型CV/ピックアップトラックベース: 新コンセプト配送車、多目的車、SUVなど

■ アセアン、中国事業展開

・ タイ: ピックアップトラックの世界供給基地化
生産設備、調達・流通の全面的増強
・ インドネシア: グローバル多目的車の供給基地化
現地インフラの強化およびQCDの確保
・ 中国: 商用車・バスのフルライン展開
部品・コンポの供給基地化
サービス・部品を核とした広域販売ネット構築

【2】パワートレイン事業強化
最新技術、生産体制、事業展開などすべての分野で、DEのリーディングカンパニーとしてのプレミアムブランドを確立。

■ 市場の新規開拓と確保
・ GMグループへDE販売の拡大
・ 他社向けDEの販売拡大
■ 独自の事業体制
・ 生産、供給のグローバル化 … 北米DMAX、欧州ISPOLの生産拡大
… 北海道工場をエンジン専門工場として独立化検討
… タイ、インドネシア、中国の生産拠点活用
… 産業用/マリン用エンジン事業の独立、強化
■ DE最先端技術開発
・ 次世代DEの早期商品化 … 超クリーン、高出力、高トルクを兼ね備えたDE

【3】国内販売流通のネットワーク強化
顧客ニーズを充足する新たな価値の創造。

■ 国内営業周辺ビジネスの強化
・ 整備、金融、架装、中古車、CVレンタカー、再生
■ 新車販売を含めた周辺ビジネスの総合商品(パッケージ)化

【4】GMとの協業強化
「製品供給を通しての協業」から「機能・商品・地域での全面的協業」への拡大。

■ 開発
・ DE、CV、LCVの各分野において、GMのグループ内での主導的役割を担う
・ GM先端技術、ノウハウの活用
■ 購買
・ GM WWPに参画し、調達コストを削減
■ 生産
・ GM生産インフラの活用 : タイ/北米
■ 商品
・ GMチャネルへのいすゞCV、LCV供給
・ いすゞチャネルへのGM商品導入
■ 販売
・ チャネル統合シナジー効果追求 : 北米/日本


以上