輸創企業

中型フォワードをベースとした「脱着型コンテナ車」を導入

代表取締役 杉山 真一 氏

常務取締役 雨宮 治郎 氏
 東京都府中市に本社を置く株式会社ウイング流通は、温度管理車を中心に保有し、冷凍食品・生鮮食品の輸送を手掛ける輸送企業。特徴的なのは、独自の工夫を施した車両を用いて新たな輸送システムを構築し、さらなる輸送サービスの向上を常に追求している点だ。そして今回、同社はこの一環として新たな車両を製作・導入した。その車両は、いすゞ中型フォワードをベースとした"脱着型コンテナ車"である。脱着型コンテナ車とは、積荷を載せるボディ部分を車両から必要に応じて取り外すことができるもの。車両4台に対し、冷凍コンテナを12台、ドライコンテナを2台保有しており、冷凍コンテナでの脱着型は日本初と言えるだろう。
 この車両を企画した背景について、常務取締役の雨宮治郎氏は次のように語る。
「従来から、時代の流れとして"乗務員の人材確保の難しさ"に着目していました。いまでは求人を出しても電話すら鳴らないことがあるくらいです。手をこまねいて何もせずにいると、今年か来年には人材不足が深刻化し、事業が立ちいかなくなってしまうでしょう。また、CO2排出抑制など、環境に関する社会からの要請に応えるためにも、あらたな輸送システムの構築が急務だと考えました」
 それでは、雨宮常務が述べるような課題に対し、脱着型コンテナ車はどんな解決をもたらすのか。ポイントは次の3つである。

1.1台で複数台分の仕事量
 脱着型コンテナ車は、神奈川県内にあるスーパーへの食品配送に活用されている。まず物流センターで夜中の2〜3時頃に積み込みを行う。そして4時頃に店舗へ到着し、コンテナごと納品する。すると、車両は商品の積み降ろしを待たず、車両だけの状態で物流センターに向かう。ここで商品が積み込まれた新たなコンテナを積んで、先ほどの店舗か別の店舗へ配送に向かう。従来のプロセスとの大きな違いは、車を停めておく時間が短くて済むということだ。これにより車両の稼動効率が上がるので、車両1台で複数台分の仕事ができる。
 また、納品先の近くに別の車両が置いてきたコンテナがあれば、そのコンテナを引き取って戻ったり、あるいはそのまま別の仕事に向かうこともできるようになるなど、配車効率も向上するだろう。

2.積み降ろし時にアイドリング不要
 前述のように、この車両は積み降ろしを待つことがなく、車両からコンテナを取り外してからは店舗の電源で冷凍機を稼動できるので、アイドリングがなくなる。これにより燃料コスト低減、CO2排出抑制が可能となる。さらに、店舗周辺は住宅地である場合も多いので、アイドリングがないことは騒音の抑制や企業イメージ向上への貢献など納品先のメリットも大きい。

3.遠隔地同士の輸送も、中継地点でコンテナ交換が可能
 例えば東京と大阪に拠点を持ち、それぞれの拠点からそれぞれの地域へ輸送することがある場合を考えてみよう。従来であれば出発したら納品までを同一の車で行う。しかし脱着型コンテナ車の場合、中継地点を設けてコンテナを交換することが可能だ。これによって、拠点における車両の管理がシンプルになり、また乗務員の労務管理も行ないやすくなる。


ウイング流通のスーパーへの配送における要、横浜市金沢区内の物流センター。

冷凍コンテナに加えドライコンテナも導入。


コンテナを降ろすまでの時間はおよそ1分と迅速。作動音も静かなので、納品先店舗の近隣が住宅地でも迷惑になりません。

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