プレスリリース

2000年6月20日


いすゞ 新大型路線・自家用バス 『エルガ』 を発売


 いすゞ自動車(株)は、大型路線・自家用バスを16年ぶりにフルモデルチェンジし、新たに「エルガ (ERGA)」シリーズとして、6月20日から全国一斉に発売する。

 「エルガ」は、いすゞ商用車のベースコンセプトである「信頼と安全」を基本に、「人にやさしい・環境にやさしい・事業者にやさしい」を商品テーマとして開発された。バス事業は、長引く景気低迷やバス利用者の減少など、厳しい環境が続いている。そうした中で「エルガ」は福祉・高齢化社会への対応、安全への配慮、環境保護、さらには運行コストの削減などを目指した、新世代の大型路線・自家用バスとして新規投入される。

エルガ(ERGA)とは
○ラテン語で「〜に向かって」という意味を持ち「新たな時代に向かって走り始めた新しい路線バス」をイメージさせた。


主な商品特長は次の通り

1. 充実した車型展開

路線バス「LV」に、車両前方から中扉まで床面がフラットなノンステップバス(type‐A)を新規設定し、従来から設定している車両後部までフルフラットな車型(type‐B)とあわせ、2種類のノンステップバスを標準設定した。

2.人や街にやさしく個性的なスタイリングと、快適空間を創造するインテリア

スタイリングは、ボクシー(四角い箱)でゆとりのあるスペースを感じさせるとともに、コーナー部に丸みを持たせ、やさしさを印象づけるデザインとした。
インテリアは、「快適空間の創造」をテーマに、標準仕様としてシートマテリアル、天井、腰板、床材のバリエーションを豊富に取り揃えた。これらを自由に組み合せることで、明るく楽しい雰囲気の路線バスを実現した。

3.環境に配慮したエンジン

平成10年・平成11年排出ガス規制に適合した4種類のディーゼルエンジンを搭載し、排出ガスのクリーン化と優れた燃費性能を実現した。さらに、信号待ちなどでエンジンの自動停止・再始動を行うアイドリングストップ&スタートシステムを路線バスにオプション設定した他、CNG(Compressed Natural Gas=圧縮天然ガス)エンジン搭載車をLVに設定した。
また、NOxの低減に有効なクールドEGRと、PM・黒煙の低減に効果を発揮するDPFを装備する「E&D」を2001年3月から販売する。


目標販売台数 : 大型路線/自家用バス 「エルガ」 650台/年

<東京地区希望小売価格>
(消費税含まず)

グレード 型式 用途
エンジン 東京地区希望小売価格
エルガ
ノンステップバス
type‐A(*)
LV280L1
(改)
前乗り
ワンマン
8PE1-N
177kw(240PS)

18,300,000円
エルガ
ノンステップバス
type‐B
LV834L1 前乗り
ワンマン
6HK1-TCC
191kw(260PS)

21,600,000円
エルガ
LVワンステップバス
LV280L1 前乗り
ワンマン
8PE1-N
177kw(240PS)
16,530,000円
エルガ
LT ワンステップバス
LT233J2
前乗り
ワンマン
6HH1-S
165kw(225PS)
14,845,000円

≪商品概要の詳細は次の通り≫


1.商品ラインナップ

(1) 路線バス「LV」

車両前方から中扉まで床面がフラットなノンステップバス(type‐A)を新規設定し、従来からある車両後部までフルフラットな車型(type‐B)とあわせ、2種類のノンステップバスを標準設定した。これにより、従来からのワンステップバス・ツーステップバスと合せて4タイプの豊富なバリエーション展開とした。

(2)路線バス「LT」

短めの全長(9330mm)・ホイールベース(4300mm)で機動性にすぐれ、都市内循環や市街地運行などに最適な「LT」に、ワンステップバスとツーステップバスを設定した。また、ワンステップバスにエアサスペンション車を新規設定した。

(3)自家用バス「LV/LT」

企業やホテルなどの送迎用として幅広く対応できる自家用バスに、「LV」3種類、「LT」1種類を用意した。


2.スタイリング

・ ボクシー(四角い箱)でゆとりのあるスペースを感じさせるとともに、コーナー部に丸みを持たせることで、人への優しさを表現したラウンディッシュキューブフォルムを採用した。
・ ヘッドランプを縦置きレイアウトとし、個性的なフロントマスクと機能を両立させた。
・ フロントガラスに2分割窓を採用した。


3.インテリア

(1) 路線バス・自家用バス

・ 運行に必要なスイッチ、レバー類を機能的にレイアウトした、ラウンドフォルムコックピットを採用し、運転操作性を向上させた。

(2) 路線バス

・ 「快適空間の創造」をテーマに、標準仕様としてシートマテリアルを20種類、天井・腰板・床材をそれぞれ2種類設定した。また、オプション仕様としてさらに天井・腰板をそれぞれ2種類、床材を3種類設定した。これらを自由に組み合せることで、インテリアの多様化を実現した。
・ 機能的な新グリップ付シートをオプション設定した。


4.乗降性・福祉対応

(1)路線バス

・ 車両前方から中扉部まで床面がフラットなtype‐Aと、車両後部まで床面がフラットなtype‐Bの2種類のノンステップバスを設定した。
・ ステップの高さを低く設定、また、ワンステップバス エアサスペンション車の床面地上高を40mm低減するなど、乗客の乗降性を向上させた。
・ フロアの段差をできるだけ少なくしたフラットな床面形状により、乗客の安全かつスムーズな車内移動に配慮した。
・ エアサスペンションを利用し車両左側の車高を下げるニーリング機能と、車両全体の車高を上下させるリフトアップ・ロアリング機能を併せ持った、車高調整機構をノンステップバスに標準設定、ワンステップ/ツーステップバス エアサスペンション車にオプション設定した。
・ 車椅子利用者が楽に乗降できるスロープ板をオプション設定した。
(*ツーステップバスを除く)
・ 走行中に車椅子を確実に固定する、車椅子固定装置をオプション設定した。
・ 滑りにくいマテリアルを使用した床材を標準設定した。

(2)自家用バス

・エアサスペンションを利用し車両前方の車高を下げるニーリング機能をオプション設定した。

5.環境

◎平成10年・平成11年排出ガス規制に適合させた4種類のデイーゼルエンジンを設定した。

(1)PM・黒煙/NOxの低減技術

・電子制御コモンレール式高圧燃料噴射システム (6HK1−TCC型エンジンに採用)
より高圧な燃料噴射を行い、PM/黒煙の低減を達成する。また、電子制御により噴射圧力、噴射時期、噴射期間をきめ細かく制御することでNOxを低減する。
・TICS (Timing and Injection rate Control System : 6HK1−TCC型を除く全エンジンに採用)
走行負荷、エンジン回転数などを各種センサーで検出し、もっとも効率の良い状態で燃料噴射量と噴射時期を自動制御し、PM/黒煙、及びNOxの低減に貢献する。

(2) PM/黒煙の低減技術
・吸排気4バルブ化、中央燃焼室化 (6HK1−TCC、6HH1−S型エンジンに採用)
吸気2・排気2バルブの4バルブ方式にするとともに、ピストン頭頂部の燃焼室を中央に移設することで、燃料を効率よく理想的に燃焼させ、PM/黒煙の低減に貢献する。

(3) NOxの低減技術

・EGR (Exhaust Gas Recirculation : 6HK1−TCC型を除く全エンジンに採用)
一度排出されたガスを再び吸入空気と混合させることで燃焼室内の酸素量を抑制する。
これにより、シリンダ内の燃焼がゆるやかになり燃焼温度が低下し、NOxを低減する。

エンジン型式 無過給 インタークーラー
ターボ
8PE1‐N 8PE1‐S 6HH1-S 6HK1-TCC
シリンダ V型8気筒 直列6気筒
種類 水冷4サイクル直接噴射式
総排気量(cc) 15201 8226 7790
圧縮比 18.0 18.5 16.8
最高出力
〔ネット値*〕
177kw
(240PS)
/2100rpm
210kw
(285PS)
/2300rpm
165kw
(225PS)
/2900rpm
191kw
(260PS)
/2700rpm
最大トルク
〔ネット値*〕
892N・m
(91kg・m)
/1400rpm
1000N・m
(102kg・m)
/1400rpm
569N・m
(58kg・m)
/1700rpm
745N・m
(76kg・m)
/1400rpm
噴射システム TICS 電子制御
コモンレール式
EGRシステム 有り 無し
展開車型 LVノンステップ
type‐A
LVワンステップ゚
LVツーステップ

自家用
LVノンステップ
type‐A
LVワンステップ
LVツーステップ

自家用
LTワンステップ
LTツーステップ
自家用
LVノンステップ
type‐B
*ネット値とはエンジンを車両搭載状態とほぼ同じ条件で測定した数値。

◎その他の環境対応技術

・アイドリングストップ&スタートシステムをオプション設定した。車両の発進・停止にあわせエンジンの自動停止・再始動を行なうので無駄なアイドリングがなくなり、排出ガスの低減と燃費の向上を実現した。
・CNGエンジン(8PF1型)搭載車を一部車型に設定した。
・ EGRに冷却装置を装着し、NOxの更なる低減に貢献するクールドEGRと、PM・黒煙の大幅な低減に有効なDPF(Diesel Particulate Filter)を装備した「E&D」を、8PE1−N型エンジン搭載の路線バスにオプション設定した。(2001年3月発売予定)

6.安全性

(1)路線バス・自家用バス

・ 最新のコンピューター解析技術を駆使し、角チューブを多用することで、欧州のECE基準R−66(ロールオーバー性能)に適合した、高剛性のボディ構造を採用した。これにより横転時の車両の変形を最小限に抑えることを可能とした。
ECE基準 : 欧州統一車両法規 (Economic Commission for Europe regurations)
R−66 : ECE基準で定める、バスの上部構造の強化に関する統一法規。ロールオーバー時の安全性に 関しては、世界で最も厳しい安全基準。
・ 運転席に3点式ELRテンションリデュ−サ−付シートベルトを標準装備した。
・ 衝撃吸収ステアリングシャフト&ホイールを採用し、万一の正面衝突時におけるドライバー への衝撃の軽減を図った。
・ ブレーキオートアジャスター、ホイールパークの採用などにより、中期ブレーキ安全規制に適合させた。
・ CNG車に永久磁石式リターダを標準設定した。
・ ワイパーの払拭面積を拡大し、悪天候時の視界を向上させた。

(2)路線バス

・ 室内の通路段差の角に黄色の縁材を使用し、視認性を高めるとともに、ホイールハウスや床の段差、室内側窓サッシの角に丸みを持たせ、車内事故の防止を図った。

(3)自家用バス

・ 急制動時や滑りやすい路面における制動時に、タイヤロックを制御し、ハンドリングによる危険回避能力を確保するABSをLV自家用バスに標準装着した。
(LT自家用バスはオプション設定)


7.運行コストの削減

・車体の軽量化や空力性能の見直し、エンジンの改善、ハブベアリングフリクションの低減などにより、ノンステップバス type‐Bで従来のノンステップバスと比較し、燃費を約8%(社内試験値)向上させた。
・ フロントにフロント点検扉を、リヤには大型1枚式のエンジン点検扉を採用し、点検整備時間の短縮を図った。
・カチオン電着塗装や溶融亜鉛メッキ鋼板、床下面防錆ワックスなど車体の隅々にまで徹底した防錆対策を施し、車体の経年劣化の防止を図った。